ケダモノの夢は飴の味 Page2


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「えっ…えっと?」
声色も、その活気も、体つきも、明らかに自分が知っている「ルナ」。自分を知っているその記憶の連なりも、間違いなく「ルナ」そのものであるはず。シンは、そんな彼女が”初めまして”を口にしたことに、一瞬戸惑いを感じた。
「あたしのお口、美味しかった?」
戸惑いを確かめる暇もなく、ルナマリアが話しかけてくる。
「え…あ、うん、すっごく甘かった。俺が知ってるルナの味とは…ちょっと違ったけど」
「あは♪そりゃね。あたしのエキスは特別だからね」
ウィンクを決めて、嬉しそうに腰を捩じって見せてくる。ぷるんと胸が揺れ、シンの目を弄んだ。
「えっと、…あのさ」
「ん、なあに?」
シンが何とか会話の合間を縫って、自分の疑問を捻りださんとする。
「ルナは、…ルナ、なんだよな?」
「ん?そうだけど、なんで?」
「何で初めてなんだ…?俺のことをよく知ってるし、ルナなのに。それに何でそんなカッコで……」

ドクン。

「っく…ッ?!」
問い掛けを届けかけたその瞬間、シンの心臓が爆音の悲鳴を上げた。
体中が急に熱っぽくなり、一瞬、風呂を出たようなのぼせたようにくらっとした。直後、加速度的に鼓動が速くなっていき、血管と言う血管を血が奔走するのを感じた。身体の突起している要所要所の感覚が鋭くなり、五感が急激に研ぎ澄まされていくのがわかる。即ち嗅覚もその冤罪を免れることはなく、眼前のルナマリアから放たれる媚香を荒波のように浴びせつけられた。神経と血管が情欲を玩弄し、下腹部の怒張が見たこともない崇高な彫像の如くを呈した。
「…んふっ…♥」
”効き目”を確かめたルナマリアは、両腕の間にシンの華奢な体を挟んで、上体をシンの眼前まで、胸の先を擦るようにゆったりと迫り上がった。
シンは自分の思考が一気に無関係な情報に押し流されるのを耐えられず、嚥下した喉を凍りつかせたまま、彼女の拉ぐ圧に姿勢を圧倒されていく。
眼前に広がる巨獣のような俯瞰する女体が、シンの鼻の前に倒れ込んで迫り、両腕に包み込んで視界を塞いだ。
「ほーら、我慢しちゃダメ。苦しくなっちゃうよ」
眼前には見慣れた大きさの二つ毬が、ぷるんぷるんと揺れて、頬を擦っていた。毬の先の突端がシンの鼻と口のはざまをなぜて、往復するに伴い、シンの口の中にまた、大量の分泌が奔った。
「欲しいんでしょ?あたしの胸。いいよ。飲んで」
「んふぇ、でぇ、でむぉ…んぷっ…!」
ことばを判別する明瞭さも唾液に阻まれ、大量の水糸に吃って緩む唇の隙間を、毬の突端がすぽりと塞いできた。
「あは♥」
屈託なく笑うと、ルナマリアは咥えられた方の胸を重力に従って落とし、両腕をシンの頭に曲げて包んで視界を密閉した。
「…どうぞ召し上がれ」
「んふ…ぷぇっ…」
嗽が出来そうなほどに溜まった酸液がぶら下がる頂にまぶされ、催促されるがままに舌を伸ばすシン。
「くぅん…っ♥」
横溢する液は唇の両端を伝い、頬から下に流れ出ていく。行儀の悪さをモノともせず、濡れ光る薄赤色を頂に押し当て、上下左右にたどたどしく擦りつけながら、吸った。
「ちゅるちゅるちゅる…ぷちゅっ、ちゅむぅぅ…っ」
「あっ…♥いい、いいの、好きぃ、んふぅっ♥」
脇目も振らず、他の事を投げ出させられて、吸引と塗布に集中するシンが愛おしいのか、ルナマリアがさらにのしかかり、鎖骨に彼の前髪を摩擦した。そのまま片方の手を伸ばし、ルナマリアは張り詰める彫刻に掌を掛け、細く整った指でその麓を軽く摩った。
「ちゅるっ、ぢゅぷっ…くちゅ、にちゅっ…んぷぁっ?!」
「ちゃんと美味しいみたいね、よかったぁ…♥」
「…る、なぁ…」
「あ、やだぁ。もっといっぱい吸って頂戴。お口お留守はだーめ」
下腹部の刺激が襲い、くねくねと細い触角が根本から制圧してくるのに、シンは堪え難い感傷を喰らわされる。
ルナマリアの期待を無碍にしたくなさの一心で、必死に快感を押し殺し、毬の愛撫に集中した。
そのたびごとに、彫像の高揚が掌の軟みに摩擦される感覚で顎を突き上げられた。
「ぐぷ、ぢゅぷっ…っぐぁああっ!」
「きゃんっ!」
彫像の尖塔を握りつぶされ、吸い続けていた唇が緊張する。快感に堪えかねて力んだ口が刺咬を起こして乳房をつつき、反り返ったシンの身体には薄紅色の乳液が弧を描いて降りかかった。
「な、…これ…母乳?!」
「あ♥。わかるー?あたしのお乳」
「どうして…っつか、ルナはホントに…」
「そーよ」
「えっ…?」
「あってるわよ。シンが知ってる、ルナマリアであってるわ」
シンは数多くの異様な瞬間から、眼前のルナマリアを照合したかった。その気持ちはどうにも彼女に御見通しの様子であり、先程来から会話の受け答えが一方的に先制されるばかりのようだ。
口が離れた一瞬の自由を頼りに、シンはルナマリアと会話を試みる。
「に…偽物とかじゃ…ないのか?」
「偽物のあたしなんていないわよ。あたしはあたし。みーんなあたしよ。
…でも、シンにはちょっと意外だったかしら」
「どういう事だよ…俺の知ってるルナ、そんな淫乱じゃなかったろ…ってわぷっ」
「きゃは♥そうでもないわ。シンが大好きなあたしは、ずーっとシンのこと、食べたがってたの♥」
ところどころ引っかかる物言いが、変わり映えのないはずの勝ち気さから流暢に語られる。どこか淫靡さと自制なさが入り混じっているのに、なぜだかルナだという直感が邪魔されず、快感と混乱が入り乱れる。
引き続いて操縦棹を上下左右され、流出する汁を塗りたくられながら、今度はもう片方の毬に顔を覆われ、鼻を摩擦しながら口に含む。
馴染み慣れた柔らかみを片手でほぐしつつ、乳液の搾飲を続けるシンに、ルナマリアは話を続けた。
「あたしは、”シンのなかにいる”ルナマリア」
棹を摩る手を優しくして、怒張をいたわる。
「あなたがあたしをずっと見ていて、手放さないで、大切にして。傍に居続けてくれたから生まれた、もう一人の、あたし」
長く黒光りする手袋の片手で、シンの頭を優しく抱き支える。
「シンの中に入ってきて、シンが大好きで、してほしいことを一杯浴びて」
姿勢を変えて、両膝を畳んで、シンの頭を乗せる。赤ん坊を寝かしつけるような形で、授乳を続ける。
「そんなシンの気持ちいいコトが、生きる力になっている。シンの中に棲みついた、ルナマリアよ」
飾り気ない黒い髪を撫でながら、媚乳をシンの口に送り込み、棹の濡れを伝染させて、ちゅるりと吸った。
「じゅぷっ…れるっ…ぷじゅる…る、ルぬぁ…」
「だからね。あたしはシンにいーっぱい愛された、ルナマリアの愛、そのもの。だから、ちゃーんとあたしなの♥」
授乳と搾棹、零れ汁を賞味と何度か繰り返し、初々しい雄肌に濡れ指を滑らせて練りつけて反応を楽しんでいる。
「んーっ、やっぱりシンのカウパーね。いつもより濃くて、美味し♪」
胸の上から覗き込む指をこれ見よがしに泳がせ、口元に運んではわざとちゅるちゅる音を立てて味わう。
一区切りの自己紹介を受け、シンは夢現の是非もつゆと忘れて安堵を憶えたのか、膝枕から暖かい吐息と共にもっと深く乳輪を飲み込んだ。
「だから、そう…そうよ…っ♥…そうやってもっと…甘えて…はぅんっ♥」
ルナマリアは感激のあまり上体を緩く畳み、シンの眼上を胸で覆う。やがて胸はぷるぷると瑞々しく小刻みをはじめ、全体で汗ばんでいくようだった――-否、”胸全体から果汁が滲み出して”いた。
乳輪から放たれる媚乳と、それとは違って滲み出し、シンの顔面を濡らしていく常人ならざる体液。いずれもそれぞれの甘味と色香を有しており、その悉くがシンの鼻に、口に、垂れて耳の傍にと侵入していった。
「ぅぷ、じゅぷっ…ずず…っっっ?!」
肌と言う肌から、滴る媚薬を吸収した少年の頬に、急激な熱の痛みが奔る。即座、同じ痛覚が全身を駆け巡って丹田とその下に燻るのが分かった。

「ん?あ、あーーーー♥」
ルナマリアから、曇り一つなくも妖しい笑みがこぼれる。シンの身体が火照り、輝く筆跡が彼の手足、頬、そして臍の直下にきめ細かく刻まれていた。どうやら大量に吸収された媚液が、シンの体内をめぐる血を支配して情欲の鍵を抉じ開けてしまったようだ。
「シーン、よかったわね!これでシンはあたしの物よ!」
「ずぅぅずずっっっ…んぐっ…んぶはっ、…ルナ…ルナぁ…?」
「ほら、見て見て!シンのこれ、すっごく元気になってるの!」
こうは言ってるものの、先程来シンの尖塔は天へ突き上がりっぱなしだ。それが、もはや力尽きることもなく、妖しい紅色の光まで帯びて岩の如くになっている。ルナマリアがそれを手で扱くと、たちまち湯水のように零れ汁が垂れ、水墨画の岩山のような光景を呈した。
「…ぅあ?!な、なんだよこれ…ホントに俺の…俺のチンチンなの??」
「ええ、そうよ。あたしに愛されて、あたし欲しさでいーっぱいいっぱいになった、シンの欲望よ」
異様な姿をした怒張に、シンは心からどよめきを隠せないでいる。
それをとても楽しそうに見つめ、ルナマリアは溢れる汁を掬っては嗅ぎ、ざりざりと運んで飲んだ。
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