「ヒーローと悪の苦悩 チャーシューメンを添えて」


題名:ヒーローと悪の苦悩 チャーシューメンを添えて 作者:草壁ツノ

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<登場人物>
アカジャスティス:不問 ヒーローの仕事をしている男性。熱い心の持ち主。
アークヤーク:不問 悪の軍団のリーダー。週4でラーメン屋の副業をしている
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<役表>
アカジャスティス:不問 
アークヤーク:不問
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*注意点
特に無し
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■利用規約
・過度なアドリブはご遠慮下さい。
・作中のキャラクターの性別変更はご遠慮下さい。
・設定した人数以下、人数以上で使用はご遠慮下さい。(5人用台本を1人で行うなど)
・不問役は演者の性別を問わず使っていただけます。
・両声の方で、「男性が女性役」「女性が男性役」を演じても構いません。
 その際は他の参加者の方に許可を取った上でお願いします。
・営利目的での無許可での利用は禁止しております。希望される場合は事前にご連絡下さい。
・台本の感想、ご意見は Twitter:https://twitter.com/1119ds 草壁ツノまで
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アカジャスティス:「待てぇーい!」
アークヤーク:「むっ!現れたなアカジャスティス!」
アカジャスティス:「アークヤーク! 許さんぞ!この私の目が黒いうちは!」

アークヤーク:「なぁ、アカジャスティス」
アカジャスティス:「なんだ?」
アークヤーク:「お前は、いつも弱い者を守るのが私の使命だと、口癖のように言っているな」
アカジャスティス:「あぁ!それが私の使命であり、私の心を突き動かすエネルギーだからな!」
アークヤーク:「では......お前がその足元に踏んでいる花は、なんだ?」
アカジャスティス:「むっ?!」

アカジャスティスが足をあげると、その下で踏みつぶされた花があった。

アカジャスティス:「むっ!こ、これは!」
アークヤーク:「貴様は目につく弱者を守っていると、さも大層な事を言ってはいるが、
 その実、そうやって自らの行いで傷ついている弱者がいるという事に気付いていないのだ!!」
アカジャスティス:「むあっ!! そ、そんな......そんな馬鹿な......!」

打ちひしがれるアカジャスティス。

アークヤーク:「今の貴様を相手にしても、何も面白くはない。今日の所は失礼する」
アカジャスティス:「くっ、くそっ......」

※シーン切り替え 夜の繁華街

アカジャスティス:「くそう、今日もまたアークヤークに言い負かされてしまった。
         アイツは言う事がどうも理にかなっているというか、言い返せないんだよなぁ。
         お、あんなところにラーメン屋がある。丁度腹が減ったな、寄っていくか。
         ガラララ。すいません、空いてますか?」
アークヤーク:「ええ、はいどうぞ」
アカジャスティス:「あ、アークヤーク?!」
アークヤーク:「貴様は、アカジャスティス!」
アカジャスティス:「お前こんなところで何をしている?」
アークヤーク:「ふっ、知れたこと。......副業よ!」
アカジャスティス:「ふ、副業だと!?」
アークヤーク:「あぁそうだ。......アカジャスティス、お前はこのヒーローの仕事をどう考えている?」
アカジャスティス:「ヒーローの仕事について......だと?」
アークヤーク:「あぁそうだ......。まぁ、座るがいい」
アカジャスティス:「お、おお......失礼する」
アークヤーク:「注文はなんにする」
アカジャスティス:「えっ、えっと......オススメは」
アークヤーク:「チャーシューメン、味玉トッピング、半チャーハンだ」
アカジャスティス:「それじゃ、それを1つ」
アークヤーク:「あいよ。昼は悪の軍団として働いてはいるが、最近仕事の数が減っていてな。
       夜はこうして副業として、個人のラーメン店を営んでいるのだ」
アカジャスティス:「なんだと......週にどのぐらい営業しているのだ?」
アークヤーク:「週4だ」
アカジャスティス:「週4ッ?!」
アークヤーク:「ふふ、今では両手で湯切りが出来るまでになったぞ......」
アカジャスティス:「......それはさておき、アークヤーク。
         さっき仕事に関して話していたが、あれはどういうことだ?」
アークヤーク:「言葉の通りだ。このご時世、お前はヒーローの仕事についてどう考えている?」
アカジャスティス:「そ、それは皆を守る事の出来る、誇りのある仕事だと考えている」
アークヤーク:「フー(深いため息)」
アカジャスティス:「な、なんだ。何が言いたい」
アークヤーク:「今やヒーローの仕事と言っても、街中に現れる怪獣の数も減っている。
       せいぜい2週間に1匹、それも威勢がいいだけのやつが現れる程度だろう。
       それに、一つの街にヒーローが何人いると思っている。パイを取り合う形だ」
アカジャスティス:「し、しかし。平和であるという事は何者にも代えがたい」
アークヤーク:「――分からないのか、アカジャスティス?つまりお前は、自身で理解しているのだ。
       平和になれば、ヒーローの仕事はない。つまり......必要ではないという事に」
アカジャスティス:「ぐっ! そ、そんな......!?」
アークヤーク:「はい、チャーシューメンセット味玉トッピングおまち」
アカジャスティス:「あ、ああ......」
アークヤーク:「実際、我ら悪の軍団も、今や警察や国、法整備がされ、
       暴れる範囲は近隣住民に迷惑がかからないように、危ないものは使わないように、
       爆発はダメ。血のりもダメ。刃物もダメと......すっかりやりづらくなってしまってな」
アカジャスティス:「あ、アークヤークの方でもそんな事が......」
アークヤーク:「なぁ。アカジャスティス。俺は......この国がどうなったとしても、最後は、
       悪の軍団・アークヤークとして、この一生を終えたいと思っている」
アカジャスティス:「アークヤーク......」

アカジャスティス:今後俺たちがどうなっていくのか。
         それは誰にも分からない。

<完>
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