ダビスタ.txt


競馬に詳しくない人間のゲーム単体として
2020年12月3日発売のswitchダービースタリオン

ダービースタリオンは馬を生産し育成しレースに勝つゲームである
最初にもらえる競走馬でお金を稼ぎ、
繁殖牝馬を種牡馬で種付けして仔馬を生産していく。
そして稼いだお金で牧場を改築して生産効率や競走馬の能力を向上させる。

このゲームの問題点はロード時間である。
頻繁に10秒以上のロードが発生するが、発生条件が確定している
主に、「画面上の景色が変更される時」で、
牧場から競馬場に移動するときや、レースが始まる時などだ。
いわゆるRPGの戦闘移り変わりシーンにあたる。
しかし、このゲームはシミュレーションゲームであるので、
大部分を牧場で過ごすことになり、その牧場の景色が変わる瞬間に長いロード時間が発生する。
1年52週で週を進めることでゲームが進行するが、
基本的にメインの牧場画面からしか各種メニューに遷移できない。
そのメニューからのすべての遷移が「景色が変わる」ので長いロードが発生する。
頻回なのは競走馬・繁殖牝馬・種牡馬を牧場から遷移して見るときである。
馬への指示や詳細な情報は競走馬画面でしか見れないので、遷移しないことはほぼない。
この時点で毎週多大なロード時間に苛まれるのだが、
競走馬の画面から週送りできる機能があるため、1種のロード時間短縮技で週を進めることができる。
しかし、年に1度繁殖牝馬を高額で売りつけにくる販売員が登場する。
このタイミングで自動的に競走馬画面から牧場画面に遷移するので強制ロードが発生する。
まず、これが基本のクソ部分である。
これにつけ加え、競走馬のレースを週送りで飛ばすことができないため、
レースがある場合、「競馬場への移動」「レースの出走」「牧場へ戻る」で3回ロードが入る。
レースをフルで見る必要はなくダイジェストで最後の直線だけ見ることでなんとかなるが、
1レースを送るだけで2〜3分を消費する。
これは1頭を育成している場合である。
複数の馬を育成する場合は、その馬の数だけ時間が加算される。

ついでゲームシステム部分であるが、
このゲームは馬の能力・調教師の能力・騎手の能力が一切数値化されていない。
一部、育成中やレース後に、馬の能力に対して言及があるが、それが画面のどこかに反映されるわけではない。
ユーザーはスタートボタンを押すことで馬ごとに「キャラの台詞」を保存することができ、
それで馬の能力を推察し、累積保存していく仕組みである。
何故自動的に能力が記載されていかないのか、システムとして欠陥ではないのだろうか。
競走馬の能力もそうだが、騎手の能力も不明なため、武豊のような有名な騎手は情報を知っているが、
誰がどう何に強いのか全く分からず、レースに対してどう効果が出たのかも分からない。
そしてこれらは、ロード時間と相乗効果を生んでいる。
競走馬をたくさん生産し、多く走らせ、能力値を見定め、厳選していくというゲーム設計が根幹にあると思うが、
ロード時間のせいで、走らせれば走らせるほど時間がかかるので、年間で育成できる限界は1頭である。
つまり、馬の能力を見定めるための労力が異常であり、
ゲームの根幹が崩壊している。

また、馬の育成部分が劣悪な設計になっており、
指示予約ができない・出走登録が先々まで保存できない・勝手に出走登録される、
ということで、レースキャンセル作業がかなり発生する。
3歳クラシック路線を走らせたいとか、GIIIだけに出したいとか、
そんな細かい設定はできない。
1頭を育成するだけであれば細かい育成指示を出すことが可能で、
芝を走らせたり、ダートを走らせたりと、1週の間に2コマンド選択できる。
当然それで何が育ったかは明記されない。ユーザーが確認できるのは体重の数値変動だけである。
その練習模様もカットすることはできない。
正直、1頭だけを育成するのであれば画面遷移も起こらず
細かい指示もできるので問題ないが、駄馬だった時の虚無感と、
その選別までの時間が果てしない。

その中で、ユーザーに投げつけられるのは資金難で、
強い繁殖牝馬を購入することも、牧場を改築するのもお金がかかる。
そしてレースに出なければお金を稼ぐことはできないので、
レースに時間がかかるという点で安易に馬の数を増やすことができず、
お金が全く増えていかない。
攻略法は存在しており、破産して20億借金をして強い繁殖牝馬を購入することである。
また、初回生産馬に強い馬が生まれるまでリセットを繰り返す、
あるいは、馬券を購入できるので、自動セーブされるのを回避するため、
スイッチの機能でセーブデータアップロードを行って、馬券購入を当たるまで繰り返すことであり、
リセマラゲーとなっている。
後述であるが、強い馬が勝てるようにはなっておらず、乱数と戦術で馬群に沈むことが多々あるため、
馬券の的中が全く安定しない。
起動からレースまでのロード時間も相まって非常にストレスが溜まる。

レースにおいては逃げ先行しか勝てない仕様になっている。
後ろから先行馬を抜く場合に当たり判定が大きく、詰まって抜くことが出来ない。
このため、毎回レースの結果が変わる。
上手く前に出れれば勝てるし、出れなければ負ける。
乱数で着順決めているのかと思うぐらい勝ち馬が変わる。

4月の種付けになると配合理論に基づいてゲームらしい配合が可能になるかと思いきや
システムの使いづらさが顕著に表れる
配合で何が良くて何が悪いのかというのが一目見て分からない
クロス(親世代の傾向が良い者同士の配合)は一覧から見ることは可能だが、
配合の良し悪しのコメントは決定画面に遷移しないと聞くことが出来ない
詳細な情報もワンボタンが必要なので、一覧で確認することができない
ソートも種付料金ぐらいしか機能しない
サンデーサイレンスのような良血統の種牡馬はbookfullで種付けができないようになっている絶望
さらにシンジゲートのような予約枠もないため常にbookfull
10年目になると3代先までの仮想配合システムが解禁され、
先の世代の配合情報を確認と保存ができるが
最高にクソなのが、一つしか保存することが出来ない上に、親を売ると情報が末梢されることだ
まず世代を繋ぐには1世代目の繁殖牝馬から生まれた馬が牝馬でなければならない
毎年2分の1の確率が試される
そこから駄馬だろうがなんだろうが速攻引退まで3年
2世代目の繁殖牝馬ができたらさっそく牧場入りする、
それを繰り返して3代目の繁殖牝馬を作る
しかし初期牧場では繁殖牝馬は2頭しか所有できない
そのころには初代の繁殖牝馬は歳を取っているので売却するとしよう
自分の牧場には2世代目と3世代目の繁殖牝馬がいる状態で
最後の仮想配合を行おうとシステムをチェックすると、消えているのだ、情報が。
1世代目の馬を売却したからである
このシステムを使うための条件が厳しすぎて、馬は所有しているだけで所持金が減っていくのに、
何十年にもわたって牝馬を所有し続けなければならない
しかもこの仮想配合で強い馬が生まれることが確約されているわけでもなんでもない
ただの使いづらい世代越え配合シミュレートなのだ

人物グラフィックや演出周りはいつの時代のゲームだというレベルではある
簡易な4コマ漫画のような名もなきキャラが、牧場長やら調教師で、
何の話にも絡まないし、イベントもない
他の馬主もいないので、人という存在気配が皆無である

全体を通してみるとこのゲームは何のために存在しているのかが分からない
目的が本当に不明。強い馬を作るというのは分かるのだが、
年度代表馬を生み出すことがエンディングになるのか、有馬記念を勝つことがエンディングになるのか、
クラシック三冠ができたらエンディングなのか
年代が設定されているわけではなく、レースに出走してくる史実馬がどこから現れるのか不明
何もかもが不透明な中で牧場と初期馬を渡されるだけなのである

全体としてはロード時間だけとってもクソゲーで
システム面だけ切り取ってもクソゲーで
他の要素も面白さが皆無なクソゲーで
「ダービースタリオン」というブランドだけで存在が許されたクソゲーである
競馬を知らずにこのゲームを手に取ったら意味不明すぎてクソゲー判定をする
(初心者向けの用語説明などが一切ない)
他の競馬ゲームを知ってこのゲームをプレイしたらクソゲー判定だし、
ある程度ゲームに慣れているユーザーならロードに耐え切れずクソゲー判定で、
ダービースタオリオンの熱心なファンが唯一クソゲー判定を付けないかもしれない

バグでクラッシュしないという点が
2020年発売タイトルではサイバーパンクに対抗できる唯一の良点と言える
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