獲物は弱っている時が狙い目
作成日時: 2024-03-28 22:43:52
公開終了: -
※現パロ
モブに痴漢されてる地右衛門可哀想可愛い
それを助ける伊織君のお話
両親が亡くなり面倒を見てくれた恩人には迷惑を掛けたくなかった。塞ぎがちな自分を元気付けようとなにかと世話を焼いてくれた義姉も面倒事に巻き込みたくない。
誰の手も借りる気はなくて、自分1人が耐えればそれで済む話なのだ。
「安心しろ、もう大丈夫だ」
だから、そう。
子供でもあやすように優しく背をさする手も本来なら拒むべきなんだろう。
「……ぁ……………っふぅぇ……」
止めろ、放っておけ。
言葉を紡ごうと声を出そうにも何一つ形にならず、喉の奥からはヒュウヒュウか細い息だけが漏れる。寒くもないのに指先がガタガタ震えて碌に力も入らず、男の手を払い除けることも出来なかった。
かろうじて泣かなかったのは僅かながらに残っていた意地と、未だに何をされたか思考が追いつかなかった故である。
体付きは細いが同年代に比べて背はあるし立派な男で女子にに間違えられることは絶対にない。包帯で隠してるものの顔には幼い頃に負った火傷跡もあり見目は良くない。
なのに痴漢された。
最初はたまたま鞄か手が当たっただけだと思った。一瞬尻に触れられた気がしたが、人の混み合う満員電車の中だし別段そこまで気に留めることはないだろうと放っておいた。
次いで数日経たぬ内に、軽く触れるだけでなくスリスリと尻をくすぐる様に、時たま弾力を確かめるように揉みだし、その手付きは明確な意思を持ち始めた。
いや、まさかそんなはず。ここで地右衛門もおかしいと気付く。チラリと後ろを見やれば、スーツを着た真面目そうなサラリーマンが立っている。心なしか息が荒く可愛らしい女子ならいざしらず自分みたいな醜男相手に興奮しているのかと意味も分からず嫌悪感を抱く。
ここで一言「止めろ」と口にしようとして、けれど下手に騒ぎになった時に、自分みたいな奴が痴漢されたと言っても誰が信じるだろう。それで孤児院の先生や義姉を悲しませることになったら。そんなことを一瞬考えて、結局地右衛門は耐えることにした。
それでも好き勝手されるわけにはいかず、せめてもの抵抗で背後の男を睨み付けてみたが相手の手は離れることなく、むしろ鼻息は荒くなると共に腎部をグニグニと更に大胆に揉み込み、時折割れ目をそうように撫で上げる。
「………ひっ」
地右衛門の太腿にグリグリと熱いナニかを押し付けられ零れそうになる声を押し殺した。なんで、と頭の中はパニックに陥り身を硬くする。
降りる駅はまだ先だったが早く此処を離れようともがくも密集した人混みの中で碌な身動きが取れず、気付けば暴れぬようにと両腕を抑え後ろで縛り上げられ、逃げ道を塞ぐよう奥へ奥へと追い込まれる。
そこから服の中にまで手を潜り込ませ後ろの窄まりに直に触れられた。途中、ドロドロとした液体のようなものを塗りたくられてからは痛みと気持ち悪さだけだったはずが内から蕩けるほどの熱に置き換えられていく。ぐちょりと態とらしく水音を立てて指は地右衛門の中を進んでいき、そしてとある一点を撫でられると今までで感じたことのない強烈な痺れに襲われた。
「……っ、ぅあ、やめ、ろっ……」
地右衛門の反応に気を良くした男は下卑た笑いを浮かべながらグニグニとその箇所を執拗にに捏ねくりまわし、地右衛門は奥歯を噛み漏れ出しそうになる声を殺した。
これ以上そこを触れられたらおかしくなる。拒まなければ、そう頭では分かっているのに、尻穴をいじられる度にパチパチと電流でも流れたように思考が溶けて、体に力は入らず足もガクガク震えて立ってることすら危うくなっている。
せめて早くこの行為が終わってくれればと願うも、けれど男はまだ解放する気はないらしく更に体を密着させてくる。
この地獄のような時間が永遠に続くのではないかと不安が渦巻いて絶望していると、不意に電車が止まり乗り降りで人波が動き強い力に引かれて気付けば電車から降りて駅のホームに立っていた。
咄嗟に何が起きたのか分からず唖然としていると、ちょうど地右衛門の腕を掴んでいた人物に声を掛けられる。
「すまない、体調が悪そうだから無理矢理降ろしたが……大事ないか?」
同い年くらいの、いや少し年上だろうか。青年は形のいい眉を下げて心配そうな表情を向けている。
「………ぁ、」
あの男は此処にいない。声を出しても大丈夫だ。そう分かっているけれど、内から燻る熱も、あちこち触られた時の感触が消えず、まだ這い回っているよう錯覚を覚える。喉の奥がつかえて喋るもままならない。心臓がドクドクと早鳴り、どうにか落ち着こうと息を吸おうにも、そんな当たり前のことも上手くできず前屈みになってその場にしゃがみ込む。
「悪かった。気付いてはいたが……助けるのが遅くなってしまった。」
見ず知らずの赤の他人に、何故そこまで世話を焼くのか。裏でもあるんじゃないかと普段であれば多少は警戒をしていたろう。
けれど、この時の地右衛門にはそれだけの判断力も無く、そして心底から心配そうに此方を見る青年に危機感を抱かなかった。
その青年………宮本伊織の瞳の奥に仄暗い光が宿っているなどと気付くこともなく差し伸べられた手を疑うことなく、縋るように手を重ねる。
※多分伊織君も前々から地右衛門には目をつけて虎視眈々と近寄る機会を狙ってた。
モブに痴漢されてるのを目撃→獲物を取られて腹立って衝動的に地右衛門を連れ出す→意図せず好感度稼げたラッキーでもモブは絶対後で〆る所存
ルート分岐
ハッピーエンド→なんやかんや仲良くなれて距離を縮めた時に、例のモブに地右衛門がストーカーされて襲われかけたところを助ける。「地右衛門のことが心配なんだ」とニッコリで押し切り多少過保護になっても特段何も思われない。白馬の王子様で終われる
メリバ→地右衛門が伊織の根っこに勘づく。距離を置く、地雷を踏むなどしてヤンデレ化し多分監禁されんのかなぁ。
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