南海トラフ巨大地震


記録(20XX年X月X日午前8時21分)
『グラグラ……』
地面が揺れる音と共に、学校がきしむ音が鳴り響く。
俺の目の前では、皆机の下に頭を入れ込んでいた。
かばんが落ちてきたり、学級文庫の本が、落ちたり。
いつもよりは気持ち大きめだったが、別に、東日本や阪神大震災よりは、五分の一倍程小さく感じた。
だが、泣いてる人もいたので、そのことは口に出さなかった。

なんてことを考えていると、もうすでに地震は止み、地震停止の放送も鳴っていた。
その時俺は思わず、安心し、ため息を吐いた。
『フーッ』
このときは、これで終わりだと思っていた。
――午前8時30分――
あの地震から九分。
クラスの皆は、落ちてしまったかばんや、学級文庫などを片付けていた。
俺は、教師だったので、一度、廊下に出て、安全確認をした。
廊下には、硝子の跡や、ヒビなどは一切見つからなく、もう一度。
改めて安心した。
その後、すぐに俺は、教室に戻った。
だがその途端。
『ピーピーピーピー地震です。ピーピーピー地震です』
という、アラートが鳴り響いた。
俺のスマホからだ。
クラス中はそのアラートが、聞こえ、こちらを振り向く。
また、周りのクラスからも、アラートが聞こえ、ざわめいている。
『グラグラグラグラ…』

このアラートが鳴って、十秒ほど。
実際に揺れ始まった。
さっきの地震とは、比べ物にならなかった。
廊下から鳴る、硝子の割れる音。
歪んで聞こえる、放送。
『……! 』
恐怖を感じた。
一つは、死へ。
二つは、クラスのメンバーが死んでしまうのか。
三つは、学校の軋む音ヘ。
その瞬間俺は後ろから、何かが倒れる音が聞こえた。
「た……助けて……」

俺が後ろを見ると、本棚が倒れていた。
ただ、本棚の周りには、血が流れていた。
男の子の手がでている。
『うわァァァァァァ』
本棚に踏まれたのは、一人ではなく、二人いた。
もうひとりは、足が、下敷きになっていた。
彼の断末魔がその場に鳴り響いていた。

また、更に何個もの物が倒れ、何人もの子が下敷きになっていた。
何人死んだだろう。
その場に無傷の人は、俺しかいなく、他の人達は、怪我で倒れていたり、既に死んでいた。
『ピキッミシミシ』
と、廊下から、ヒビが入った音が聞こえた。
『学校が……』

その瞬間俺には、頭に、思考が流れた。
「このクラスの人はもう手遅れ。俺だけでも……」
勿論、自己中心的考えだとは、即座に理解したが、この考えも一理あると考えた。
「…生。助けてよ。逃げないで」
まだ少し息があった、子が、俺に助けを求めてきた。
自分の人権と。
自分の任務。
どちらを優先すればいいのか。
助けるのか?
逃げるのか?
と考えていると、学校の軋む音が大きくなり、学校の、天井や地面が崩壊していった。

「南無阿弥陀仏」
終わり……
その途端、俺は、意識を失い、既に、心臓は止まった……

――解説――
南海トラフでは、およそ、32万人ほど、死者が出ると想定されています。
また、経済被害は、220兆円超
全壊62万7000棟ほど。
津波も最大では、34.4mにもなると予想。
2035年の+-5年にくると予想されています。