月女神は砲撃を愛す


「ねえ、ダーリン?ちょっと聞いて?」
「なんだぁ?アルテミス」
何時ものカルデアの昼下がり。
オリオンがいつものごとくイアソンにでも絡みに行こうかと考えていた時女神は話しかけてきた。
「あのー、なんだっけ?りゅうぐうちゃんの運命の人…」
「あー、あれだっけか。はやぶさの弟だか息子だかの…。アクタイオンの野郎と一緒のやつな?」
「そーそー!あのスケベの相方の子!」
アクタイオン本人からしたら理不尽なのかもしれないがそれは女神だからしょうがない。
ついでに言えばオリオンからしても形はどうあれ恋人の裸を覗いてしまったので印象はよろしくない。
まあ、理不尽なのは理解しているのだがそれはそれである。
「んで、あの子がどうしたんだ?」
「あのねー?この前可愛いこと言ってたじゃない?」
「可愛いこと…?」
はて?そんなことあっただろうか?とオリオンは記憶を手繰り寄せる。
アレは確かカルデアにはやぶさ2が召喚されたとき、急にアルテミスが「覗き魔の気配がする!」と言い出し
あれよあれよと飛び出していったあと彼に対面した時のことである。
突然現れたアルテミスにマスターとはやぶさ2が困惑する中アルテミスははやぶさ2に近づいていくのを混乱しながらオリオンは止めようとして…。
「あー…?」
はやぶさ2はアルテミスに明らかに怯えながらもこう言い切ったのだ。
『…あ、あの、自分はまだ貴女たちに並べるような英霊でも何でもないですけども…!』
『いつか貴女たちに追いついて見せますから!』
「…あのことか?」
「そー!あの子私たちに追いついて見せるって言ってたじゃない!」
「まあ、あれいえる度胸はすごいよなあ」
まあ、そのあと中にいたアクタイオンから話を聞いて覗き見について土下座をしていたのはみなかったことにしてあげよう。別に彼が覗き見したわけではないのだから。
「でね?あの子について少し調べてみたの!」
「え?お前が?」
アルテミスが自主的に興味を持って調べるという事態にオリオンは急に顔を青ざめさせる。
何か嫌な予感がする!そう彼の第六感が警鐘を鳴らしている。
「うん!で、あの子って本体はこんな感じなんだって!」
そう言ってアルテミスはタブレットを見せてくる
「本体ってえと…。ああ、こんな感じなんだな」
その画面には「はやぶさ2」と書かれた金属の箱のようなものが映し出されていた。
「でね?この子のここ!ここなのよ!」
アルテミスがそう言いながら指さすそれは箱の下部分に取り付けられている何かの部品のようだ
「これ?」
「そうこれ! これって衝撃装置って言うんだって」
「ほーん…?」
なんだそれはと説明文を読んでみればなるほど、要するに対象にクレーターを作るために砲撃する装置なのだという
「…あ、これりゅうぐうに撃ち込んだやつか」
「そうなのよ!」
つまりはあの特異点の原因であり「りゅうぐう」がカルデアまでやってきた原因である。
「こんな小さいのな」
「ねー!私なんてもっと大きいのに!」
「お前それ本体のこと言ってる?」
「うん!」
だんだん第六感の警報がやかましくなってきた気がする
「でさ!?あの子って要するにほかの星から砲撃しに行ったってことでしょ?」
「だいぶ違いませんかね…?」
「つまり!私の後輩みたいなところがあるわけ!」
「いやいやいや?!」
何を言ってるのだこの女神は
「だからあの子に私みたいになれるように手伝ってあげようと思うの!」
そう言って飛び出したアルテミスをオリオンはただ必死に追いかけるだけであった。

多分この後りゅうぐうが我の物に手を出すなと威嚇してえらいことになる
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