⚠️完全なワシの中の妄想オリジナルストーリーです⚠️


種死見返してみたらマッド・エイブス全然喋ってなくてキャラ掴めなかったのでこいつに関してはほぼ捏造です。






 ファウンデーションの悪事を暴くべく、宇宙へと飛び立ったコンパス所属戦艦・ミレニアム。
 激しい艦隊戦を繰り広げるその艦内をヒダカは行っていた。
 その顔色はひどく悪い。
 無理もないだろう。彼はつい数日前、ファウンデーションへ撃ち込まれた核ミサイルから、民間人を守るためにその爆発を一身に受けたのだから。
 幸い被爆はしなかったが、膨大な熱と衝撃は彼の肉体に甚大なダメージを残した。
 顔に残る惨い火傷のあとがそれを物語っている。
 やがて、彼は館内ドックに辿り着くと、その場で力尽きて気を失った。

「ヒダカさん!? 何してんすかこんなところで!」
「ヴィーノ……頼む。俺を、出撃、させてくれ」
「何馬鹿なこと言ってんすか!」

 駆け寄ってきた整備班の少年、ヴィーノ・デュプレはヒダカの言葉に絶句した。
 こんな状態の人間を出撃させたらどうなるか。
 むざむざと死にに行かせるようなものだ。

「大人しく寝ててください! 死にますよあんた!」
「それでも……俺は、行かなきゃいけないんだ……アグネスの、ところに……」
「何やってんだ、ヴィーノ」

 言い争う2人の元に、ミレニアムの整備班チーフ、マッド・エイブスがやってきた。

「エイブスチーフ、お願いです。俺にモビルスーツを……中破したハーケン少佐のギャンでも構いません……俺に出撃できるモビルスーツをください……!」
「馬鹿野郎。あんなボロボロのモビルスーツなんか乗せてる余裕はねえよ」
「……そんな」

 至極まともな返答だ。
 決戦の舞台、その重要な要である戦艦に使う予定のない破損した機体を乗せているはずはない。
 だが、それではもう彼にできることなど残されていないということになる。

「けど、それでも俺は……」
「……だが当てがないわけでもない。ヴィーノ、そいつに肩貸してやれ」
「は……はい! 立てますかヒダカさん」

 ヴィーノに支えられながら、マッドに着いてドックの奥へと入っていく。
 そこでヒダカが目にしたのは1機のMSだった。
 しかも、その見た目は、

「ストライク……!?」

 ディアクティブモードのモノクロ色の装甲だが、そのシルエットはあのストライクに似ていた。
 元よりパワーが上げられているのか、よりマッシブになった印象を受ける。

「お前、アクタイオン・プロジェクトって知ってるか?」
「噂程度ですが……エース用のワンオフ機の開発を目的としたものだと」
「こいつはそこで研究されたストライクの強化機体。その更なる強化機体としてオーブが開発したものだそうだ。まだ試作段階でまともな運用試験もしてない、ぶっつけ本番の機体だ。それでも行くか?」

 マッドはヒダカの覚悟を試すように言った。
 だが、ヒダカの答えは最初から決まっている。
 自分はどうしても、アグネスに会わなければならない。
 そのためならどんな機体にだって乗ってやる……!

「はい!」
「いいだろう。ヴィーノ、班の奴らを集めろ! 大至急で仕上げるぞ! 少尉も出撃準備しておけ!」





 ヒダカはパイロットスーツに着替え、再びドックへと戻っていた。
 ピークが過ぎ去ったのか、体調もさっきまではマシになっている。
 これなら操縦は問題なくできるだろう。
 コックピットへ乗り込もうとした時、ヴィーノ達整備班がやってきた。

「お前ら……」
「ヒダカさん……こんなこと頼むの変かもしれないですけど、アグネスのことお願いします。俺たち、彼女には世話になりっぱなしで……」
「……ああ、任せておけ! 彼女は必ず連れ戻す」

 ヒダカはヴィーノの肩をポンと叩き、快活に言った。
 彼らと別れ、ヒダカはコックピットへ乗り込み、モビルスーツを起動する。
 ストライクの強化機体だけあって、操作系はウィンダムとそう変わりはない。
 すると、管制室から通信が入った。
 相手はマッドだ。

『こちら管制室。聞こえるかバーズ少尉』
「聞こえています、エイブスチーフ」
『さっきも言った通り、こいつはまだ試験段階にすら入ってない試作機だ。そのせいでまだ名前もないんだとよ。それじゃあ格好もつかないし、なにか付けとくべきじゃないか?』
「そ、そうでしょうか。急に言われましても私は……」
『そう言うなよ。そうだな、お前にあやかって……ベルセルク。『ストライクベルセルク』なんてどうだ?』
「ストライクベルセルク……」
『いい名前だろ? 話はそれだけだ。5分後に出撃だ。それまで待ってろよ』

 マッドとの通信が終了したヒダカの表情は自然と笑顔になった。
 第一次大戦で最強を誇ったストライク。
 その強化機に、自分の異名が冠されるなんて、否が応でもテンションが上がる。
 と、次はブリッジからの通信が入った。

「ラミアス艦長」
『行くのね、バーズ少尉』
「はい。ここまで来て今更止めないでくださいよ。無理やりにだって俺は行きます」
『……分かったわ。出撃を許可します。その代わり、全力で行きなさい。後悔のないように』
「……バーズ、了解!」

 そうしてストライクベルセルクは発進シークエンスに入っていく。
 ミレニアムのカタパルトに昇り、VPS装甲が色味がかる。

《ストライクベルセルク、発進どうぞ》
「ふーっ……。ヒダカ・バーズ、ストライクベルセルク! 行きます!」
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