【閲覧注意】 アルバート・ハインライン×TSアーサー・トライン


薄らぼんやりとした光源ひとつの密室。家具と言えば、寝具横の机に、作業机、それに寝具と言う最低限。光源は壁に取り付けられた照明で第一段階、最低限の明かりだった。
暗い一室、人の目が慣れるまでしばらくかかりそうなぐらいに、暗く静まり返っていた。その一室のベッドの上に、男女が一組。

ベッドに横たわる、成人女性は目元の小じわが有るくらいで、二十歳そこそこと言っていい。薄く化粧がされ、唇のグロスが潤み、大人の色香を誘う。元の色合いと部屋の暗さにより、いっそう暗く見えるオリーブ色のウェーブの掛かったクセっ毛。二つの橙の目は、ちらちらと目を泳がせ、顔も赤らんでいる。白いワイシャツに、濃紺のロングスカートの清楚な格好だ。シャツの胸元は半分ほど開かれ、ふくよかでより下着が見えるほど。
その女に組伏すように男が膝をつき見下ろしている。ハニーブロンドに近い色合いで、こちらもウェーブがかった髪質。黒いシャツに灰色のスラックス、とこれまた簡素な衣服だ。体格としては男の方は骨格が優れ、程よく鍛えているからかガタイが良いように見える。
男は灰色の目を細め、組伏していた女を見つめるばかり。仏頂面と言っていい。

男、アルバート・ハインラインは今日を持って、恋人で婚約者にあたるアーサー・トラインを抱くことを決行。付き合ってからはや数ヶ月、度重なる任務やスクランブル。それにアルバートの仕事柄、まともに休めない日々ばかり。それがようやっと落ち着き、二人は相瀬を行えるほどの余裕が生まれた。それから少しづつではあるが、男女の交流を進めていき、この時を迎えたというわけである。
まじまじと己の体を見つめるアルバートに、アーサーは恥ずかしく視線を泳がしてばかり。それにこういった行為自体も、恋愛経験がない。その為、何をすればいいか解らない。
アルバートが言うには、任せてほしい、と言うが…不安しかない。アーサーはこの男、アルバートに対し、仕事含めMS開発など技術的方面しか興味がない男と言う印象がぬぐえないでいた。
「随分と緊張するのだな」
「あ、アルバートは緊張しないの、…ですか?」
「しているさ。…わかるだろう?」
おもむろに手を掴まれ、アルバートの左胸へと押し付けられる。わ、柔らかい…なんて、アーサーの間抜けな感想を呟かれれば、眉が一気に歪んだ。しかし、アーサーは手のひら越しでもアルバートの心臓が早まっていることに気付く。失礼ながら、この男も人間なのか、と思っていたりする。口には出さないが。
「…はやい、です」
「そういう事だ。…初めてではないが、そこは目をつぶってくれ」
「じゃ、あ…処女ですけど、…面倒だったら」
アーサーからこぼれる処女、という単語に目を一瞬見開く。しばらく口を閉ざしていれば、くつり、と口角を上げ笑い出した。
「…ふ、ふふ。僕が、初めての男か」
くつくつ、と普段なら笑う事すらも稀少であるアルバートが笑っている。アーサーは小さく…えぇ、と驚いた。

【閲覧注意】
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