nmmn注意【 6 人 の 異 能 力 者. 】


【side 橙】

今日も学校に行けない。

学校へ行くと、緊張して声がうまく出せなくなる。

『異能力者は、14歳を迎え異能力者になった瞬間 ”家族” という存在の記憶のみを失う。』

『記憶を失った後、 ”偽の記憶” が頭にうえつけられる。』

『偽の記憶とは、「自分は一人暮らしだ」「自分は家族がいない」などというものが多い。』

『また、アパートや一軒家などの建物に移動した状態で偽の記憶がうえつけられる。』

『要するに、お前はーーーーーーーーーー














家族を知らない。』

橙「…!」

オマエハカゾクヲシラナイ。

信じがたい内容しかないページを見て、目を見開く。

お前は家族を知らない?

今から150年前、金木犀の異能力者が書いたとみられる遺書を市立図書館で読みながら肘をつく。

150年前は異能力者も世界に認められていたんだよな。

なのに、俺は。

俺たち6人、花の異能力者は。



異能力者を隠している。

自分の弱さにイライラし、頭を抱えて俯く。

適当にパラパラっとページをめくると、

真っ白な封筒が挟まれていた。

橙「手紙…?」

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【side 紫】

7月7日。

市役所に高校の制服のサンプルを見れる場所の横に「短冊コーナー」と書かれた看板の横に大きな笹が配置されていた。

俺は短冊にこう書いた。

『会いたい5人に会えますように』

紫(異能力者の5人に会えますように。)

心の中で具体的に何度も何度も唱える。

全力で、もう一度。





異能力者の5人に会えますようにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。


紫「…パチッ…」

時計を見ると9時25分。

夢…?

すごく懐かしい夢だった。今見た夢は、俺の目指す夢でもある。

会いたい。

誰かに、会いたい。

今日も名前も顔も知らない誰かをずっと。

毎日をさまよって探す。



学校に行かずに街に出る。

東京の、渋谷スクランブル交差点。

異能力者の誰かを探す。

?「スッ」

紫「…?」

俺…?

黒髪ロングの女の人が、真っ白な封筒を俺に突き出している。

思わず受け取ると、女の人は真っ直ぐ通り過ぎて行った。

あの人、どっかで見たことあるような?









思い出せない。

気のせいかw
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