「気になりマン」


題名:気になりマン 作者:草壁ツノ

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<登場人物>
気になりマン:不問 人の話す内容が気になってしまう迷惑な男。
女子A:不問 ぴえんと泣いている女子校生。
男子A:不問 どわあと驚く男子高生。
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<役表>
気マン:不問
女子A:不問
男子A:不問
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■注意点
・「女子」「男子」と記載されていますが、どなたが演じられても問題ありません。(キャラクターの性別は変えないようにお願いします)
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■利用規約
・過度なアドリブはご遠慮下さい。
・作中のキャラクターの性別変更はご遠慮下さい。
・設定した人数以下、人数以上で使用はご遠慮下さい。(5人用台本を1人で行うなど)
・不問役は演者の性別を問わず使っていただけます。
・両声の方で、「男性が女性役」「女性が男性役」を演じても構いません。
 その際は他の参加者の方に許可を取った上でお願いします。
・営利目的での無許可での利用は禁止しております。希望される場合は事前にご連絡下さい。
・台本の感想、ご意見は Twitter:https://twitter.com/1119ds 草壁ツノまで
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気マン:「気になりマン!
    私の名前は、気になりマン!
    私は人の話している内容がとても気になる男なのだ!
    むっ、今日もどこかから気になる内容が聞こえてくるぞ!!」

女子A:「ぴえん。ぴえん......」
気マン:「ダダダダ、キキーッ(ブレーキ音)。ハァ、ハァ。
    お嬢さん!君から気になるオーラを感じて駆け付けた。一体、どうしたんだい?」
女子A:「ぴえ......おじさん、誰?」
気マン:「あぁ、私は気になりマン! 君の話を聞くことが私の使命なのだ!」
女子A:「私の話......聞いてくれるの?」
気マン:「あぁ、なんなりと話してくれたまえ!」
女子A:「......でも、ダメ。この気持ちは、私の心の中にしまっておくの......」
気マン:「気になりマン!!」
女子A:「え?」
気マン:「良くない、良くないぞ!そうやって自分の気持ちを押し殺しているから、どんどん辛くなるのだ!」
女子A:「私が、押し殺している......」
気マン:「あぁそうだ!君に今必要なのは、周囲の誰かを頼ることだ。例えば、ほら!」
女子A:「......」
気マン:「ここに、私がいるだろう。私になら何をぶつけたっていい。ほら、私に素直になって......言ってごらん」
女子A:「......ありがとうございます」
気マン:「ああ!」
女子A:「そういう風に言ってもらえるのって、私、初めてで。すごく嬉しいです!」
気マン:「ああ!!」
女子A:「けど、見ず知らずの人に言う事では無いので、ごめんなさい」
気マン:「気になりマァン!!!」

※シーン切り替え

気マン:「チィッ。さっきは生憎と女子Aから気になる話を引き出すことは出来なかった。
    だが、私は諦めない! なぜなら、私は気になりマン!人々の気になる話を聞かないと、夜も眠れないのだ!
    むっ、またどこかから気になる内容が聞こえてくるぞ!こっちだ!」

男子A:「おい、頼むよ。一度会って、話をさせてくれよっ!おいっ......あっ、くそ......電話切れちまった」
気マン:「クルクルクル、スタッ!(空中で回転して着地)ジャーン! やぁ少年、私が来たぞ!」
男子A:「おわ、オッサン誰だよ!?」
気マン:「フフ、私は気になりマン! 君の話を聞くことが私の使命なのだ!」
男子A:「お、俺の話を? 酔狂なオッサンだな......」
気マン:「ああ、私は酔狂で結構だ!さぁ少年!君は今何で思い悩んでいるんだいっ?私に教えてくれ!」
男子A:「は、はぁ。別にいいスけど......、実は俺、最近人生で初めて女の子に告白されたんスよ」
気マン:「ふむふむ」
男子A:「そんで......その話を、俺の幼馴染の女に話したんスよね。そしたら、そいつ凄い喜んでくれて」
気マン:「ふむふむ!」
男子A:「けど......なんでなんスかね。そいつ、話の最後に、急に泣き出しちゃって。
    どうした?って聞いても、何も答えてくれなくて......」
気マン:「ふむふむぅ!!」
男子A:「それで俺、気になって!」
気マン:「ふむう!!!」
男子A:「居てもたっても居られなくて!!」
気マン:「ふむふむふむう!!!」
男子A:「......けど、こっから先は誰かに言ってもしょうがない事だから」
気マン:「気になりマァン!!」

※シーン切り替え

気マン:「うう、気になる話は沢山あるのに誰からも教えてもらえない......ガッデム......
    むむ!過去最大級の気になるオーラをキャッチした!こっちだ!現場に急行するぞ!!」

男子A:「おい」
女子A:「......」
男子A:「おい、なんとか言えよ」
女子A:「......べつに、なんもないじゃん」
男子A:「なんも無いこと無いだろ。お前、前から明らかに態度おかしいじゃん」
女子A:「そんな事無いし」
男子A:「いやあるだろ。なんだよ、何が気に入らないんだ?言わなきゃ分かんないだろ」
女子A:「別に、分かんなくていい」
気マン:「気に・なり・マァーン!!」
男子A:「うわぁ!」
気マン:「いや突然すまない。非常に気になるオーラを感じてね!さぁ、詳しく話を聞かせてもらおうか!」
男子A:「今取り込んでるところだよ。悪いけどオッサンあっち行ってくれないか」
女子A:「別に、何も取り込んでないし。私、もう帰るから」
男子A:「おい、ちょっと待てよ」
女子A:「痛い。腕掴まないで」
男子A:「話が終わってないだろ」
気マン:「気になりマン」
女子A:「話なんて無いよ。なに、何がそんなに気に入らないわけ?」
男子A:「お前、前に告白された話してから明らかに様子おかしいじゃん。なんで?その子の事嫌いだった?」
女子A:「......ほんと、そこまで鈍感だといい加減ひどいよね」
気マン:「気になりマン」
男子A:「なんだよ、さっきから勿体ぶって。いい加減俺も怒るぞ? はっきり言えよ」
女子A:「言わない」
男子A:「言えって」
女子A:「言わないっ」
男子A:「なんでだよ、言えよ」
女子A:「あぁもうバカ!この唐変木(とうへんぼく)!分かりなさいよ、あんたが好きだってこと!!」
気マン:「気にっ......!」
男子A:「......は?」
女子A:「ずっと隠してたのに、なんで言わせるのよ、バカッ......」
男子A:「え、は――、いや、いやいやいや。お前、今まで、そんなこと――」
女子A:「......子供の頃からの付き合いで、ずっと私達男友達みたいにやってきたじゃん。言えるわけないでしょ......」
気マン:「キッ......キニ......(絶命)」
男子A:「......お、俺実はさ、告白されたって話したけど。その話断ったんだよね」
女子A:「......は、なんで?」
男子A:「いや、それはお前。いいだろ別に」
女子A:「いや、良くない」
気マン:「キニ......ナリ......マ......」
男子A:「べ、別にお前に自慢してやりたかっただけだよ。俺モテなさそうとか昔言ってたからよ」
女子A:「はあ?じゃあなに、あんた私に自慢したいがためにそんな話したの?最低」
男子A:「ばっ、ちげーよ。えっと、その」
女子A:「なによさっきからぐじぐじ!!私だって言いづらい事言ったのよ、あんたも正直に言いなさいよ」
男子A:「――ッ、ああ、分かったよ! お前が好きだから!告白断ったんだよ!」
気マン:「キニッ......」
女子A:「は、はああああ?!な、なにあんた突然爆弾っ」
男子A:「お前が言えって言ったからだろうが!悪いか?ああそうさ、俺はお前が好きだから断ったんだよ!」
女子A:「ああもう!やけくそになって何度も言わないでよ!!」
気マン:「キ、キニ......キニナ......」

気マン:その日、気になりマンは、気になるエネルギーの供給過多のため、仕事を休んだ。

<完>
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