看守長、深夜にて


ペイル「……エース、そっちも終わったか?」
エース「おやペイルさん。あなたも今上がりですか?」
ペイル「……ああ。帰る前に少し軽食でもと思い」
エース「私も着いていっていいですか? おやつにするためのお菓子をいくつか食堂でもらおうかと思いまして」
ペイル「……わかった。一緒に行くか」

ーーーーーー
諸見川「ったく…アンタらも大変だな、こんな深夜遅くまで」
ペイル「……すまぬな。軽く粥でも食べられたらすぐ部屋に戻る」
エース「ごめんねもろみんこんな遅くに。私はお菓子頂戴、市販のやつ」
諸見川「しゃーねぇな! 少し待ってろ」
エース「ホントにごめんねぇ」
諸見川「あ、それと今シードルさんとリキュールさんもいるから一緒でもいいか」
ペイル「……二人が。わかった、相席しよう」

ーーーーーー
シードル「おや、お二人も晩酌ですか?」
エース「違うよぉ。君たちはそうなよ?」
シードル「ええ、仕事の終わりに。本当なら団長も参加する予定でしたけど急用ができてしまいましてね」
エース「へぇ。まあ話できる時もそこまでないし、少し話して帰るのもいいか」
ペイル「……リキュールはずっと静かだな」
シードル「はは…お酒飲むのに集中してますね。邪魔はしないどいてあげますか」
リキュール「……」ゴクゴクゴク
ペイル「……私も一杯いいか?」
シードル「いいですよ。団長の分がありますし、もう今日は来ませんしね」

ーーーーーー
エース「ホントC棟も大変ね」
シードル「そうですよ! 連中、少しは私の苦労くらい知ってもいいですのに!」ダンッ
諸見川「おら、飯できたぞ。あと菓子な」
ペイル「……諸見川。粥だけでいいのに、定食にしなくても……」
諸見川「あんたは食わなすぎ! もっと飯食え」
ペイル「……心遣い感謝する」
エース「ありがともろみん! いやぁ、いいですなぁお母さんみたいで!」
諸見川「あんたらが食事を怠りまくるのが悪い」
シードル「すみませんね…忙しいと中々」
諸見川「あ、あと二人来たぞ」
シードル「二人?」
吾郷「えっと……自分も相席いいですか?」
ロベルタ「疲れた〜! 美味い飯食べよ!」
ペイル「……吾郷。それとロベルタか」
エース「ロベルタちゃんが来るの久々じゃない?」
ロベルタ「私だってずっと開拓してるわけじゃないですよー」
吾郷「隣失礼しますねペイルさん…」
ペイル「……構わない。味噌汁、飲むか?」
吾郷「えっ!? そんないいですよ! ペイルさんが飲んでください!」
シードル「吾郷さんってお酒飲めたっけ?」
エース「吾郷君って六歳児じゃなかった?」
ペイル「……肉体は何歳だったか」
シードル「うーん、ちょっと危なそうなのでやめておきますか」
吾郷「ははは……」
ロベルタ「味噌汁くださーい!」
諸見川「あんたらも分も用意するわ!」
エース「ていうか看守長が揃い踏みなのってこの前の会議以来じゃない?」
シードル「そういえばそうですね。サラマンダーさんがいたら完璧なんですが」
ペイル「……日向は仮の看守長だから、会議にはいなかったな」
リキュール「というかH棟の看守長っていつ決まるんだろうね」グビッ
シードル「ああリキュールも会話に参加したくなりましたか」
ペイル「……H棟は特殊な立ち位置だからな、中々決まらないのだろう」
エース「I棟も私が兼任してるけど他に人がいるならいいな」
吾郷「た、大変ですね……」
シードル「いやいや、君のところも中々でしょ。地下にあんなものがあるんだし」
吾郷「ははは……私が不甲斐ないばっかりに……すみません」
ペイル「……吾郷が謝る必要はない。しかし、どこも多かれ少なかれ問題を抱えているな。D棟は勿論のこと、A棟は超大物の囚人が集う火薬庫、C棟はモノづくりの囚人達が定期的に危ない発明品を作り出し、F棟は開拓が完全とは言い難い」
シードル「それで言うと、ペイルさんのB棟が一番楽ですかねぇ」グビッ
エース「そうもいかないんじゃないかな。B棟の囚人の数なんて刑務所の数割を占めてるよ。それでいて看守の数はE棟やC棟と同等だし」
シードル「あー確かにそうですね。結局どこも人手が足りないって結論になりますか」
諸見川「そうだそうだ、食堂にももっと人材寄越せ」
吾郷「医療担当の境さんも『もっと人手が欲しいですう〜』って言ってましたね…」
ペイル「……はぁ。十三次元刑務所はこうでなかったのに」
シードル「そういえばペイルさんは元は十三次元刑務所でしたね」
エース「はあ……次大きい暴動が起きたらかなりキツそうですねえ」
リキュール「起きないことが一番だけど起きたらキメラでなんとかするね!」
ペイル「……軍事部門も再建された。治安も徐々に改善しつつある。外で何か起こらない限りは大丈夫だろう」
吾郷「経済とか反乱とかそういうのですかね…起こるとすれば」
シードル「嫌な方向に行っちゃったなぁ。…まあ起きなきゃわかんないけど、さ。今宵はそんなことを忘れて、わいわい楽しみましょう」

シリペ「「「乾杯」」」
エ吾「「(お酒でないけど)乾杯」」
ロベルタ「ご飯美味しい!」
お知らせ
実務でも趣味でも役に立つ多機能Webツールサイト【無限ツールズ】で、日常をちょっと便利にしちゃいましょう!
無限ツールズ

 
writening