とある怒りと愛の戦士の独白


俺は、生を受けた瞬間から怒りを抱いていた。
今でも其れは変わっていない。物心着つ前から親は存在すら無く、路地裏から拾われて、まともな生活が手に入っても次に待っていたのは、男として、人としての尊厳を踏み躙られる日々。俺の怒りはいつしか全ての組織へ、世界へ向いて行った。限られた特権者達だけが得をする世界を憎んだ。自分が力を持つ存在 コーディネーターと分かっても、自分がセブンスターズの一門 ファリド家の養子になれても其れは変わらなかった。

しかし、幼少に俺を少し変えてくれる物に出会えた。
其れは家族ぐるみの関係になった唯一無二の友でも無く、鬱陶しい親愛でも無い
其れは、英雄アグニカ・カイエルの思想
出自に左右されない純粋な力で優劣が決まる世界の実現
俺はいつしかそんな理想を抱く様になりを其れを支えに、新たな新世界を夢見るようになった。

しかし、俺が所属していた組織すらも忌むべき存在だった。

ギャラルホルン

300年の歴史を誇る治安維持組織
厄祭戦を終結させた英雄、アグニカ・カイエルの前哨組織を原点とした、エイハブ・リアクターとモビルスーツの開発を独占している「武力をもって武力を制す世界平和維持のための暴力装置」と呼ばれる組織。
厄祭の再発抑止を謳うこの組織すらも、英雄が謳った信念と共に、300年にわたる腐敗が芯にまで浸透してしまっていた。
政治干渉、利益追求による汚職が横行しており英雄の語った信念は、金儲けと組織維持の為の言い訳と成り果てていた。

其れを世界が証明する様に叩きつけてきた。
連合による核攻撃 血のバレンタイン
プラントによる核抑止報復 エイプリル・フール・クライシス
その折、ギャラルホルンは何もしなかった。否、正確には何もできなかった。彼等の憎悪と報復心から来る行動に対応が遅れてしまったのだ。
そこからはギャラルホルンの介入する余裕も無く、世界は再統一戦争以来の世界大戦
否、宇宙大戦に突入してしまった。
ギャラルホルンも親友もそして私も連合の勝利を疑わなかった。コーディネーターの優秀さを、私はよく知っていたが数的不利を覆せるとは思ってはいなかったからだ。

しかし、私も親友も驚愕に目を見開いた。
プラント及びザフト軍がモビルスーツを戦場に投入してきたのだから。
ギャラルホルン全体が大慌てだった。
リアクターを用いないバッテリー稼働の機動性に優れた新機軸のモビルスーツ。
アドバンテージの崩壊を経験したのだから当然だ。
其れに怯えた保守派の尻込みにより、ギャラルホルンは戦争調停のチャンスを失ってしまう失態を犯してしまった。

私は、俺は、マクギリス・ファリドはこの時に決意したのだろう。
必ず、この組織を、ギャラルホルンを破壊してやろうと。
こんな組織に最早、この世界に蔓延した報復心を止められないと確信した。俺は、失望してしまった。
親友は内部改革を訴えていたが、俺は最早手遅れだと確信していた。セブンスターズに、ギャラルホルンには、既に大義など有って無い様な物だと。
未練など無い。私はイズナリオの養子の仮面を、親友へ友の仮面を被りながらギャラルホルンを崩壊させる為の準備を水面下で進め初めていた。俺が新たな組織を立ち上げ、アグニカの思想を復活させる為に。

しかし俺は戦争の最中、護衛していた天使の名を冠した船で、運命というべき出会いをある少年と果たした。

名は
キラ・ヤマト
崩壊したヘリオポリスの工業ガレッジの学生という一般人が、連合の新型モビルスーツを操縦している事を聞いた俺は一眼見ようと勝手に着いてきた友人達と休息を兼ねて乗船させてもらった。
見てみると、とても戦士に思えない見た目をして、憂鬱な表情の少年だった。しかし、戦闘映像は本物。間違いなく彼がパイロットなのは違い無い。
友人達が彼を称賛しようと、握手を求め、彼も其れに応じた。
しかし、とある少女の発言から彼がコーディネーターと分かった瞬間、友人達の態度が一変した。
一人は険しい顔をして距離を取り、もう一人は手を取った方を取り出したハンカチで拭き始めた。この行動に彼の顔は更に沈んでしまったが、俺ははらわたが煮え繰り返る思いを友人達に募らせた。
この船は見たところ有人MAが一機とMSが一機しか無く彼等だけでここまで来たという事だ。其れは、種族関係無く称賛されるべき活躍だ!其れなのに、私の友人達が侮辱したのだ。
俺は頭をしっかり下げて少年に友人達の無礼を詫びた。
少年は驚愕し、友人達も何をしているんだと驚愕していた。しかし、ここでしっかりしなくては掲げた目標に泥を塗ってしまう。彼の活躍を口にしながら俺は謝罪の言葉を口にすると、友人達はバツの悪そうな顔をしながらも彼に謝罪してくれた。

少年 キラ・ヤマトは戸惑いながらもそれをしっかり受け止めてくれた。
それから私は乗船の時間を彼に費やすことにした。
できる限り彼の力になろうと、彼の相談に、愚痴の呟きに、
彼のザフトの友人と撃ち合う嘆きに、何もせず静かに聞いてあげた。
断言できる。彼は戦士には全く向いていないと。彼は唯強すぎる力を持って生まれてしまった誰よりも日常を愛する人間なのだと。
しかし、私は同時に世界が求めているのは彼の様な、心の弱さを知っており、強大な力を持っている存在なのだと確信できた。
彼は否定するだろうが、いつしか世界が彼を中心に回って行く事になるだろうと。嘗てのアグニカの様に。
彼が望まなくとも、そんな気を抱いてしまうほどに。

私は連合の第八艦隊に合流するまで、船やMAは友人達に任せ出来る限りキラ・ヤマトの側で彼の援護を行う事にした。
少しでも彼の心労を肩代わりするべく共にザフトに強奪されたガンダム達やモビルスーツ隊を相手取って行く。
MS部隊は恐らく我々ギャラルホルンへの当て馬。
確かにコーディネーターは強い。しかし、経験が浅い事もあり私の闘い方に裏を描かれ私が有利に立ち回る。
そんな中、ステルスMSが船に取り付いたことを聴いた瞬間ヤマト少年の動きが別物になった。
迫って来たガンダムタイプを一瞬で打ち払うと背後からの射撃すらも回避し、ステルスMSを船から素早く蹴り飛ばし、更に先程打ち払ったガンダムタイプの損傷箇所を狙って短刀を突き刺し一瞬で戦闘不能にしてしまった。
友人達は彼の力に茫然としており、俺は彼の戦闘に見惚れていた。
やっと、連合の増援到着により戦闘は終わった。
彼らとは此処で別れる事になり、友人達はさっさと自分達の船に戻って行ったが、俺はヤマト少年と最後の話をする事にした。
私は彼に気休めかもしれ無いが少し助言を送る事にした。

「力を強く持たなければ誰も守れないし、思いも貫けない。
だが、君を心から思う友人が居るのだから彼らの胸を借りるといい。彼らからすれば君がコーディネーターなど関係無いだろう?」

と、私が送った言葉を聞いたヤマト少年は、不安は隠せていなかったが、少し明るい顔つきになり、礼を送ってくれた。

自分の船に戻る前にヤマト少年が私に此れまでの感謝を込めて敬礼を送っとくれたので、私も彼の幸を願い敬礼を送り合って我々は別かれた。

私はモンターク商会のコネを使いアークエンジェルの足取りを追う事にした。

其れから、世界は慌ただしくなった。
砂漠の虎や紅海の鯱がアークエンジェルに撃破され
連合の強奪されたガンダムタイプの4機の内2機を撃破し
1機を奪還。ストライクがイージスと共にロストした話や
アラスカ消滅などの話が次々と飛び込んできた。
しかし私が1番気になったのはストライクがロストした後、アラスカの空から現れた蒼翼のガンダムの話だった。
その戦闘映像を見て私は直ぐにパイロットが死んだと思われた
キラ・ヤマト少年だと直ぐに解った。
その戦闘力はストライク時代とは比べ物にならなかった。
圧倒的な性能と操縦技術で敵を出来る限り殺傷せず、戦場を支配する能力に俺は驚愕した。

俺はその時飛び上がりそうになるのを抑えるので精一杯だった。死んだと思った彼がどう言う訳か、新たな力を伴い生還したのだ。俺は喜びに打ち震え、確信した。

彼こそが、現代のアグニカ・カイエルだと!

俺は計画を少し、修正する事にした。わざわざ俺が新組織を立てる必要は無い。
あくまでも俺はギャラルホルンを消す事に集中する事にした。
他のセブンスターズの動きを警戒、監視する事にした。
彼は俺が何する訳もなくその責任力の高さから何かを果たす様になると感じたのだ。
俺は唯その側に立ち、彼を支え、俺のやりたい様にやれば結果は自ずと着いてくると考えたのだ。
名を上げた俺が新組織で活躍すればする程、組織に不満や憤りを感じたギャラルホルン兵達は自ずと集まって行き、新組織の強化と、ギャラルホルンの弱体化に繋がり自然な形で世代交代は成ると確信出来たからだ。

もうすぐ、恐らくだが戦争は間も無く終わる。
ギャラルホルンに一切の得無く唯、権威失墜という結果だけを残して。
そこからが出番と確信し、俺は、私はもう暫くの雌伏を楽しむ事にした。


そして、遂にその時は来た
C.E.73年 未曾有のテロ
ブレイク・ザ・ワールド事件の発生により再び地球とプラントの戦端が開かれたその裏で

私は友人のガエリオ・ボードウィンと共に任務のため、火星にやって来ていた。

      クーデリア・藍那・バーンスタイン
            そして
            鉄華団

CGSを改名し、新たに誕生した新興組織が革命の乙女クーデリアを護衛し、地球へ向かうことを掴んだ私は火星での監査を終え一旦帰還するとアルミリアと重要な話をした後、モンタークとして鉄華団に接触し、彼らを陰から支援する事にした。
当然、デュランダルやジブリール、そしてラクス・クラインそしてキラ・ヤマト達の動向を探りながら時期を上手く調整しつつ、計画を進めて行く。
ギャラルホルンに鉄華団の活躍をぶつければ外から、私が内側からマクギリスとして、ギャラルホルンに大きな波紋を立てれると考えたからだ。
其れは上手くいき、功を焦って出過ぎたカルタが死亡。
私はガエリオにアイン治療の為、ギャラルホルンの阿頼耶識のことを伝え、あくまで「自分で選ぶ様に」と伝え、教えた。
そしてエドモントンにて錯乱したアインが市街地でバルバトスと戦闘を始めた頃、私は大詰めに入る事にした。

キマリスの前に立ち塞がりガエリオに俺の全てを伝える。

俺の目指す物は内部改革では無く、ギャラルホルンが無くなった後に代わる新たな組織の誕生。そしてその組織と共に
理想を叶える事。
現代のアグニカ・カイエル達と共に嘗て語り合った理想を実現すると。
ギャラルホルンに入る前からそうだったと伝えた。
憎き父、イズナリオを蹴落とし消し去る為だと伝えた。
そこまで話すと、ガエリオが、キマリスが、声を荒げて向かって来た。

アインを利用したのか⁈と、問いかけてきた。
お前が選択したと返した。
カルタの死を利用するのか⁈と、問いかけてきた。
彼女が勝手に追い詰められて死んだだけだ。と返した。
俺達の友情は偽りだったのか⁈と、問いかけてきた。
私は少し迷うと、半分真実であり、半分偽りだ。と返した。
それは何故だ⁈と、問いかけてきた。
俺は全てをぶち撒けた。
「何故なら、俺はイズナリオに拾われたコーディネーターだからだ」と、遂に、友に、俺の最大の秘密を明かした。

キマリスの、ガエリオの動きが、言葉が止まった。
どんな事を考えているのだろうか?
自分の此れまでの事を振り返っているのだろうか?
嘗てのアークエンジェルの事を思い出しているのだろうか?
俺が同じと思っていたからの友情だと考えているのだろうか?
一つ前の質問の回答の意味でも考えているのだろうか?

すると、めちゃくちゃな動きをしながらキマリスが切り掛かってくる。再び問答が始まる。

カルタをどう思っていたのか?! と、問いかけてきた。
鬱陶しかったと返した。
お前を思っていたんだぞ?! と、問いかけてきた。
元から私にそんなつもりは微塵も無かったと返した。
アルミリアはどうなる?! と、問いかけてきた。
彼女は関係無く、命に替えても必ず幸せにすると返した。
アルミリアとの子はどうなるんだ?! と、問いかけてきた。
どういう事だ?と返した。
ハーフコーディネーターを産んだらアルミリアも子も迫害されるぞ?!

この言葉を聞いた瞬間、俺の中の何かが切れた。
俺は一切の容赦無くキマリスを切り刻む。
そうさせない為にギャラルホルンを消すのだ‼︎
悪しき風習は根本から消し去らなければならないのだ‼︎
お前の!内部改革も!結局!ギャラルホルンの教えに縛れた!口先だけだ‼︎
そんな物ではもはやこの世界の争いは、憎悪は止めら無いのだ‼︎
お前は2年前のヤキン・ドゥーエの中継を観て何も学ばなかったのか‼︎

思い返すのは本部に帰還し、モンタークとして動く前
アルミリアが俺の書斎に入ってしまい、2年前と今の日記から、俺の計画と秘密、ギャラルホルンの腐敗、そして家族や組織の汚職に気づいてしまった事だ。
2人きりになった夜、彼女は俺に其れを問いただして来た。
此れからギャラルホルンを破壊する事、
ギャラルホルンに既に大義など無い事、
仕事中に友人が出来た事、
俺の過去の事、
そして、俺がイズナリオに拾われ、人の尊厳を踏み躙られたコーディネーターである事、
これらが真実か嘘か彼女は問いただして来た。
俺は、彼女を叱る事が出来なかった。
身体が震え、膝から崩れ落ちる。
過去にイズナリオから受けたアレがフラッシュバックして吐きそうになる。
入隊1〜2年目の頃に見た迫害される他の士官達の姿が浮かぶ。
もし、気づかれたら俺もああなるという恐怖。
もう終わりだ。

と、思っていると
何かが俺を頭から体全体で抱きしめて来ると、フラッシュバックが消えた。
アルミリアが
俺を
涙を流しながら
抱きしめてくれていた。
まるで俺を子供をあやす様に背中をさすりながら。
アルミリアは謝って来た。
気付いてあげられなくてごめんなさい。と
きっと、兄様にも言えなかったんですね。と
ずっと、一人で戦ってて辛かったよねマッキー。と
もう大丈夫です。と
いつもの俺なら、振り払い
知った様な口を聞くな!と言えたはず
だが、言えなかった。理由は単純だ。
彼女が、アルミリアが、俺の全てを受け入れようとしている事が、嫌と言うほど俺の心に伝わったからだ。
彼女は言葉を続ける
私はマッキーの味方だよ。と
私がマッキーの側にずっといますよ。と
私は・・・と、彼女言い掛けた所で俺はアルミリアを強く抱きしめ返した。
俺はアルミリアへ質問する。

俺は君の兄を殺すかもしれない。
私は何が起きようと、何をしようとマッキーの味方です。と

俺は君の家族を陥れるぞ。
承知の覚悟です。と

失敗したら、地獄行きだ。
なら、私も一緒に落ちます。と

俺は・・・コーディネーターだぞ?
関係ありません。私は今のありのままのマッキーを、愛しています。

俺は涙を流しながらアルミリアへ誓いを投げかける。
俺は必ずやり遂げる。
命を賭して必ず君を守る。
君の未来を切り開くと。
君の騎士として闘い、勝利し続けると。
涙顔のまま、アルミリアが笑い、告げる

生きて帰って来て、必ず迎えに来てください。と

今日この日、俺の、私の怒りは消え、代わりに本当の愛情を知り、救われ、手に入れた。


俺は友への憤りをぶつけ続けて、冷静になり、気がつくとキマリスは膝を突き動かなくなっていた。まだガエリオは生きている。
俺はアルミリアの思いをガエリオに告げ、親友に最期の言葉を残す。

コーディネーターである事を抜きにしても、俺からお前への友情は間違いなく本物で、俺にとって唯一無二の親友だった。正直、分け隔て無く接されるアインが羨ましと感じてしまうほどにな。
と、告げると俺はキマリスへ刃を突き立てた。

そこからは予定調和だった。
アンリは蒔苗に敗北し、イズナリオの計画は失敗した。
其れに合わせ、私はデュランダルや世界にギャラルホルンの内情を告発。
彼の指示に従い、イズナリオとギャラルホルン内部のロゴス関係者の全員引き渡しが行われる事になった。
勿論、抵抗が有ったが噂のミネルバ隊により呆気なく鎮圧されてしまい全員、囚われるか、死亡した。
紅翼のガンダムタイプは特に素晴らしい速度と動きで敵を切り裂く姿は恐ろしくも、私は魅力的に見えていた。
ギャラルホルンは大混乱したが、これで組織のゴミを速く片付ける事が出来た。
まだ、ギャラルホルンを壊す訳には行かない。
まだ、新組織が出来てないからだ。
まだ、セブンスターズの力と後ろ盾は将来の人集めに必要だからだ。
イズナリオも戦闘に巻き込まれ、死亡が確認された。
これにより私が新たなファリド家当主となり、空白となった地球外縁軌道統制統合艦隊の司令官に任命された。

私が司令官として活躍している間に、戦争は終盤に差し掛かっていった。
オーブ本土の闘い。
新たなフリーダムとジャスティスの情報。
TVに現れた二人のラクス・クライン。
ジブリールがダイダロス基地で死亡。
デュランダルはデスティニー・プランなる物を提唱し導入実行すると宣言。
本物のラクス・クラインを中心とした連合とザフトの闘い。
結果は、デュランダルが死亡、要塞陥落によるクライン派の勝利。
此れにより、第二次連合・プラント戦争は終結を見た。

そして、遂に新たな治安維持組織が3カ国によって誕生した。更に、ラクス・クラインを総裁として招聘。
隊長にあのキラ・ヤマト准将が着き、各エース達が招聘。
その組織の名は

       世界平和監視機構 コンパス

やはり私の思った通りとなった。彼らは自身の役割を果たそうとすると。その為の組織が誕生すると。
噂では既にあの鉄華団も参加している話を聞いた程だ。
私は直ぐにまずアルミリアと共に出向しようとしたが、他のセブンスターズや保守派どもが反対して来た。
理由は、自分達の存在意義を奪った組織に肩入れ出来ない。などと、最早存在しない威光に縋ろうとするくだらない言い訳ばかり。
それを俺や一緒に聞いていたアルミリアも、我慢の限界だった。
俺は馬鹿共に正論を叩きつけまくり彼らを黙らせた。
どうしても許可が降りないなら、ギャラルホルンを降りるとも脅した。アルミリアも其れに続くと叫んだ。
他のセブンスターズ達や保守派が、「其れは待ってくれ‼︎』と、引き止める。俺は今ファリド家だけで無く、イシュー家も抱えてる身。更に、アルミリアを通じてボードウィン家とも繋がりがある。
ただでさえ弱体化している中で今、俺をを失えばいくらアリアンロッド艦隊がいてもカバーし切れるわけがない。

全員が閉口し私が返事を待っていると、口を開いたのは
アリアンロッド艦隊総司令ラスタル・エリオン公だった。

お前は本気で向こうで治安維持がしたいだけなのか?
当たり前だ。と答えた
目的は何だ?
此処より、向こうが確実だからだ。と答えた
お前はアグニカになるのが目的じゃないのか?
もし、バエルを貸し出してくれるなら必ず結果は出すと約束しよう。ギャラルホルンの権威回復にも繋がるだろう。と答えた
深く思案し始めるラスタル。
思案が終わると、ラスタルが口を開く。

いいだろう。俺が賛成しよう。と、ラスタルが出向に賛成した。他の者達も私がぶら下げた権威回復の餌に食いつき、賛成した。

そこからは早かった。
バエルを本部から引っ張り出し、整備している間にクライン総裁や石動に連絡を取る。向こうはまさかの相手からの連絡に驚いている様だった。出向の話をすると、クライン総裁は私の話をキラ准将から聞いた事があるらしく是非と、二つ返事で編入が認められた。
石動には私から地球外縁軌道統制統合艦隊への連絡中継になって貰う旨を伝え、ギャラルホルンや他のセブンスターズの監視を頼んだ。

そして今、私とアルミリアは現在プラント首都アプリリウスのコンパス本部に居る。

集まったメンバー達の前や鉄華団の前に立ち、自己紹介する。
「本日、ギャラルホルン・地球外縁軌道統制統合艦隊から出向して来たマクギリス・ファリド特別大佐だ。よろしく頼む」
「同じく、ヴィーンゴールグのボードウィン家から出向して来ましたアルミリア・ボードウィンです。皆さま仲良くして貰えると嬉しいです」

私の闘いは此れからが、本当の始まりなのだ。
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