夢の中での邂逅


・ルゾロ前提
・時系列は指定なし(ワノ国前)
・捏造、妄想いっぱい
以上が大丈夫な方はこのままどうぞ

















「ん~…あれ?」
ルフィはパチパチと瞬きしながら起き上がり、辺りを見回す
そこは穏やかな風が吹き、大きな満月が辺りを照らす草原だった
「ここどこだ?おれ、たしか島に着いて、ゾロとデートして、それから…」
これまでの行動を思い出そうと首を捻る
すると、目の前に突如人影を見つけた

「ん、だれだ?」
ルフィは目をこらして人影の方を見る
彼のいる場所からは後ろ姿しか見えないが、腰に二本の刀を差しているのがわかる
他に人の気配はない、ならばやることは一つ
「よし、アイツに何か聞いてみよう。そしたら、ここがどこかわかるだろ」
ルフィはそう言うと「おーい!」と手を振りながら人影に向かって走った
だが半分程近付いたその時、
「うわっ!!」
人影が振り返ったかと思うと、神速の抜刀でルフィに斬りかかった

「おい、急になんなんだよ!?」
ルフィはジャンプで距離をとりながら尋ねる
人影の正体は着物姿の男で、後ろにはねた青みがかった黒髪が風に揺れる
男はそのまま二本目の刀を抜き、鋭い切れ長の目を細めながらルフィに向かって構える
「いきなり襲ってくるなんて、なにもんだ?」
男は返事の代わりに踏み込み、一気に間合いを詰めた
ルフィは襲いかかる二刀をなんとか避ける
「なんだか知らねェけど…ちょっと止まれェ!スタンプ!!」
ルフィは一瞬の隙をついて跳び、ゴムの足を放った
しかし、男はそれをクロスさせた刀でいとも簡単に受け止めた
着地したルフィが息を吐くと、再び男が駆ける
その両手に構えた刀が徐々に黒く染まっていく
ルフィも迎え撃とうと拳を構えたその時、

「そこまで!!」

凛とした声が草原に響いた
「誰だ!?」
驚いたルフィが声のした方を向くと、そこには美しい女が立っていた

「まったくもう、アラシさんはすぐ熱くなるんだから」
女が呆れたような声を上げて近付く
ポニーテールにした髪が歩く度に揺れ、月の光を受けて若葉色に輝く
男は女に「悪い」と苦笑しながら刀を納めると「いやァ、スマンスマン!」とルフィに向き直った
「ボウズ、さっきはいきなり悪かったな」
「オッサン、急にどうした?」
「いやなに。おれはただ、倅の惚れた男がどれ程か試したかっただけだ」
男はそう言ってルフィに笑いかけると、「それで流桜まで出しちゃうなんて、ホント熱くなりすぎ」と女が呆れる
「試し?リュウオウ?」
ルフィの頭に?が飛ぶ
だがその整った顔立ちと眼差しは、どこかルフィに既視感を覚えさせた

「ねェ、あなた」
女がルフィに笑いかける
「なんだ?」
「あなたの夢はなに?」
「おれは海賊王になる男だ!」
真っ直ぐに目を開いて言うルフィに、男は小さく笑う
「そうか。じゃ、その海賊王とやらに必ずなれ。世界一の大剣豪が好いた男だ。それくらいなってもらわないと困る」
「おう!!…って、大剣豪?大剣豪はゾロだぞ?」
「ふふっ、そうね。そして、いつかあなたはその大剣豪のお婿さんになる」
「倅が男と契ったのはちょっと意外だったな。けど、アイツと契った以上はケジメはつけてもらわねェとな」
そう言うと男は指でルフィの額を弾いた
ゴムの額に軽い衝撃が走り、視界が薄らぐ
「!?」
「アイツとの約束忘れたら、その首もらうぞ」
「ゾロを、よろしくね」
二人の声が脳内に響く
その直後、ルフィは意識を手放した
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