【音声番組】「このままだともみ消されるのでは…」有愛きい(25)壮絶イジメの目撃者たちが“禁断の告発”に踏み込んだ理由《宝塚歌劇団の闇》


【音声番組】「このままだともみ消されるのでは…」有愛きい(25)壮絶イジメの目撃者たちが“禁断の告発”に踏み込んだ理由《宝塚歌劇団の闇》
文春記者トーク #160

「週刊文春」編集部の記者が“取材のウラ話“を語る「文春記者トーク」。ここだけで聞ける話題のスクープの裏側をお楽しみください。


「週刊文春」が報じてきた宝塚娘役・有愛きい(25)の飛び降り事件。宙組の“学級崩壊”について先週号で報じたところ、宝塚関係者からの告発が相次ぎました。外部漏らし厳禁とされる宝塚関係者たちは、なぜ内部告発に踏み切ったのか。取材した高橋記者が解説します。


#160 「このままだともみ消されるのでは…」有愛きい(25)壮絶イジメの目撃者たちが“禁断の告発”に踏み込んだ理由《宝塚歌劇団の闇》





文春記者トーク この番組は、現場の最前線で活躍する週刊文春の記者たちが取材やスクープの裏側を明かす、有料会員限定のオリジナルコンテンツです。
電子版デスクの村井弦がお届けします。
それでは、今回のゲストは、先週に続きまして編集部の高橋記者です。高橋さん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

はい。週刊文春がこれまで2週にわたってやってきた宝塚歌劇団の中で 起きたいじめ自殺事件ですけれども、
今回の記事も非常に大きな反響がありまして、電子版にはかなりの方が会員になってくれたと。
まあ、真実がどこにあるのかっていうのはね、なかなかそのうちの報道以外じゃないので、おそらく多くの人が気になってるのかなと思いますが、
今回はまたこの記事の裏側を取材班の高橋さんに色々と聞いていきたいなと思っております。
今回、宝塚歌劇団で亡くなったのは、宙組に所属する有愛きいさん。
25歳ですけれども、劇団内で非常に過烈ないじめに遭っていたと。
これ、第1弾を出した後ですかね。
本当に多くの関係者から内部告発が相次いで、今週号ではそんな人たちの証言を基に新たに記事にしたということです。
じゃあ高橋さん、まず第1弾の記事の後ですね。
どのような方からどれぐらいの量の告発があったのかっていうのを、喋れる範囲で構わないので、教えてもらっていいですか。

はい。本当に、あの、多種多様な方というか、いろんな人から本当に情報提供がありがたいことがありまして。
事態を憂慮するそのファンの方ですとか、劇団関係者もさることながら、
ま、やっぱり1番こちらとしてもインパクトがあったのは、現役のその宙組生からも複数告発があったということなんですね。

現役の生徒ってことですよね。

そうですね、はい。
告発の量自体って、具体的な数は明かすことはちょっとできないんですけど、まあ、少なくとも10名以上には上っているんじゃないかなと。
やっぱりそれだけ有愛さんが与えた、というか、そういったものは大きかったんだろうなという風に思いますね

それだけの数の人、しかも生徒も含むっていうことですが、なんでここまで告発が相次いでいるのか。
それから、あの週刊文春に告発している人っていうのは、どんなことを望んで、その高橋さんたち取材班に連絡をしてきてるんですかね。

あー、やっぱり告発者の方々って、今の宝塚の現状に対して、ものすごい危機感を抱いてるんじゃないかなと思っていて。
生徒が1人亡くなっているにも関わらず、このままだとうやむやにされちゃうんじゃないかっていう、そういうところが、その告発の動機に繋がっているんじゃないかなという風に思ってます。
だから、やっぱりこう、なんでこうした最悪の事態を、避けることができなかったのかっていうところも含めて、真相を究明して、再発防止策をしっかり作ってほしいっていう風に願っている方がすごく多いんじゃないかなという印象を受けます。

週刊文春ね。この自殺事件がある前から、何度か宝塚の問題ってのは報じてますけど、その度に、なんて言うんでしょうね、この劇団側の隠蔽体質というか。
なかなか、情報を公にしなくて、こちらから見えないっていう、そういう状況、続いてたかなと思いますが。
あの、高橋さんたちが、この取材の中で、宝塚歌劇団の隠蔽体質とか、閉鎖性みたいなものを感じた瞬間って、ありましたか。

あの、やっぱり、現役の、その劇団関係者、スタッフさん含めだけじゃなくて、その退団した方とか、そのOGに至るまで。
やっぱり、身バレっていうのを、めちゃくちゃ恐れてるんじゃないかなっていう風に、実際、そういう風に、言われることも多くてですね。
それはなんでかっていうと、宝塚の厳格なルールというか、御法度として、その外部漏らしっていうのがあるんですね。
つまり、読んで字のごとなんですけど、劇団内部の情報を外部に向けて喋るなっていうことなんですけれども。
これが、現役だけじゃなくて、今では宝塚とは何の関わりもない人まで、すごくこう、非常に徹底されてるように感じますね。

もうやめた人ってことですね。

そうですね、はい。でも、外部漏らしって、そんな言葉があるぐらいまで、御法度になってるっていうことだと思うんですけど。

でも、今回、その外部漏らしのリスクがあるにも関わらず、この週刊文春にこの情報提供の人がしてるってことですもんね。

いや、本当にその通りで、それだけのリスクを抱えて、でもやっぱりこう、何か言いたいことがあるっていう方は、今回すごく協力してくださってるように感じます。

ま、そんな取材の協力者の方々の話から見えてきたのが、この有愛さんが受けていた、いじめの実態だと思うんですけれども。
具体的にですけれども、有愛さんは宙組の中でどういういじめにあってたんでしょう。

あの、これ、以前から報じているんですけれども、有愛さん、あの、同じ宙組のあの天彩峰里さん という、上級生がいるんですけど。
あの、彼女からですね、2021年の夏に、ヘアアイロンを、こう額にこう、当てられて、火傷をしてるんですね。
有愛さんは、この件を巡って、宙組の、世話役とされている方だったりとか、総務部長には、メンタル面の辛さっていうのを訴えているんですけれども、それは全然取り合ってもらえていないと。
で、しかも、それどころじゃなくてですね、今回、取材していてわかったのが、天彩さんが、こう日常的に有愛さんのことをいじめていたみたいで。
その、例えば、演技のことに関して怒鳴り散らしたりとか、それから、その新人公演の髪飾りとかカツラとかアクセサリーとかっていうのは、その作り直しを夜通しさせて、こう寝不足にさせたりして。
なかなかこう声を出せないように仕向けていたということも今回の取材でわかりました。

そういう、そのいじめがあったってことを多くの人がもう目撃してるってことなんですね。

そうですね。

さっき出てきた天彩さんの件については、週刊文春以前からですね、報じていた内容でありますけれども、
かつて、週刊文春が報じたその宙組の学級崩壊についてですけど、これ、週刊文春の報道については、宙組の内部ではこれどのように受け止められていたんですか。

学級崩壊の象徴されるその、ヘアアイロンの件なんですけれども、
これ、今年の2月2日発売号であの表紙が報じているんですが。はい。
ま、その翌日にですね、有愛さん、劇場内のその幹部部屋っていう、楽屋になるんですけれども、うん、そちらの方にこう呼び出されたみたいで、
当時組長だったあの寿つかささん、それから、これも当時トップスターだった真風涼帆さんと今の組長の松風輝さん、それから今の男役の、そのトップスターの、芹香斗亜さんって4人から、すごい、妥倒されていたみたいで。
で、これは、そのー、何かって言うと、ヘアアイロンの件は、これ、いじめじゃないよねと、わざとじゃないよね。という風な、こう、事実をねじ曲げるように、圧力をかけられていたと。

で、まー、形としては、これは、こう、弁明会っていう風に、言われてたみたいなんですけど、
上級生が、有愛さんに対する、糾弾するような、そういう様相だったらしいんですけも。
ま、そこで、泣き崩れて、過呼吸になってしまった有愛さんなんですが、彼女に対して、芹香さんは、なんで、あんたが泣いてんの。という風に罵声を上げたりしているみたいで。
まあ、有愛さん、当然なんですが、下級生はこう、何も反論できない状況だったみたいですね。

あー、吊るし上げみたいなことをね、してたっていうことで。これ、なかなか客観的に見てもひどいなって思いますけど。
にも関わらずですね、10月9日に劇団が記者会見をしたと思いますが、週刊文春が報じてきたこのいじめ疑惑ですが、これについて否定をしていたとうことです。
取材班の一員として、高橋さん、この記者会見についてはどう思いましたか。

いや、まあ、率直にこれ遺憾だなとしか言いようがないですね、うん。
これだけその、内部告発者が出ていて、いじめの、その具体的なその実態っていうのは、こう、明らかになっているにも関わらず、
そういう風に否定するっていうことの、なんというか、こう、隠蔽体質というか、嵐が過ぎ去るのを待つではないですけれども、そういう、こう、劇団の体質みたいのがすごく今回の会見でも感じましたし、
やっぱり今言ったみたいに、これだけ内部告発者がいるんだから、 しっかり調査するべきなんじゃないかなっていうことは、あの、ずっと考えてます。

はい、ありがとうございました。 えー、高橋記者をはじめとした宝塚歌劇団のいじめ自殺問題の取材班はですね、引き続き取材をするということなので、
えー、情報提供も引き続き行っております。文春リークスで検索していただいて、
何か、えー、告発するものがある方はですね、ぜひ投稿していただきたいなと思っております。
ま、なかなか世の中にね、出ない情報が多い中、週刊文春が非常に力を入れて報じてるテーマですので、注目していただいて、記事の方も読んでいただければなと思っております。
それでは、本日のゲストは編集部の高橋記者でした。どうもありがとうございました。

ありがとうございました。
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