絶対秘密の同居生活 第四話


「自分の磨くついでに、磨いといたよ」



振り向くと、まだ部屋着姿の綾人が壁に寄りかかっていた。




「いいよ!自分のは自分でやるから…!」



「遠慮しないでいいよ。俺、将来の優里の旦那なわけだし」



「だ、だんっ…!?」



「それよりもう学校行くの?早くない?」



「ここから通うのは初めてだから一応早めに出ようかと…」



「ふーん、じゃあちょっと待っててよ。俺もすぐ支度するから、一緒に家出よ?」



「え、え…?」



私は想像してみた。
一緒にマンションを出る2人の姿を…

瞬間、マスコミに囲まれる私たちっ



『YUさん!どういうことなんですか!?今をときめく人気俳優が、なぜこんなどっ…こにでもいそうな平凡女と同じマンションから出てきたんですか!?』

『というかむしろ平均値以下のブスじゃないですか!?ブス専なんですかYUさん!!』



…ダメだ!



絶対に



ダ  メ   !!!


無理無理無理無理っ!!」




激しく首を横に振った私に、綾人が不機嫌そうな顔をする。




「なんで?」


「なんでって…綾人自分の立場わかってないの!?」


「立場?」


「綾人は国民的人気俳優なんだよ!?」


「そうなの?それ以前に優里の幼なじみで今は婚約者なんだけど。婚約者と一緒に住んで何が悪いの?」


は、い?

ダメだ…!
全然話が通じないよこの芸能人!


私はクラクラしそうな頭を押さえて靴を履いた。



「とにかく私学校行くから」



そう言ってドアノブに手を伸ばした私の肩を、綾人が後ろに引っ張って



振り向いた私の唇に、ちゅ、と柔らかな感触。



いってらっしゃい、俺の奥さん」




気づいたときには、綾人が嬉しそうに微笑んでいた。

----------------------------------------------------------
いつぶりの投稿だろうってくらいですね。すみませんっ!
もうお話読んでくれてる人も少ないかな…?
もし連載読んでくれてるよって人がいたらDMでもコメントでもして欲しいな。投稿頻度上げたいと思いますっ!
お知らせ
実務でも趣味でも役に立つ多機能Webツールサイト【無限ツールズ】で、日常をちょっと便利にしちゃいましょう!
無限ツールズ

 
writening