古巣の仲間


ディアッカ「はーーー。流石に疲れたな。俺たち働きすぎじゃね?」
イザーク「下らんことを言う暇があるなら働け」
ディアッカ「って言ってもねー」
部下からの通信「失礼します。エザリア・ジュール様がお越しです」
イザーク「(母上が何故?)分かった。通してくれ」

ディアッカ「お久しぶりですエザリア様」
イザーク「どうされたのですか母上?今夜は確か親睦会では?」
エザリア「お仕事中に悪いわね。ええ、今回は気楽なものですし久々にタッドとも直接会えて楽しみね。少し時間を頂ける?親睦会までまだ少しあるから久々にお茶でも如何かとおもって。貴方家には全く帰ってこないのですもの。ろくに休みもとっていないとも聞いていますよ。忙しいのも分かるけど少しくらいこの母に顔を見せて欲しいわね」
イザーク「…1時間半後に会議がありますのでそれまででしたら」

エザリア「そうそう、昨日屋敷に戻ったら丁度あなた宛の荷物が届いていてね、ついでだから持って来ましたよ、はいアスランから。なんでもオーブの方が直接持っていらしたそうですよ」
イザーク「ありがとうございます。あいつから?通常便では送れない程の重要物をいつ帰るか分からない実家宛、しかもアポ無し本人不在時に?」
エザリア「そこは私にも分かりません。受け取り時に本人に直接でなくて良いのか確認したそうだけれども問題ないと言っていたらしいわね」
イザーク「重要でないなら通常便で官舎に送ってくれば良いものを何考えてるんだあいつは」
ディアッカ「多分今のお前の官舎あいつ知らないぜ?」
イザーク「あいつならいくらでも調べる手段はあるだろうに手を抜きやがったな」
ディアッカ「まぁまぁ、直接持ってきたのも謎だし?で、中身は何?開けてみろよ」
イザーク「ああ…(緩衝材を巻かれた直方体?)本か?」
ディアッカ「その封筒のメッセージカード?何て書いてんの?」
イザーク「…『写真集を作ったので君に贈る。喜んで貰えると嬉しい。アスラン・ザラ』」
ディアッカ「写真集ってオーブのプロモーション?ザフトも作ってみる?」
エザリア「あら、楽しそうね。マティウス市でやってみようかしら」

イザーク「!?いや、これは…」
ディアッカ、エザリア「「どうした(の)?」」

(((『アスラン・ザラ 〜君が育ったこの国で〜』???)))

エザリア「…イザーク、本を開いて頂戴。中を見たいわ」
イザーク「は、はい」

(((嘘だろ(でしょ)???)))

エザリア「…アスランは仕事を選ばないタイプだったかしら?」
イザーク「…任務には真面目に取り組むタイプではあります」
ディアッカ「…いやーでもあいつ、4周年記念行事でも普通に不機嫌顔だったぜ。仕事は完璧だったけど」

(((何があった???)))

エザリア「全ページに彼がいるようね」
イザーク「ま、まぁあいつの写真集らしいですから」
ディアッカ「…アスランはマジで意味わかんねーけどこの王冠凄くない?」
イザーク「それは恐らくオーブで国宝指定されてるやつだ。文献で見たことがある」
ディアッカ「は?本物?てかそんなの部外者が被って大丈夫なわけ?不敬罪とかさ?」
イザーク「オーブの支配者が使用していた訳ではなく、交流のあった〇〇地方からの贈与品で用途は観賞用だとされている。〇〇地方の文明は周辺諸国含めて残っていないから非常に貴重なものではあるが、アスハが大丈夫だと判断したのなら問題ないのだろう」
ディアッカ「んじゃこっちの剣は?」
イザーク「云々カンヌンピーヒョロロ」

ディアッカ「なんかスゲーな。この写真集。とアスラン」
エザリア「私、夢でもみているのかしら。私の知るアスランとはかけ離れているのだけれど」
イザーク「…俺も同じ気持ちです」

エザリア「…でもあの子がこんなふうに自由に笑えるようになったこと私は嬉しいわ。パトリックとレノアもきっとそうね。タッド達も」
イザーク「…ええ」
ディアッカ「そうですね」
エザリア「…だけどそれとは別にまだあの子の名前は影響が大きいのだから変に目立つのは今のあの子の立場だと不味いわね。貴方達からやんわり伝えてもらえるかしら?」
イザーク「…分かりました。何とか都合をつけてみます」
ディアッカ「…都合?おい、イザークまさか」
イザーク「オーブへ行く。お前も準備しろ」
ディアッカ「いや、だけど今俺たち忙しいよな?」
イザーク「この写真集は明らかにあいつの行動から逸脱している。あいつがまたおかしなことをしでかすとすれば今度こそ事前に止めてやらねばなるまい。その意味ではこれも仕事だ。」
ディアッカ「まぁそうだけどさー」
エザリア「頼みましたよ、イザーク。…あら、もうこんな時間。そろそろ私は行きます。楽しかったわ。身体に気を付けるのですよ。ではね。」



ディアッカ「…」
イザーク「…」
ディアッカ「なぁ、イザーク」
イザーク「…なんだ?」
ディアッカ「あいつちゃんとオーブにいるってさ。確かな情報」
イザーク「そうか」
ディアッカ「…お前、何やってんの?」
イザーク「つまらんことで話しかけるな。俺は忙しい。準備が出来たならもう帰っていいぞ。明日のシャトルでな」
ディアッカ「…ああ、遅れるなよ」

写真集をスキャンして片っ端からオーブの文化遺産リストとの照合作業に勤しむイザーク

イザーク(…少なくともこの28アイテムはアスハの個人資産か何かだろう。見たことがないし検索にもかからない。あと15アイテム怪しいのがあるがあいつが邪魔で分からん)

イザーク(この紋章、これだとすれば本来ここには無いはずだ。どういうことだ?とにかく奴が邪魔だ)

イザーク(ここに刻まれた文字らしきものは解読できているのだろうか。ええい!ピントが奴の顔で腹立たしい)

イザーク(続きはシャトルの中でやるとしてもシャトルでも仕事はするんだ。持っていく資料に不足があってはならんし、やはり今のうちにある程度やっておかねば)
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