C.E.世界のハシュマル初遭遇


「此れが、モビルアーマーですか・・・?」「こんな物が300年前に人類を・・・」
「実物を見るのは、私も初めてです」
「あの、准将・・・これ以上近づいて大丈夫ですか?」
「エイハブ・ウェーブを感知されない限り、コイツは動き出す事は無いよ。それとアスカ大尉。今の私は准将では無く、コンパス特別大佐だよ」
「あ・・・そうでした」
火星にて鉄華団とテイワズが管理する事になったハーフメタルプラントからおかしな物が出土したと鉄華団火星本部のユージンから報告を受けたコンパスとオルガを中心とした鉄華団地球出向組。それをコンパスに出向し、偶然聴いたマクギリスは直ぐに発掘を中止させる様に告げると其れが厄祭戦時代の殺戮兵器「モビルアーマー」と直感。ミレニアムの部隊と、更に偶然聴いていたラクス総裁と共に火星にやってきていた。

「コイツはどういった物何だマクギリス?俺たちのが駄目ならせめて兄貴達のMSがあった方が良かったんじゃないのか?」と、オルガが質問するがマクギリスが待ったをかける。
「それは辞めておいた方がいい。それでもしもコイツが動き出したら大惨事を招く。此れは、そんな生易しい物じゃない」
「どういった物なの?」と、三日月が説明を求めると、
「此れは、皆様が知る連合製MAと違い人の手を必要とし無いのです。つまり自分で思考して人を効率よく殺戮する為だけに動く自立稼働兵器なのです」「へ〜」
「非公式の情報ですが、連合製MAやデストロイ達はコイツらを参考に開発されたと言う話もある程です」と、マクギリスの右腕である石動の説明を聞いた三日月はそれ以上の興味は湧かなかったが、他のメンバー達の顔色は説明を聴いた瞬間真っ青になった。
もし、これが動き出したら火星圏の人々が皆殺しにされてしまうのは火を見るより明らかだった。
「マクギリスさん。此れは慎重に対応しなければなりません。シン「は、ハイ!」ミレニアムと待機しているルナマリア達へ連絡を」「了解しました!」
「私も同じ考えだ准将。取り敢えず、私は出向の身なのでアリアンロッドに連絡を入れておきます」
「私はクーデリアさんへ連絡を」
「俺も本部にいざという時に!」
すぐにコンパスは本隊やクーデリア達と、鉄華団は火星本部へ、マクギリスはギャラルホルンと連携を取るべく動き出した。
「エリオン公。私だ、マクギリスだ」
「貴様から連絡とは。何様だ?」
「火星で休眠状態のモビルアーマーが見つかった。私は今はコンパスの立ち位置だ。貴方達の力を借りたい」「何っ!それは本当か!(・・・プルーマだけで無くやはり本体も埋まっていたか・・・!)」
「嘘だと思うならば援軍を連れて確認しに来るといい。早くマトモな方の増援を此方によこせ」
「貴様の目的は七星勲章では無いのか?」
「何故、今の私が?そんな物を欲しがる理由が今あると思うか?」
「そうか・・・実はな・・・何処からか匿名で情報を仕入れて来たイオクが其方へ」
とラスタルが続けようとしたところ
「あれ?何か降下してきますよ?」というシンの声で全員が空を見上げると
4体のレギンレイズがコンパスの反対側に「モビルアーマーを挟む形」で降下して来たのだ。
「マクギリスさん!石動さん!アレは・・・」
「ええ。恐らくは・・・」
「ああ・・・マトモな方の援軍では無い様だ。」
「見たことある奴だな」
『動くな‼︎マクギリス・ファリド!コンパス共もだ!』
「おい!アンタの仲間じゃねえのか⁉︎」
「私が対応しよう・・・クジャン公!私は貴公に敵対した覚えは無い。何様だ!」
『惚けるのか!貴公にコンパスと共に謀反の気有りと情報を掴みこうして捉えに来たのだ‼︎』と、大声がMSから響いて来た。
「謀反?コンパスと共に?奴はどういう勘違いをしているのでしょう?」
「マクギリスさん達のコンパスへの出向は正式的な物だと向こう側は知ら無いのでしょうか?」
石動とラクスが疑問を抱いていると
『貴様がモビルアーマーを倒して七星勲章を手にし、セブンスターズ主席の座を狙っていることも知っている!』
「・・・エリオン公、クジャン公はああ言っているが?」
『スゥ・・・ハァ、すまぬ・・・私の思い込みだった様だ』「思い込みではすまなそうだが?」
電話から重い息を吐くラスタルにマクギリス悪態を吐くが、イオクの話は止まら無い。
『思い込みでは無い!』
『我々にモビルアーマーの存在を秘匿し、コンパス共と共謀しているのが何よりの証拠!』
「共謀も秘匿も何も、私は既にほぼギャラルホルンから手切りし、セブンスターズを降りた私がギャラルホルンに話す権利は無い上に、発掘物が本当にモビルアーマーだと知ったのは今さっきだ。コンパスが此処に居るのは話し合いの為なのだから当然の事だ」
『言い訳無要!貴様ら達を拘束する!』
マクギリスは便宜するが、イオクは全く聞く耳を持た無い。
が、別に危機を抱いたのはコンパス達だった。
「隊長!もしも、アイツがこのまま近づいて来たら!」
「っ!不味い!待ってください!此方へこのままきては駄目です‼︎」
『黙れ!共謀者どころかコーディネーターと話す舌は持ち合わせてはいない!』
「そういう話ではありません‼︎火星を危機に晒すおつもりですかっ‼︎」
コンパスメンバーが警告するが、イオクは聴かない。
遂に、イオクの機体が一歩踏み出してしまった。
『覚悟しろ‼︎』
「よせ‼︎愚か者‼︎MSをこれ以上此方へ近づけるなっ‼︎」
『問答無用だ!』

マクギリスの警告も虚しく、その怪物はイオクの機体のエイハブ・ウェーブを再起動させたレーダーで捉えてしまった。
通常兵器とは明らかに違う駆動音を響かせたのに三日月だけが気付いた。
瞬間、巨大な地響きが鳴り響いた。
地面から大地を抉る程の出力を誇るビームを放ちながら、厄祭の天使「ハシュマル」は再び殺戮を再開すべく雄叫びを上げた。
此れが後に、コンパス勢力と厄祭のモビルアーマーとの初戦闘と記録された「ハシュマル騒乱」とギャラルホルン没落の始まりと言われている。
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