和歌で特異点とかもう何でもありか by織田信長


「信玄公、採点をお願いします」
「ん。……写実的でわかりやすい良い歌だと思うぞ。なんだ不満か?」
「不満ではないのですが、その、自分でも得意ではないというか、上手いものではありませんので…」
「公家や他家と付き合う会でもないのに煩いことは言わん。『和歌を捧げて聖杯を手に入れろ』なんて曖昧な条件である以上、技術云々は二の次だ。変に読み解く必要のない分かりやすい歌が正解なのかもしれんし、歌そのものでなく込められた心情や作ってる時の感情で判断される可能性もあるんだ。とっとと緊張解いて新しいの作ってこい」

「緊張してるのは貴方がいるからなんですよね!!」
「いや声デカ。つかわし相手には緊張せんのかい」
「信長公と信玄公なら後者のがトラウマ酷いですし。あと死んだ後にまで気を使う必要あります?」
「竹千代さあ、ちょっと図太いにもほどがない?わし織田信長ぞ?織田。信長。」
「それにですね」
「いや聞け?」

「はるのぶさんたすけてもうなにもかもわかんないです。きごどれえらべばいいかわかんないしくをきるとかまたぐとかどうすればいいんですか」
「あー馴染みがないとそうなるか……とりあえず梅が綺麗でも空が青いでも何でもいいからリズム守って作ってみろ。で、その景色見てどんなこと思ったかを書き出して持って来い。ほら泣くなマスター、いっしょに推敲してやるから」
「はいぃ…」

「あんな風に穏やかな姿を想像したことがなかったといいますか、見慣れなさすぎて動揺するんですよね」
「まあ信玄入道が屈託なく笑うとか見る機会あり得んかったからのう。気持ちは分からんでもない」


「……あと遠くから見てる謙信公の視線が怖すぎて自然と身構えてしまうのが…」
「……歌作れる知識と技術あったが故の悲劇じゃな…目合わすなよ襲ってくるから」
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