ラクスのヘアアレンジをするキラSS


またまた某掲示板からラクス嬢のヘアアレンジをするキラくん。
種自由映画後、しれっと2人ともコンパスに復帰してます。
!キャラ崩壊、解釈違い注意!
作中のヘアアレンジ描写はおしゃれに興味のないIQ5くらいの作者がネットで調べた情報を元ににわか知識で描いてるよ。
このお話は、某掲示板の素敵なスレットで素晴らしい絵を描いて下さった方ときゅんきゅんするレスをして下さった方々のお力で出来ているんだ。感謝です。
   それでもよければ以下本編






平和的すれ違いキララク


ミレニアムがアプリリウスに帰港したのが昨日、今日から公邸で3日間の休日だ。ラクスは僕に合わせて2日間休みをとってくれている。せっかくの休日なので何処か行きたい所はないか、やりたい事はないのか彼女に聞いてみたのだけれど……、

『3日間もお休みがあるのですから、1日はお家で身体をゆっくり休めて下さいな。わたくしも溜まっていた家事をしながらのんびり過ごしますわ。キラもお好きな事をして過ごして下さいな。……そうですわねえ、残りの1日は、久しぶりにツーリングにでもいきましょうか、たまにはふたりでショッピングに行くのもいいですわねえ……。もう少し考えてみますわ。』

と、やんわり今日1日はお休み宣言をされてしまった。
手持ち無沙汰な僕は朝食を食べた後、ペットロボット達のメンテナンスをしている。ブルーとトリィ、それから大量のハロたち……、気がつけば、作業を始めてから2時間くらい経過していた。
一息つくために、凝り固まった体を解しがてら、お茶を淹れる準備をする。
ラクスを誘おうとして彼女の姿を探すと、
珍しくラクスがドレッサーの前で、髪を何度も結ったり、解いたりを繰り返している。どうやら、後ろの髪の毛で編み込みをしているようだ。

「う〜ん、難しいですわねぇ………。なかなかしっくりきませんわ………。」

「ラクス、お茶の時間にしようと思うんだけど……、忙しそうだね?もう少し後にしよっか……?」

「……、まあ!キラ、ありがとうございます。もうこんなに時間が経っていましたのね。もう少しで、お昼になりますわね……。ふう、残念ですけど一旦諦めましょうか……。」

どうやら、彼女から詳しい話を聞くと、昨日の夜ミレニアムのメンバーで女子会をして、そこでアグネスあたりからヘアアレンジについて色々教わったみたい。

正直な所、2週間ぶりにラクスに会うのに、数時間だけではあるけど、(そういう時間も大切だって分かってるけど)放って置かれて面白い気はしない。
自邸に着く前に鑑内で連絡をもらった時、僕は思わずオーブに滞在していた時みたいに、一緒に参加するって、言い張った。
しかしラクスに、女子会だし、上司がいると彼女たちの気が休まらないからと、(ラクスだって1番上の上司じゃん……。)しっかりお断りされた。
今日だって、ラクスは僕が充分に休めるように気を遣って提案してくれただけだって分かってはいるけど、同じ空間に居るのに離れて別々のことしてるのって、どうなんだろう、ラクスは寂しくないのかな……。
僕が彼女に対する不満をうつうつと考えていると、目の前の彼女は、
ごそごそと一生懸命に鏡を見ながら後ろの髪を編み込んでいる。

やっぱり、自分じゃ後ろの方って見られないから難しいよな……、ああ、タブレットで動画を見ながらやってるのか。これなら僕にもなんとかできるかな……。

「……。ラクス、ちょっとその櫛とヘアゴムこっちに貸して。」
「??……はい、どうぞ?」

うっ、これは意外に難しい。
髪が滑る……ラクスの髪ってこんなに細くてしなやかなんだ。いつも柔らかくて撫でるの気持ち良くて大好きなんだけど、これじゃあなかなかまとまらなくて大変そうだな……。
なら摩擦係数を−5にしつつも強く引っ張らないように捻りを加えつつ、緩く下方に2の力で編み込む。あとは適当に、……ほぐすって、どれだけつまめばいいんだろ……?

痛みを与えないように彼女の髪を慎重に編み込んでいる間、鏡越しに、瞳をきらきら輝かせている楽しそうなラクスと何度か目が合った気がする。

……ふう、なんとか形にはなったかな……。
動画の見本画像のようには完璧にならなかったけど、この出来ならふんわりとしたラクスのかわいらしさを十分に引き立てられていると思う。

「……出来たよ。どうかな?こんな感じで大丈夫?」

「………まあ!すごいですわ。とても、かわいらしいです。キラは本当に手先が器用ですのね!あっという間に完成してしまいましたわ!まるでシンデレラに出てくる魔法使いさんのようですわね。……ありがとう、キラ!」

あっ、物凄く喜んでくれてる。興奮して、ほっぺがちょっと赤くなってる。そんなに嬉しそうにしてくれるんだったら、これは、もっと上手くなりたい。後ラクスのふわふわの髪ずっと触ってたい。

この日からラクスのヘアアレンジをすることが僕たち2人の休みの日の日課になった。なかなか集中力がいるけど、すごく楽しいし、いやされる。この行為は物凄く僕の気分転換になっている。

気がつけば、僕は編み込みを中心にハーフアップスタイルや、表編みを使ったローポニーテール、[※低い位置で結うポニテ]、前髪を編み込んだアレンジや、フィッシュボーン[※四つの毛束を編み込んだ髪型]アレンジを体得していた。

あの休日から、2ヶ月後、世界各地の紛争も少しずつではあるが規模が縮小し、収まりつつある。
ミレニアムは1週間ぶりに補給のため、アプリリウスに帰港していた。今回の予定はスクランブルが入らない限り、明日1日は艦内で整備作業と事務処理。明後日は摘出書類を本部まで提出後、総裁および鑑責任者、部隊長、総指揮官での定例の報告会とミーティングがある。
それが終われば本部での訓練や事務作業が2日ほど予定されているが、全て順調に進めば、その後5日間の休暇に入る。
休みになることはまあ、嬉しいのだけどもそれよりも、明日の夜には家に帰ってラクスとゆっくり過ごせる、という事実が何よりも嬉しい。毎日モニター越しにやり取りをしていても寂しいものは寂しい。休暇日数を含めても8日間は彼女の傍にいられる。これで、浮かれてしまわない訳がない。
今なら何処までも飛んで行けそうだ。
僕は機体の整備作業とプログラム修正、書類作業を急ピッチで終わらせ、予定されていた時刻よりも、早く帰宅した。

夕方の6時頃、誰も居ない灯りのついていない真っ暗な部屋に足を踏み入れた。

ラクスからのメッセージでは4時頃に帰宅予定で、家でご飯を準備して待っていると言う旨の連絡を受けている。…何かトラブルでもあったのかな……。こんな事なら帰る前に連絡して本部まで迎えに行けばよかった…。

弾んでいた気持ちが萎みそうになった、その瞬間、かちゃりとドアが開いた。

「キラ、遅くなってしまって申し訳ありません。予定していた時間より会議と書類決裁が長引いてしまって……。帰りに、お惣菜ですけど、買い出しをしていたら、こんな時間に……って、きゃあ」

久しぶりのラクスだ……。目の前に本物がいる。1週間と1日ぶりのラクス…。僕は寂しさを埋めるようにぎゅっと彼女にしがみついた。
ほんの少し、遅れて彼女が優しく僕の背中を撫ぜてくれた。

「……お帰りなさい、キラ。きちんとご飯は食べていますか?無理をして徹夜などしていませんか?」

「……ただいま、ラクス。昨日も通信で確かめたでしょ?毎日ちゃんと食べてるよ。……昨日は、もう今日か。ちょっとだけ、夜更かししちゃったけど。」

「あらあら、まあ、それはいけませんわねえ。よくお顔を見せて下さい。」

もう少し、抱きしめてたかったんだけど、彼女の気遣いを無碍にする訳にもいかないから僕はしぶしぶ抱擁を解いた。
心配したラクスが僕の両頬を包み込むように手を添えて、顔を覗き込んできた。

ふと、僕の視界に入ってきたのは、

「………ラクス、その髪型………、」

「まあ!気付いて下さいましたの?
……うふふふふ、どうですか?にあっていますか?最近、自分1人でもできるようになったのです!」

いや、可愛いし、めちゃくちゃ上手だよ!正直僕がやるよりクオリティ高いかもしれない。けど、なんて言うか……、ちょっと……。

「……うん、すごく似合ってる。編み込みもしっかり綺麗にされてるし、ほぐし方も絶妙で、後毛の具合もばっちり完璧だよ。……うん、とってもかわいいんだけど………」

「???……キラ?」

「……仕事中いつもその髪型してるの?」

「いつもではありませんわ。気分によってアレンジは変えています。今日は朝、時間に少し余裕がありましたから、このような難しいものにも挑戦できたのですけど、いつものお仕事の日だったらもう少し簡単なものにしていますの。」

うわあ〜、そうきちゃったかあ。何でも研究熱心な僕のラクスはかわいいなあ。じゃなくて、もう、本当に!

あ"〜あ"〜、僕の知らないところで色んなかわいい編み込みラクスを見た人が不特定多数いるってことだよね!!今無性にフリーダムに乗りたい。う"〜むしゃくしゃする……。

「………。
あのさ、ラクス僕たち2人とも休みの日はそれでいいんだけど、普段はいつもの髪型でいて欲しい。」

他の人に見られるのは正直言って嫌だ。実は羽織姿のときのポニテも、うなじ丸見えだから、ちょっと……。いやだけどまあ、そこは仕事だから仕方ないし。ちょっと腹立ってきた。不満。

「僕と一緒のとき以外編み込み禁止。あと、ヘアアレンジは僕が全部やるから。」

「………あらあら、まあまあ。
ふふふっ、キラがそうおっしゃるのなら、そう、いたしますわ!ふふっ。
……あらあ?焼きもちと言うよりは、完成度の問題でしょうか?やはりまだまだ私の腕が未熟なのですわね。」

「……うーん、ちょっと違うんだけどそういうことにしておいてくれると助かる….…かも。」

「……ここはやはり練習……、はキラがしてくれるそうですし、先程禁止されちゃいましたし、まあ、毎朝は時間がかかって大変でしたし、元の髪型にもどす良い機会ですわね。」

ラクスはめちゃくちゃ真剣な表情で思案している。なんか、自分の心の狭さが申し訳無くなってきたかも。でも今日は絶対譲らないから。

「……それにしても、……キラはけっこうおしゃれさんなのですね。確かにご自分で選んだお洋服はたくさんベルトがついているものが、多いですわね〜。こだわりの強いキラも素敵ですわね。」にこにこにこ。

………これ、ちゃんと伝わってるのかな?よし恥ずかしいけど言葉にしてちゃんと伝えよう、

「ラクス、君の特別な姿は1番先に僕に見せて欲しい。……本音を言ってしまえば、全部の姿を僕だけが見ていたい。他の誰にも君を見てもらいたくなんてない。
………本当は君を誰の目も届かない所へ閉じ込めてしまいたいんだ。
………ごめんね。何言ってるんだろう。めちゃくちゃ重たいよね…。」

う"う"う"う"〜、勢いで言わなくていいことまで言っちゃたよー。うわあ、本当にどうしよう。ラクスと目合わせらんない……。

とんとんとん、ふわっ
ちゅっ、

優しく肩を叩かれて視線を恐々ラクスに向けると……視界に黒い影が落ちてきて柔らかくていい香りのぬくもりに口を塞がれていた。
……その後、僕はこの唇を夢中で貪り返した。



   おわり
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