エピローグ 序章


コズミック・イラ78年
全ての悲劇の始まりである血のバレンタイン事件から端を発したナチュラルとコーディネーター達の種族間戦争、アコード達による世界統治未遂、そしてギャラルホルンの権威復活を目指そうとした一人の元セブンスターズから始まった思想間戦争が8年もの歳月を掛けて、遂に終結の時を迎えた。
全人類生活圏を巻き込み、多くの悲劇や憎悪、涙と悲鳴を生み出した戦争は、只々平和を謳歌したい人類すらも巻き込み
数多の死をもたらした。
しかし、人々は報復や憎しみの果てに、何も残らない事を知った。
撃ち合えば、次に撃たれるのは自分の家族や仲間だという事を。
自分達が残そうとしたミームが世界を崩壊させようとした事を目撃した。
冷静になったナチュラル達とコーディネーター達も自分達がどれだけ愚かだったのかを神聖ギャラルホルンを観てやっと全ての人々が気がついた。

戦いに疲れ果てたプラント並びにザフト、及び地球連合軍は「ラグナロク戦争」の終結から半年後、多くの反戦や融和を訴える人々の声に押され旧ギャラルホルン同様に段階的解体が宣言され、更に半年後に地球最後のモビルアーマー達を引き連れたマッド・ハイヤーにより引き起こされた「天使の残滓事件」の解決を機に地球圏内のモビルアーマー殲滅を達成したコンパス二代目総裁アルミリア・ファリドと前総裁ラクス・クラインそしてオーブ連合現国家元首カガリ・ユラ・アスハと後の国家元首トーヤ・マシマの立ち合いの元、改めてナチュラル達とコーディネーター達の間で、
融和条約が遂にC.E.80年に終戦記念調印式と多くの問題を起こしたジャンク屋組合の活動縮小宣言、更に火星連合の初代代表に就任したクーデリア・藍那・バーンスタインの「ヒューマンデブリ禁止令」と共にコンパス地上本部ヴィーンゴールヴにて行われた。
世界の人々は遂に訪れた本当の平和にナチュラルもコーディネーターも火星圏の人々も関係無く涙を流し祝福し受け入れた。

ラグナロク戦争は敵味方とわず多くの犠牲者を出したが、同時に人種を問わず多くの過激派をイオク・クジャンの元に集める事にもなり数多の過激派が全滅又は機能不全に陥り自然消滅して行った。皮肉にも、本来なら更に続くはずの種族間戦争から神聖ギャラルホルンにより思想感戦争に戦いが変わった事でこれ以降は限り無く争い事が減っていく事に繋がったのだ。

軍人を続ける物達は火星圏や金星圏などの宇宙に残存するモビルアーマー殲滅の為に国連軍に改められたコンパスに再編成され、戦いから離れたい者たちは遂に訪れた平和を謳歌するべくそれぞれの帰る場所に帰って行った。

遂に訪れた平和に特に涙を流したのは、やはりキラ・ヤマトだった。約十年にも渡って戦い続け、多くの者を奪われ、奪ってしまった彼は式を終えたラクスの腕の中で子供の様に泣き、ラクスはまるで母親の様に彼をあやし続けた。

鉄華団もカガリ・ユラ・アスハが引退を表明し、新たな元首に
トーヤ・ヤシマが襲名された折りに遂にオーブ国籍を全員が獲得する事になった。遂に辿り着いたアガリに全員が涙を流し、其々の人生を歩んでいくことになった。
MSを降り、農家になる者。
コンパスに残りモビルアーマーを狩る者。
土木整理や建築を学ぶ者。
施設運営に精を出す者。
後継の為、自身の伴侶を探す者。

皆々がそれぞれの道と未来へ向けて歩いて行き、それぞれの人生のゴールを迎えていく。
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