愛していると言って


言葉(?)で愛を伝え合うキララクを妄想しました。
種自由映画後 多分隠遁時空
!キャラ崩壊、解釈違い、誤字脱字要注意!
作中のアコードの能力はIQ5の作者があまりよく分かってない状態で書いてるのでゆるっと読んでくらさい。お花が咲いて春らしくなってきたので浮かれぽんち頭で描いてるよ。桜の木にいる番いの鳥さんかわいいなあ。トリィとブルーみたいだ〜。
キラくんはもっとラクス嬢に愛されてる自信持っていいんだよ!

それでもよろしければ以下本文です。






キララク求愛行動SS

 アウラ・マハ・ハイバル率いるアコード達、ファウンデーション王国が巻き起こした争いが発端となり、月のアルテミス要塞でお互いに『愛している』と言葉にして、改めて想いを伝え合った僕とラクス。

 あれから、3ヶ月……僕たちはそうなるのが当然のように、夫婦となった。毎日ラクスの側で、平和でおだやかな日々を過ごしている。

 そんな幸せの真っ直中にいる僕には最近、少しだけ不満がある……。

 僕は今日も自宅のPCの前で朝から缶詰状態になり、終わらないシステム修正の依頼と格闘していた。
 昼食を摂り、作業を再開して4時間ちょっと。凝り固まった肩をほぐして、目の休憩がてら、ふと窓の外に視線を向けた。

 庭先ではラクスが鼻歌を歌いながら、ハロ達に囲まれて、洗濯物を取り込んでいる。
 楽しそうに、てきぱきと朝から家事をこなすラクス……。
 こんなに平穏な日々が訪れるなんて、嘘みたいだ。
 柔らかな笑顔で歌を口ずさむラクスの姿が眩しく、いとしい。
……いとしい、愛しいと言えば……、

 ラクスにあれ以来、『愛している』て言ってもらってない!

 普段の彼女の眼差しや行動から十分愛情は伝わってくるし、2人でふざけあってる時に、たまに好きとかも言い合うけど、これって頻度は低い方なのかな……?

 それから、そういう触れ合いの延長とか、…エッチなことしてる時は、名前とかめちゃくちゃ呼び合うけど、それどころじゃなくて夢中になっちゃうから意識してなくて、分かんないけど、多分言われてないし、僕も言ってないような……。 

 ラクスだけじゃなかった。僕も言ってないかも、……って今気付いた!
でもそれはそれとして、ラクスに愛してるって言ってもらいたい。

 僕はまったく手に付かなくなってしまった、OSのデータの書き換え作業を途中で放置し、リビングに向かった。

ラクスは窓際の光が差し込んでいる、
ラグの上に腰を下ろして洗濯物を畳んでいる。
 
 僕はラクスにそっと近づき、左薬指にプラチナリングが輝く、彼女の白く細い手の平を、きゅっと握った。

「…あのさ、ラクス……。ラクスはさ、……僕のこと、どう、思ってる?」

「??はい?」

 ラクスは僕の唐突な質問にぽかんとした様子だった。

 …そりゃ、突然そんなこと聞かれたら誰でもそうなるよ…。
 自分で訊いといて、勢いでやっちゃった感が否め無い。

 泉のように透き通った大きな瞳で、じっと僕の表情を見つめたラクスは、ほっそりとした顎に片方の手を添え、しばらく無言で、真剣な顔で思案している。

「……そうですわねえ、キラはとても優しいですわ。静かでおだやかで、…オーブの、春の海のようですわ。
そして、とても強い。
あなたには悲しいことをそのまま、哀しみとしないで、心に包み込み、乗り越えて行く、ご自身の手で未来を切り拓かれて行かれる、決して折れない剣のような強さを感じます。
あとは、少しのんびりさんで、
ぽややんとなさっておいでですわねえ。……わたくしやご家族だけではなく、もう少しだけ、ご自身のことも、周りにいらっしゃる方々のことも、気にかけて大切にして下さると、良いのに、とも思います。」

 ……ぽややん?はよく分からないけど、ラクスからそう思われてたんだ。何か、自分のことだけど自分じゃないみたい。照れ……、じゃなくて!違う!そうじゃない。

 僕は思わず、彼女から手を離して、額に自分の両手を添え、小さく首を横に振った。
 ……どうやったら、ラクスは……、

「あー、ラクスから見た僕ってそんな感じなんだ………。うん、教えてくれてありがとう。……あの、じゃあ、ラクスにとって、僕って何?」

 自分でこんなことを訊くのは、存外照れ臭い。
 僕は頬をかきながら、溢れ出す羞恥心を誤魔化した。

 これだったら多分、愛する夫とか、愛しの旦那様とか言ってくれる……と思う。ちょっと無理やりだけど、これでも満足だから言ってほしい。

 

 ラクスは不思議そうに僕を見ている。
 
 長い睫毛が縁取る薄い瞼を何度か瞬かせ…、きらりと輝く瞳で、ふふふ、と少し笑いながら、僕の鼻の頭を優しくちょんちょんと突いた。

「……キラはわたくしの理想の王子様で素敵な旦那様ですわ。
…時々、わたくしに弟がいたらこのようなかんじなのかしら、とも思います。……ふふ、と言ってもわたくしが3ヶ月早く生まれただけなので、ほんの少しだけですが。
……あとは、志を同じくする大切な仲間であり、とても気の合う大好きなお友だちでもあります。」

 

 うーん、うーん、これは……
めちゃくちゃ嬉しいんだけど、複雑。理想の王子様で、素敵な旦那様って褒め過ぎだよ!ラクス。
 …でも後半の、[お友だち]や[仲間]は兎も角、きみの[弟]ではないよ!僕は。
 弟だったら結婚できないし!いや、結婚はしてるけども。

 
 これも違う!あと一息かこれ。あー、でも十分愛されてるの伝わってくるし、これはこれでいいのかも。
 ……でもでもでも、たまには僕だって言葉で言ってもらいたい。どうする僕。ラクスが中々手強いぞ。

 と思ったのも、束の間で、僕は大分精神的に疲労してきた。
 …慣れない駆け引きなんてするもんじゃないな…。
 それに、こんな風に相手の心を試すみたいなやり方って、人としてどうなんだろう……。

 あの事件から僕は何を学んだんだろう、思っているだけじゃ気持ちは伝わらない。言葉にしなければ、伝わらないんだ…。

 だったら僕がラクスに言わなきゃいけないことは……、

「うん。ありがとう。……ぼくにとっては、ラクスはラクスだから、あ"ーっ、……全然上手く言えないけど、僕はきみの全部が好き。……僕は、ラクスのこと愛してるけど、………ラクスは、言ってくれないの……?」

 僕の情けない告白を聞いたラクスはにっこりと微笑んだ。

「わたくしも、あなたを愛しています。……あなたが何処にいて、どんな姿をされていてもです。
例えば、お着替えのお洋服を忘れて裸でうろうろなさっていたり、お寝坊さんをしてベッドから落下なさっても、ソファの上に丸めた靴下を置いたままにされたとしてもです。
……言葉を欲しがり全力で奮闘されていらっしゃる、かわいらしいキラもですわ。
キラを見ているとわたくしは、それだけで幸せになります。
……キラがキラである限り、あなたが愛しくて、大切なのです。」

「〜っ!!!………。」

 …何これ、破壊力がヤバい。嬉しいけど面と向かって言われるとめちゃくちゃ恥ずかしいし、照れる。
 ラクスに、僕のしょうもない企てが筒抜けだったことも分かってさらに恥ずかしくなる。
 僕は両手で顔を覆い、身悶えた。

 頭を抱えて小さく踞っていた僕の腕にラクスが優しく触れた。

「……キラさえよろしければ、わたくしの意識とリンクを。」

 ラクスはあの宇宙での戦い以来、'あの力'を決して使おうとはしなかった。そんな彼女が今それをしようとしている。
 
 ラクスの行動を僕は自然と受け入れた。

「……うん。きて、ラクス。」

 僕はラクスの両の手の指を絡めるように隙間なく繋いだ。
彼女の額が優しく僕の額に重ねられた。




『僕は…僕も、コーディネイターですから』
『キラです。キラ・ヤマト』
『僕は…僕は、本当は戦いたくなんてないんです。僕だってコーディネイターなんだし。アスランは、とても仲の良かった友達なんだ』
『そうかぁ。相変わらずなんだな、アスラン。僕のトリィも、彼が作ってくれたものなんです』
『黙って一緒に来てください…。静かに。』
『この条件が破られた場合、彼女の命は、保障しない!』
『……ラクス…さん?』
『哀しいよ…。たくさん人が死んで、僕も、たくさん殺した…』
『不思議だなって思って。何で僕は、ここにいるんだろうって思って…』
『僕は、行くよ』
『何もできないって言って、何もしなかったら、もっと何もできない。何も変わらない。何も終わらないから』
『僕たちは、何と戦わなきゃならないのか、少し、わかった気がするから』
『君は誰?』
『ありがとう』
『大丈夫?』
『気をつけてね』
『ラクス?』 
『大丈夫…。僕、もう泣かないって決めたから…』
『僕は、何だったのかな?生まれてきちゃ、いけなかったのかな?』 
『大丈夫。僕は大丈夫だから。ラクス。』
『このまま、君達のことすら守れず、そんなことになる方がずっと辛い。だから、鍵を貸して。』
『僕は、ラクスがいい。いつも凛として、静かだけど強い、そんな、今のままのラクスがいいな。
他の人なんて気にすることないよ。
僕は、ありのままの君が、一番いいと思うから。』
『だめだ!ラクス。きみが宇宙へなんて冗談じゃない!』
『でもラクス、……もし君がっ!』
『やっぱり心配だ、ラクス。僕も一緒に…』
『こうして、君がここにいる。それが本当に嬉しい。』
『ありがとう。これで僕はまた、ちゃんと戦える。僕の戦いを。待ってて。すぐに戻るから。そして帰ろう。みんなの所へ。』
『でも何かしたいと思った時、何も出来なかったら、それがきっと一番辛くない?』
『うん、いいんじゃない?』
『うん、いいと思うよ。』
『あ、そう言う意味じゃぁ………』
『でも、ラクスはこうだからって決められるのは困る。そうじゃないラクスは要らないとか。そんな世界は傲慢だよ。』
『ラクス、発進する。いいね?』
『ラクス、面接じゃないんだから……』
『どうして僕に聞くの?』
『誰かがやらなきゃいけないんだ。』
『終わらせる…!ここで!』
『ラクス…』
『ああ。その目が見えなくなっても、声が失われても、ラクスはラクスだ。僕はそのすべてを愛している』
『なんて、無茶を…!』
『いくよ!ラクス。』
『僕は自分の手で未来を選ぶ…!』

 これは……記憶だ。ラクスの中にある多種多様な僕の姿が流れ込む。それと一緒に、じんわりと温かく、ふわりと包み込むように優しくて、胸がカッと熱くなって、きゅんと締め付けられて苦しくなる感覚がする。心臓がどきどきして、陽が降り注いだように視界がきらきらとする。…ずしりと重力に引っ張られているような感覚もする。そしてどこか仄暗く、底のない暗闇が一瞬見えた。
 ……これがラクスの心なんだ、ラクスの愛だ。

 色々ヤバい。知ってたけど、こんなに僕のこと想ってくれているの知らなかった。
 ラクスは僕に彼女の全部を委ねてくれたんだ。

 いくら家族でも、恋人でも、夫婦であったとしても、別の人間である以上、言いたいこと、言いたくないことは存在する。全ての心の内を曝け出すことなんて、分別のついていない幼子くらいしかしない。
 ラクスはそれを全部取っ払って、僕に対する絶対的な信頼で応えてくれたんだ。

 ラクスの中に僕が存在していることがすごく奇跡に思える。
 ………頭の中が幸福で霞みがかっているみたいに、思考が霧散していく。

 僕は暫く、身動きすることが出来なかった。

「……キラ?」

 遠くから僕を呼ぶラクスの声が微かに聞こえる。何度か呼ばれている気がするが、うまく返事ができない。

「…………………。」

 ラクスに応えたいのに、なんだかぼおーとする。ふわふわとした羽毛に包み込まれているみたいにひどく安心する。透明な膜で一枚隔てられている別の世界にいるようだ。

「キラ!…大丈夫ですか?」

 ラクスが普段の彼女らしからぬ、強引な動作で僕の顔を引き寄せ、上から覗き込んできた。
 
 ラクスがすごく焦った顔をしている。
 …これは、めちゃくちゃ心配かけてるな。

 僕の顔を固定しているラクスの掌の上に、僕は手を重ねた。
 これ以上、彼女に心配をかけまいと、目に浮かぶ涙が溢れないように、一度天井を見上げた。

「ありがとう、ラクス。僕は、君を、……ラクスを愛している。上手く言葉にできないけど、……きみが思っているよりも、ずっと、ずっと………。……どうしよう……。愛してるだけじゃ足りない………」



 気付けば、身体が勝手に動いていた。ラクスの細く柔らかな身体を潰さないように思い切り抱きしめる。
 驚いて目を見開いているラクスが居たけど構わずに、唇にそっと口付けた。
 しばらくして、彼女が息つぎをするためか少し開けた小さな口に舌をねじ込んで、深く貪った。
 どんなに味わっても足りなくて、とうとう洗濯物の山の上にそっとラクスを押し倒した。


   

       
       おわり





※追記※
多分、この後キラさんは行為の最中にラクスのどんなところが好きなのか、愛してるのかをいつもの静けさを完全に忘れて、しっかりねっとりラクス嬢の耳元に囁きます。勘弁してやれよ、ラクス嬢もうでろっでろっのとろとろやぞ。溶けたアイス状態や。そーいうとこだそ。キラさん。いいぞ。もっとやって下さい。
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