no title

「例年より厳しい冬になるでしょう」　車窓から景色を見てるふり
イヤフォンに流れるFMは　近付く故郷の天気予報
破れる夢なら見なきゃ良かった　離れる人なら愛さなきゃ良かった
本音ではないよ　真にうけるなよ　でも後悔はない　なんて言えないよな

白くなっていく景色　霞んで見えないから
トンネルを抜けるまでには　消えろよこんな涙

過ぎ去った景色の数だけ　強くなれるなら　もっと遠くへ
離れてく　嫌いだったあの街に　胸が痛むのは　冬のせい

開くドアの　向こうを見たくて　傷つけてしまった　あの人の横顔
後ろめたい希望で走る列車が　いったいどんな場所に　辿り着いたら

腹の底から笑えるだろう　卑屈にならず　幸せって言えるだろう
答えなんか決して口にはしない　無口な車輪は　ただカタカタと

僕を突き動かすもの　僕を臆病にするもの
いつもおんなじものだった　大切な人の笑顔

過ぎ去った景色の数だけ　強くなれるなら　もっと遠くへ
忘れてた　懐かしいあの笑顔に　胸が痛むのは　冬のせい

点々と家々の屋根　白い斑模様
今が過去に　未来が今に　スピード上げて流れる
止めてくれ　忘れものがたくさんある
それでも列車は　明日へ走る

失った景色を思えば　僕は行かなきゃ　もっと遠くへ
離れてく　嫌いだったあの僕に 　別れ告げるから　強くなるから
もっと　もっと遠くへ