影勝の設定関係メモ


①過去設定#


景勝の故郷と昔#

影勝はいかにも桃がどんぶらこ流れてきそうな日本昔話テイストの不思議の国の村の出身で
めっちゃストロングなお爺さんとやさしくて可愛らしいお婆さんと腐れ縁だけど仲良しのたぬきと一緒に暮らし
野良仕事をして生活していました。
悪友のオオカミとつるんでイタズラして回った結果おじいさんにオーバースローで川に投げ込まれたり
雪の日にお地蔵様を雪だるまにして回ったら夜半におしかけられて説教されたり、カメに喧嘩を売って踏み潰されたりと
まだこのころはオブリビオン(オウガ)の影が無かったことも有りワルガキ全開で楽しい生活していたようです。

一応時計うさぎとして生を受けてましたのでウサギ穴を通じ不思議の国同士や異世界を渡る素質を持ってはいましたが、
村の生活で満足していたので誰かを呼び込むことはあっても自分から外に行くということは余りありませんでした。
そんな彼はですが、一つだけ行きたいと思っている場所がありました。それは見えているのにウサギ穴を通じても行くことができない
遠い遠い「月」でした。
いつか月へたどり着くという事が夢である!と、当時は周囲に公言して憚りませんでした。
周囲はまたウケ狙いで適当なこと言ってるーとけんもほろろな反応でしたが、
本人は大真面目です。あといつも真っ先にツッコむたぬきは不思議と信じてくれてました。勿論、現在もその夢は抱き続けています。

猟兵となったいきさつ#

1.
昔々、その昔。
お爺さんとお友達の兎と、そのお友達の狸がおりました。
老いてなお逞しいお爺さんと、
イタズラ好きでおっちょこちょいな兎と、
ヤンチャだけど気立ての良い狸。
3人は細々とながらも日々を楽しく暮らしておりました。

ある日のこと、兎が一人の女の子を連れてきました。
見たことのない服装や知らない単語を扱う不思議な女の子、
彼女はオウガに追われ、記憶を失いながらも帰る場所を探している様子でした。
知らない世界に飛ばされ命も狙われ、なんと不幸なことか。同情した3人は一計を案じます。
それは彼女を媼(おばあさん)役として匿い、生活しながら元の世界に戻る方法を探るということ。
まだうら若き彼女にはなんとも酷なお話ですが、オウガにとっ捕まって食べられてしまっては一大事、こうして奇妙な4人の生活が始まりました。
2.
幸いにも、3人が暮らしている不思議の世界はオウガの影は少なく、世界の歪みもまだ少ない方でした。
彼女は3人共すぐにうちとけ、すっかり仲良くなりました。
お爺さんは我が子のように可愛がりましたし、狸はガサツで正反対の性格でしたが
不思議と凄く気があったようで。女の子同士というのもあってか、よく楽しく話をしていました。
兎も彼女を気に入り、大事にする一方で「ずっとこの世界で楽しく暮せばいいのに」と思うようになりました…が、口にだすことは無く。
皆で方法を探りながらも少しずつ、年月が経っていきました。
3.
それから…どれぐらいの月日が経ったでしょうか。故郷の扉は見つかる兆候はなく、
時折女の子は寂しそうな表情を見せるようになりました。
薄々感づいていたお爺さんは皆を集め、別の不思議の世界へと渡る手助けをしようと持ちかけます。
寂しいですが仕方のないこと、その胸中は3人とも同じ。
兎は持ち前の足の速さで、そして導き手としての力で次の世界への門へ続く道にオウガが居ないか確かめ、
狸はその賢さでみんなで出し合ったなけなしのお金で隣町に脱出の手助けのための道具を買い出しに行き
その間腕っぷしの立つお爺さんは女の子を守る。ということになりました。
4.
明くる日、3人は互いの無事と成功を祈り出発します。
とはいえ皆で立てた作戦、兎の仕事がちょっと危ないぐらいで特別難しいことはないと思われました。
…しかし、隣町までは往復で早くて1日程度ですのに、狸が戻ってきません。
1日が終わり
2日が暮れ
3日が過ぎても戻ってこないのです。
いくら遅くとも3日は何か、大変なことになったのでは
皆が心配し始めた頃でした
隣町付近まで出かけていたという知り合いの鴉が、彼らに教えてくれました。

「隣町にオウガが出現した」と。

3人共狸が巻き込まれてしまったのではないか、と嫌な予感に襲われます。
ですが直後、いつもどおりの様子で狸が帰ってきました。
何でもオウガに足止めを食らってなかなか帰れなかったのだとか。
皆無事の帰りをたいそう喜びました。そして準備が整った今、決行は間近…自ずと皆の表情に緊張が漲りました。
5.
そして決行前日、お爺さんは何時も通り畑仕事に、兎も何時も通り柴刈りに。
狸は家で最後の準備をすることとなりました。

日が傾き、兎は柴刈りから戻ってきました。
脱出経路もついでに確認済み、あとは決行のみ…そう思うと自ずと家へ向かう足取りが早まります。
ですが…ふと、何かがおかしい事に気づきます。いつものぼっている筈の火の気がありません。

「皆、帰ったぞー!」
早る気から駆け込み気味に声を上げるも…誰も答えません。家はいやに静かです。
瞬時、兎の背筋にぞっ、とするような何かが駆け上がりました。
血の臭い、死の臭い。
一歩一歩、部屋へと歩みを進めます。そこにあったのは…
滅茶苦茶に荒れた部屋。
夕暮れの日さえも霞む、どす黒い赤 。
そして… 倒れたお爺さんと、最早誰かさえも分からなくなってしまった死体。

「……勝…」

いえ、まだお爺さんは息がありました
兎は駆け寄り、必死にお爺さんを呼びながら抱き起こします
しかし、お爺さんは見て分かるほどひどい傷を負っていました。

「翁殿…!いま手当を…!」

必死に抱き起こす兎をお爺さんが制しながら言います

「影…勝…、お染…だ…」

目を見開き、その形相は修羅が如く
絞り出すように語るお爺さんが手を伸ばします

「お染は…既に、「鬼」に…なって、おった…」
「そして…あの子を…アリスを……!」

狸は帰ってきたのではなかったのです。
オウガによってその命を奪われ
そして、人々を喰らい
底なしの悪意で世界を憎む存在として、蘇らせられていたのです。
お爺さんは息も絶え絶えに、無念を滲ませ苦しげに呻きます

「すまぬ…影勝…わしが…付いて、居ながら…!」

「すま…ぬ…」

それが、お爺さんの最後の言葉でした。

「翁…殿…?」
「翁殿…しっかり…しておくれ」
「嫌じゃ…こんなの嫌じゃ…儂を独りにしないで…!」
「アリス…翁殿…お染…っ」
「う、うう…うあああああ…!」

しんと静まり返った赤い部屋に、ただ独り兎の嗚咽だけが響いていました


涙が枯れると、兎は家の庭にお爺さんと女の子のお墓を建て、弔いました。

そして朝早く、兎は旅立ちました。
オウガという存在への復讐のために
そして
悪鬼と化した、かつての大事な友人を止め
その魂を開放するために。


②アイテム#

所持アイテムのエピソード

古びた懐中時計
旅立つ前に、家に残されていた懐中時計を持ち出したものです。
タンスに仕舞われていたので今となっては誰のものか確信が持てないままですが
真に危機的な状況下において景勝の身を守ってくれるので、やはり翁の霊が宿っているのかもしれません。
過去のシナリオでは一度、上杉謙信の心臓を捉えた打突から景勝の身を守っています。


小島に捨て置かれていた一体何の船に使ってたんだ…と思ってしまうぐらい分厚くてとても長い櫂です。
とにかく重く、40~50kgぐらいはあるのでブン回すだけで殺人兵器になります。

在りし日の月の欠片
お染との約束が込められた月の石。露天商から買った偽物なのですがそんな事はどうでもよくて、
「いつか儂が月に行けたら一番先にお染を招待するね」と交わした約束が込められた思い出と呪縛の塊です。
これを身に着けていると不思議な力が働き、何十トンの物だろうと持ち上げ軽々と振り回せるようになりますが、
これを無くすと心が乱れて普段は数トンを振り回せる所が30kgも持ち上がらなくなり、強さが同年齢の人間以下に低下します。

貝の火
王たる者より授けられた宝珠。生涯にこの宝珠を持ち続けられた者は鳥に二人、魚に一人しか居ないと言われています。
彼の兎の友人が落命した時に譲り受けたもので、影勝が王より授けられたアイテムではない為詳しい経緯は不明ですが、
自他の悪意や罪に反応して変色するためもっぱらウソ発見器的な使い方をしています。
絶賛復讐中でオーガ絶対殺すマンの影勝との相性は良くないので、普段や必要としない依頼では身に付けません。
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