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東堂二人の検査は思ったよりも直ぐに終わり、脹相は補助監督が運転する車で二人を連れ家へと帰った。
一目では判断がつきにくいために、車内で我儘な方の東堂を『葵』、そうでない東堂を「東堂」と呼ぶことに決め──どちらが葵呼びを手にするかでひと悶着あったがここは大人しく東堂が折れた──また、葵にはお団子を作らずにポニーテールにしてもらうようにして見分けをつけることにした。

家に帰るなり、脹相は早々に二人を共に連れて帰ったことが間違いだったのではないかと思う羽目となった。葵が脹相に触れようとして、東堂がそれに怒り、またそれに対しても葵が怒り、喧嘩になった末にふたりが出した答えは「『仲良く半分こしよう』」というものである。もちろんこれで取り合っているのがお菓子や食事ならば可愛いものである。しかし、取り合いの対象はふたつに分けることはできない脹相だった。

「…東堂、お前は物分りがいいだろうから、わかると思うが。俺は半分こできない。」
「いいや。出来る。」
「出来ない…、…なぜ距離を詰めてくる…?」
『安心しろ。俺たちに身を任せていればいい。本当はたとえ俺だろうと俺以外にお前が触れることを許したくは無いが、こうなっちまったもんは仕方ない。』
「何が仕方ないんだ、大人しく過ごせばいいことだろう?」

どう諭したところで二人の東堂は聞く耳を持たなかった。あっという間に気付けば寝室まで追い詰められ、脹相はベッドに押し倒された。

『なぁに、無理はさせん。安心しろ。』
「あぁ。俺たちがお前に酷いことをしたことがあったか?」

前門の虎、後門の狼。そんな諺が脹相の頭を過り、脳内で真依が『前門にいるのも後門にいるのもゴリラじゃないの』とツッコミを入れた。三人分の体重を受けたベッドが嫌な音を立てている。脹相は喉を鳴らして、この後自分に降りかかる災難に覚悟を決めた。



「ぅ゛んッ...、は、ッ...、ぇあ゛っ...」
「あぁ...上手だ、脹相...上達したな...」
『俺が教えこんだからな。...気持ちいいか?』
「んん゛ッ♡ぅ、あっ、きもちぃ...っ♡」
「脹相...、口が止まってるぞ、頑張れ。」
「ん、ぐっ...♡」
『俺の指が気持ちよくてお前なんかどうでもいいそうだ、悪いな。』
「あ?勘違いも程々にするんだな、こいつは元々口淫は不慣れだろうが。」
「ぅ゛、けんか、は...ッ、ぁあ゛っ♡」
『はー...そうだな、“仲良く半分こ”だからな。』

脹相は四つん這いの体勢で葵に指で弱い所を責められ、東堂の陰茎を咥えさせられた。咥内の粘膜と胎の粘膜を同時に擦られ、その上呼吸が狭められ、頭上では二人の東堂が言い争っている。頭がおかしくなりそうだった。
東堂が手を伸ばして胸の突起をつまんだり撫でたりとし始めれば、葵は対抗心から脹相の陰茎を扱き始める。弱い箇所を全て同時に責められる状況に、脹相は葵の指を締め付けた後に身体を震わせて達した。

「ん゛、う゛ッ、ッ〜〜〜...♡」
『イったか?...可愛いな、脹相。』
「どこが気持ちよかった?」
「えぁっ、あっ、手、止めっ...♡イ、った、からぁっ...♡」

射精したばかりだというのも関係なく前立腺から陰茎、乳首を責める手は止まらなかった。太腿を大きく震わせて、脹相は再度中イキをさせられる。それでも、答えるまで東堂は許してくれなかった。

『どこが良かった?』
「教えてくれ、脹相。」
「あ゛っ、あ、ぜんぶっ...!ぜん、ぶ、気持ちいい゛ッ...♡」
『全部、か』
「勝負がつかねぇなあ。」

勝手に人の身体で変な勝負を始めるなと叱りたくても、その余裕は与えられない。葵が指を引き抜いて、脹相を仰向けにさせてから陰茎を肛孔へと擦り付けた。

「おい、ゴムはつけろ。」
『後で掻き出すから問題ねえだろう、...俺のもんだと分からせたい。』
「ぁ、うっ...♡いま、いやだっ...♡」
「ふざけるな、仲良く半分この約束はどうした?」
『ならお前もあとから中に出してやりゃいい、...聞き分けのいい俺には難しいか?』

葵は馬鹿にしたように笑いながら、脹相の肛孔へと陰茎を突き立て深くまで填めた。絶頂の余韻から抜け出せないままさらなる刺激を受けた脹相は、背中を反らしてまた達した。そんな姿を見て、東堂は舌打ちを打った後に脹相の顔へと陰茎を擦り付ける。

「...舐めてくれ、脹相。舌、出せ」
「え゛っ...あ、はっ...♡」
「そうだ、上手いな...。」

東堂に頬を撫でられ、脹相は表情を蕩けさせた。東堂の大きく温かな手が心地よかった。
そんな様子を見て苛立ちを感じた葵は脹相の膝を肩に掛け、腰を持ち上げて思い切り突き上げた。その途端脹相は悲鳴じみた嬌声を上げて、東堂の腕を縋るように掴んだ。

「お゛ッ...!?♡あ゛っ、ああ゛ッ♡」
「...よしよし。脹相...気持ちいいな...。頑張って、舐めてくれ。」
「へ、あッ♡ぉお゛ッ♡あお、いっ、腰止めッ♡あ゛ぁ〜〜ッ...!♡」
『止める、わけ、ねえだろ...っ、あー...クソ、締まる...ッ』

懸命に舌を伸ばして舐めようにも、突き上げられる度に気が飛びそうな脹相には難しいことだった。東堂は息を吐いて、晒されたままの舌や顔のおうとつへと裏筋を擦り付けながら両胸を親指で潰してからつまみ上げた。脹相はぐんと身体を弓形にそらし、それによって東堂側へと顔を向ける体勢になる。東堂はそれを見て、脹相の後頭部を手で支えながら咥内へと陰茎を嵌め込んだ。

「ぉ゛、こ゛ッ...♡」
『おい、あんま無理させるな。息できねえだろうが。』
「鼻は塞いでない、...っは、...いける、だろ...」
「ん゛ご、ぉ゛ッ、お゛ぉ゛ッ...♡ぉえ゛ッ、ッッ...♡♡」
『吐きそうになってる、動かしてやるな。』
「お前が腰を、振るから、脹相の頭が動いちまってんだろうが...!」
「ッ、お゛っ♡んぶ、っ♡〜〜〜ッ♡♡」

葵が突き上げられ、その度に体が揺れ、脹相は喉の奥まで嵌め込まれた陰茎を自動的に扱く羽目となった。喉奥に来る度に反射的に嚥下しようと身体が働き、更に奥へと陰茎を誘い喉を閉めてしまう。その度に東堂は強い快楽を受けて、よりそれを求めて腰を押し付けた。東堂の腰を掌で何度も叩いていた脹相だったが、酸欠になりはじめたところで縋るように爪を立てる。しかし、東堂はそれに構えるほどの余裕を持っていなかった。

「くっ、...は、やばいな、イきそうだ...っ、」
「ぉお゛ッ......♡ッ......♡♡」
『は、脹相...っ、奥、入れるぞ...。』
「ッ、〜〜ッ♡」

葵の声が遠くに聞こえて、脹相はせめてもの抵抗として小さく足をばたつかせた。それでも葵は脹相の細い腰骨を掴み、行き止まりの壁をごちゅごちゅと突いたあと、その奥へと陰茎を嵌め込んだ。

「お゛ッ、〜〜〜ッ♡♡」
「ぐ、ぅッ...!?」

脹相のつま先がピンと伸びて、全身が強ばり喉奥と腸壁がきつく締めあげられた。同時に東堂が身体を大きく跳ねさせ引き抜く間もなく脹相の咥内へと精液を飛ばしてしまい、慌てて腰を引いたところで喉から逆流し咥内から溢れ出た精液で脹相の顔は塗れ、その光景に二人の東堂は同時にごくりと喉を鳴らした。

「...馬鹿野郎、お前が勝手なことばっかりするから...、...おい、大丈夫か?脹相、息できてるか?」
「ぁ゛っ...♡ん、く......ッ♡♡」
『蕩けちまってるな...エロすぎる...、...とはいえ、お前はイき俺はイかなかった。この勝負、俺の勝ちだな。』
「いつからなんの勝負を始めてやがる...」
『脹相、おら、起きろ。』

葵が腰を揺さぶって結腸を刺激してやると、脹相は喘ぐ気力も尽きたのかただ東堂の手首を掴みながら腰をうねらせた。真っ赤な顔が白濁の体液に塗れているのも相まって、葵も自然と腰の動きを早めて行った。

『脹相っ...、はぁっ、...気持ちいい、なっ...』
「ん゛っ...♡ぉ゛っ...♡♡ぁあ゛っ......♡」
「...脹相、手離してくれ、顔拭いてやるから...」
『勿体ないことすんなよ...、...っ』
「ぅん゛ん゛ッ...♡ぇあ゛っ......♡っ、ッ...♡」
『お、またイったな...、は、脹相...俺もイきそうだ...っ』

下腹をびくつかせて腰を反らした脹相が達して、それに釣られるように葵も脹相の胎の中へと精液を飛ばした。そんな姿を見て、達した直後だと言うのに東堂は再度陰茎に血液が溜まっていくのを感じ、葵の肩を押す。

「...終わっただろ、代われ。」
『休ませてやらなくていいのか?』
「...、......」

意地悪く笑った葵が、挑発するように東堂へと問いかけた。東堂は荒い呼吸を繰り返し胸を上下させる脹相へと視線を下ろす。愛しい恋人に無理をさせたくないという気持ちがないわけではなかった。

「...脹相、もう嫌か?...無理なら、やめておこう。風呂に連れていく。」
『おい、本当に諦める奴がいるか?据え膳食わぬは男の恥とかつてのマリーアントワネットも言ってただろうが。』
「間違ってもマリーアントワネットが言う言葉じゃねえだろ...」

呆れたように息を吐いた東堂がティッシュをとって脹相の顔を拭ってやると、脹相が弱々しくその手を掴んだ。二人分の視線が脹相へと集まる。

「はっ...♡ん、っ...、と、うど...」
「...おう、どうした。」
「お前、だけが、我慢するのは...よくない...、っ♡おまえも...、...おいで...。あおい、も...、こっち、に...きて...ちゅー、しよう...♡」

「......。」
『......。』

脹相が無理をしているのは明らかだったが、蕩けた表情で懸命に笑顔を作りながら誘うのを見て東堂ふたりが耐えられるはずはなかった。
ありがとう、マリーアントワネット。と二人は的はずれな感謝を脳内で述べて、目の前の据え膳に手を出した。
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