おくすり飲めたね


待機スレ26の流れから拾ったもの
 オチはないです
 逆の言葉喋る薬ネタ
 修正多すぎるのはごめん


 最初、アニキは自分が何を言ったのか気づいていない様だった。
 滑らかに発された言葉に固まったおれに首を傾げて、聞こえた暴言を自分が出したものだと気づいた瞬間カップが落ちて絨毯に紅茶がぶちまけられ距離をとるように離れる。
 おれを見る瞳の中に自分が今どんな表情をしているかが写った時思ったのは対処を間違えたことへの悔やみだ。
 弟の一瞬でも浮かべた顔を見てこの狂い終わった兄のとる行動など一つしかないからだ。

「やめろ!!」

 アニキが立ち上がり手元に立てかけられていた大鋏のカロリナを手に取ると迷わず首を斬る──直前に能力で止めようとするが弾かれてしまった。なんとか直接手を掴んだが力は拮抗するどころかギリギリと動き続けている。
 困惑の色を浮かべる男はなにも分かっちゃいない。

「はなさないで」
「殺してやる」

 二つの矛盾した台詞に大体の今の現象を理解する。
 重ねてしまった言葉に青ざめて己に向けられた殺意で更に手に力が込められていく。じわじわと動くカロリナとアニキの間に自身を砂に変えて盾にした。
 
「とまれって言うのが聞こえねェのか馬鹿な真似はやめろ⋯⋯おれごと斬り裂くつもりか?」

 砂に動揺して一瞬止まったを見逃さずにカロリナを遠くに放るとソファに座らせ、以前渡されて引き出しに入れたままだった飴玉の包装を破くように開けて無理やり手を取る。

「落ち着け」

 アニキの瞳と同じ色をした飴をジッと見て何かを喋ろうとした唇はそのまま震えた息を吐き出すだけだった。流石に鈍いアニキも仕組みには気づいたらしく頷くだけだったがそんなモノは欲しくない。

「原因を見つける。ここで少し待ってろ⋯⋯勝手な行動はするな」

 無言で項垂れているのにイライラする。念の為裁縫道具を出させて奪い取りカロリナを背負うと机の上のティーポットや落としたカップ、さっきまで食べていた菓子をトレイに乗せていく。能力者の仕業なら厄介だが薬だったとしたら耐性の有るはずのアニキに効いたのだからもっと問題は大きくなる。

「クロ」

 名前は普通に呼べただけでホッとした顔をするアニキに

「余計なことしてたら先一ヶ月甘味禁止だ」

 という訳が分からないがアニキには効果を持つ命令をして部屋を出ていく。そんなことする事がないとお互い分かりきっていてもアニキは動けないだろうが。
理由はわからないがいつものアニキへ向ける苛立ちとはまた違った感情が湧き上がっていて今にも部屋へ戻って怒鳴りつけたくなるが今は犯人を見つけ出して縊り殺すことだけを考えることにした。
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