トマトを採ります


某掲示板から農作業キララクSS
キララクイチャイチャスレの≫168様の農作業着ラクス様に脳を焼かれて。ありがとうございます!大好きでーす。
種自由映画後、多分隠遁時空。
!キャラ崩壊、解釈違い、誤字脱字要注意!
作中の農作業描写は身体を酷使する重労働が大嫌いなIQ5くらいの作者が、昔の体験をうろ覚えで描写しています。
それでもよろしければ以下本編です。




キララク農作業SS

陽が顔を出し始めた爽やかな夏の早朝、キラとラクスはトマト畑の収穫作業に勤しんでいた。

慣れないながら春先から畑を耕し、苗を植え、成長に合わせ、除草を行い、肥料を与え、支柱を立て、わき芽を摘み取ったりしながら2人で丹精こめてお世話をしてきたトマト。

彼らは麦わら帽子を被り、虫除けの網をつけ、作業着に身を包み、軍手をはめ、長靴を履いている。正に農作業に相応しい重装備である。
真っ赤に実ったたわわな果実を剪定用バサミで慎重に切り、背中に背負ったカゴに次々と収めていく。カゴの中が満たされれば、軽トラックの荷台に載せた小さめのコンテナまで置きに行く。
黙々と2人で反復作業を繰り返し、気がつけばコンテナは3つ分が満杯になっていた。

休憩をとりつつ、だんだん日が昇り切ってくるので撤収作業に入った。
重装備でやっているのでそれなりに暑い。作業に一区切りがついたため、キラとラクスはそれぞれ、麦藁帽子を取り、汗を拭いている。
ラクスは首に巻いているタオルで汗を拭きながら、クーラーボックスから飲み物と野菜の浅漬けを取り出し、空いている荷台の片隅を使い、簡易的な休憩スペースを準備した。

「たくさん動いたので、汗をかきましたね。はい、どうぞ。」
彼女の日に焼けていない真っ白な手のひらから、よく冷えたお茶が手渡された。
「ありがとう。ふうー、だいぶ頑張ったねえ。ちょっと腰にきたかも。」
キラはお茶を飲み、一息つきながら、爽やかに笑い、身に付けている作業着の袖で汗を拭おうとしていた。

「……あら、あら、うふふふ、キラ、少し屈んで下さいな。」
ラクスは、優しくタオルでキラの額に滲む汗を拭った。

「ありがとう〜。ラクス。うわあ、汗まみれだあ。帰ったらシャワー浴びなきゃだね。」
キラはラクスと、ぐんと距離が近づいたため、若干匂いや、汗が気になるようだ。けれども彼は嬉しそうにデレデレとあせを拭いてもらっている。

「そうですわねえ。このお天気でしたら、お洗濯物もあっという間に乾きますわ〜。……今日も暑い1日になりそうですわね。」

……キラはラクスを改めて見つめた。こめかみから首筋にかけて拭い切れていない汗がたらりと一筋つたっている。
彼は反射的に顔を近づけてペロリ、と汗を舐めとった。

「ひゃあ!」
顔を真っ赤に染めたラクスが目を丸くしてキラを唖然とした表情で見ている。

「〜!」 
ラクスの頬が丸く膨れている。どうやらそうとう、ご機嫌斜めの様である。
彼女はキラの両頬を思い切り引っ張った。
「……らあくぅすさあーん?」

「いくらキラでも、それはダメです!
この次やったら、本当に怒りますからね!」 ぷんすかっ

彼は、少し困った顔で微笑みを浮かべラクスの手を握りながら、謝った。
「ごめんて。……だってラクス、いつもよりいい匂いがして美味しそうだったから。」

「〜!!!キラっ!」
ぽこすこぽこすこ、ラクスは弱々しい拳でキラの胸元を殴打していく。

「わあー、ごめんて、本当に。痛いよお、ラクス〜。」
キラは微塵も痛さを感じさせない素振りで、にこにこしながらラクスの拳を受け止めている。

少し冷静さを取り戻したのか、取り乱したのが恥ずかしかったのか、ラクスはごまかすように、咳払いをした。

「……こほん、まったく、汗まみれの人から良い香りがする訳ないでしょう?…………それに、な、舐めとるなんて色々と不衛生でしょう?」

「ええ〜?ラクスはいつでもいい匂いするよー。それにラクスに汚いところなんて存在するの?」

「……そういうことを言っているのではないのです!とにかく、汗を舐めるのは禁止です!」
彼女は真っ赤になり、珍しく髪を振り乱し怒りを露わにしている。

(……だって、夜とかラクス気付いてないかもだけど色々舐めちゃてるし。)

現在の時間は爽やかな夏の早朝である。

「………うーん。ちょと約束はできないかな……。」

「キラっ!!!」
ぽかすこぽかすこぽかすこ……

2人のおだやかな戯れは日が昇りきるまで続いた。

これを見せられ続けた畑のトマト達は真っ白な灰となったがさしたる問題ではない。

     おわり
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