はじめに#
ここは「淀橋」とかいうゴースト作者が「伺か・伺的 [第1会場] Advent Calendar 2024」のためだけに作ったペラペラ1ページのWEBサイトです。
この記事は20日目の記事になります。前日はマグロニウムさんでした。明日はななっちさんの記事になります。
「伺か・伺的 [第1会場] Advent Calendar 2024」のURLも貼っておきます。
https://adventar.org/calendars/10049
何の話をするのか#
X(旧Twitter)で言及していた自身の作ったゴーストの設定資料集の中間報告をします。
https://x.com/Yodo_drk/status/1793962134696820883
こんな感じの内容になる予定だよ、という雰囲気だけでも感じ取ってもらえれば幸いです。
以下、現時点で書き終えている設定をまとめたものになります。
ゴーストマスカレード参加ゴーストについては、あとがきにて書いた内容と被る部分もあります。予めご了承ください。
パスタの魔法#
基本情報
名前(名前の由来) : ペネローニ(ペンネ+マカロニ)
誕生日(年齢) : 出自不明のため記録無し(68歳)
性別 : 男性
好きな色 : 緑・青(得意とする魔法の呪文傾向も同様)
好きな食べ物 : パスタ(スパゲティ1.4mm)
趣味 : パスタ魔法の研究・読書(魔法に関係する文献)
よく観る映像物 : 遠見の魔法による多元宇宙の観察
よく聴く音楽 : 都市で流行の大衆音楽(こちらの世界で言うところの「バラッド」)
作るきっかけ
このゴーストを作ることになったきっかけは、友人との通話中に話題になったちょっとした冗談でした。
合作ゴーストなどの更新作業の際に通話を繋いでいることが多いのですが、夕食時になるとたいていパスタの話になるのです。
パスタ、作るの楽ですから。
そんなわけで「パスタはいいぞぉ」などと適当なことを宣っていたら何となく愉快だったので「パスタのトークをするゴースト」を作ることになりました。
ちなみに、当ゴーストはゴーストマスカレード4に向けて作った作品でした。
なんかいろいろ忙しかったのでだいたい残された時間は一週間ほどです。
短期間でそれなりの量のトークを作る必要がありました。しかもパスタで。
パスタなトークの作り方
自慢じゃありませんが、自分は面白いトークなんて書く自信がありません。
短期間で、しかもパスタで。
トークを書くのは大好きなのですが、それだけで人を惹きつける自信がなく、結果としてそれまでは何らかのギミックに頼って工夫してきた節があります。
しかし、今回はギミックを仕込む余裕がありません。
ですが、工夫はできると思ったわけです。
トークを書くならトークの書き方を工夫すればいい、と。
悩んだ自分がMTGのフレーバーテキストに辿り着くのにはさほど時間を要しませんでした。
MTGというのは「Magic: The Gathering」と呼ばれるトレーディングカードゲームの一種です。
ゲームとしての面白さもありますが、私は専らその美しいイラストと壮大なストーリーに魅せられたコレクターでした。
その魅力的なストーリーを引き立てる要素の一つにフレイバーテキスト(そのカードの雰囲気や世界観をあらわすために使われる風味付けのテキスト)があります。
皆さんがご覧になった通り、そのテキストの中には名言っぽいものも多分に含まれているのです。
それをお題にトークを書く。オチは全てパスタに任せる。それが私の思いついたアイディアであり工夫でした。
後は簡単でした。手元にあるカードの束から適当に一枚引きます。
読みます。トークを書きます。パスタを食べます。その繰り返しです。
一線を退いて只の紙束となっていたカード達が立派なお題箱として機能し始めたのです。
自分でもちょっと感動しました。
足りない部分は友人に好きなフレーバーテキストを訊ねて書き足しました。
遊んだことがあれば誰しも好きなテキストのカードくらいはあるもので、おかげでいくらかトークが増えました。感謝。
白衣のエルフになったわけ
さて、トークを考えながら私は一つの問題にぶち当たりました。
シェルです。
ゴーストの根幹をなす要素の一つです。
私は絵を描くタイプの開発者ではないので、シェル選びはゴーストを作るときの楽しみの一つでありました。
小難しい理屈を捏ね回しながら、それらしいトークを喋り散らし、しかし最後は必ずパスタに帰結する。
そんなトークにぴったりのイメージ像は既にパスタでトークを作ろうと考えた時からありました。
ゴーストのシェルの中には複数のゴーストに共通して使われているものがあったりします。
今回のシェルもその類です。なにせ歴代ゴマカレーで使われているのですからこれほど由緒正しいシェルもありますまい。
当時の感想の中にも「このシェルすきー」という声が多く見受けられましたから、改めてここで多くを語らずとも賢明な読者の皆様であれば既にお判りでしょう。
ワタシモコノシェルスキー(裏声)
いつかイケメンゴーストを作りたかったので良い機会になりました。
ちなみにサムネイルはわざわざ表情差分を追加して作った自慢の一品です。
手が込んでるわけではないですが勢いはあると思います。
さてさて、しかし私のようなフリーシェルユーザにとって、既に使われているシェルを使うというのはある程度大きな意味を持ちます。
先人がいるという気恥ずかしさと、ネタが被るということへの忌避感。
それらがなくはなかったです。
でも、一度思いついてしまうと、このシェル以外ではこのゴーストは成立しない気がしてきました。
それくらいこのシェルは考えていたパスタゴーストのイメージにぴったりだったのです。
改めてシェル作者様に感謝。
いざシェルが決まってからトークを書いてみると、まるで湯水のように湧いてきました、パスタが。
そりゃもう時間が許すのであれば際限なくトークを書ける気がしたものです。
もちろん実際にはそんなことなく、程よいところで切り上げることとなったのですが。
しかし、トークを書いていた時の楽しさは本物でした。
得意げな顔で意味がありそうで意味がないことを言うの楽しい!
企画に提出する頃には立派なパスタが出来上がっていました。
ペネローニについて
残るはリードミーのみ、というところでちょっと欲が出てきました。
「せっかくだし、このエルフもカードにしてやろう」と。
オリカです。
今時中学生でもやらなそうですね。でもやりたかったんです。
ここからはちょっとMTGの突っ込んだ話になります。あんまり意味はないので読み飛ばしていいと思います。
私はカードゲーマーとしては一線を退いていましたが、現役時代に使っていたカードを使用して遊ぶパーティゲーム「統率者」は未だに遊んでいます。
今回モデルにしたのもその統率者セットに入っていたカードになります。
その名前は「料理長、ギヨーム/Gyome, Master Chef」。魔法学園ウィザーブルーム大学の食堂の料理長です。
美味しいけど量が多すぎるご飯を作ることで評判のトロールの料理人。素敵フレーバーですよね。
今回はパスタを作る魔術師ということだったので、参考にさせていただきました。
考えるにあたって重視したのは「自然な強さ」でした。
リミテッドでは強そうだけど構築では使われなさそう、みたいな強さがリアルだと思ったのです。
実際ユーザの中には似たような感想を持ってくれた方がいたので、この試みは成功したのかな と思います。
カードゲームのカード効果というのは往々にしてそのカードの設定をモチーフにしていることが多いです。
このカードもその要素がある程度含まれています。
>Peneroni,the quester for pasta / パスタを探究せし者、ペネローニ
パスタです。今更言うまでもありませんね。
名前はペンネとマカロニを合体させました。
雑ですまない。
>〔1〕〔緑〕〔青〕
マナコストです。
重すぎず軽すぎずというラインのシステムクリーチャーを目指しました。
緑がエルフ要素で、青は魔法使い要素ですね。
>伝説のクリーチャー - エルフ〔Elf〕 ウィザード〔Wizard〕
エルフにすることはシェルの時点で決まっていました。
ウィザードは曲者感を出すための演出です。
後は固有色を出すために伝説のクリーチャーにするなど。
>あなたの終了ステップの開始時に、あなたがこのターンにあなたのコントロール下で戦場に出した、トークンでないクリーチャーの数に等しい数の無色の0/1のパスタ〔pasta〕・アーティファクト・クリーチャー・トークンを生成する。
来客にパスタを用意してくれる能力です。
パスタは茹でるのに時間がかかるため。出てくるまでにタイムラグがあります。
パスタは食べ物なので殴れません。
でも彼がその気になれば魔法で相手を"踏み荒らす"くらいは可能かもしれませんね。
>〔T〕,パスタをX体生け贄に捧げる - パスタを探究せし者、ペネローニの上に+1/+1カウンターをX個置く。あなたはX点のライフを得る。
貴方と一緒にパスタを食べます。一緒に食べるのが大事なのです。
食べたらお腹いっぱいになるので横になります。
食べたら休む。これは大事なことです。
>1/3
本人はあまり戦闘が得意ではない、という設定にしたかったのでパワーは控えめにしました。
いかにも魔法使いっぽいステータスになったのではないでしょうか。
自慢の栄養満点マジカルパスタを食べればその限りではありませんが。
>さぁ、フォークを手に取りパスタを食べよう!
フレーバーテキストです。
パスタなのですから味は大事にしたいものです。
質疑応答
いただいた質問に対する回答です。
>作者が今日のパスタを決めるために作ったゴーストですか?
残念ながら(?)そういうわけではないです。
実はパスタをランダムで作ってくれる機能は後発で付いたものであり、公開当初はまだありませんでした。
この機能は、後日「ランダムにいろんなパスタを勧めてくるようにしたら面白いな」と思って付けました。
ちょうどパスタのレシピならネット上にたくさん転がっているので、いっぱい集めてきました。
この記事を書いた時点で276種類のパスタが記録されています。
その全てが私の独断で選んだ「美味しそうなパスタ」です。
完全に私の好みで選んでいるので、ペネローニが出してくるパスタなら私はなんでも美味しくいただけます。
>ユーザが風邪をひいたら看病してくれますか?
極めて丁寧に看病してくれます。ペネローニにとってユーザは貴重な実験体なので。
……というのはあくまで建前で、基本的に彼は情に厚いので自分の研究に付き合ってくれているユーザに対しては優しいです。
もともと彼の専攻しているパスタ魔法は周りからは理解されず、孤独な研究生活を送っていました。
それ故に、今回のユーザのような協力者がいるのは彼にとって初めての経験であり、ユーザはけっして替えの利かない人材であるというわけです。
そういうわけなので、実験体と呼びながらもユーザに対してはかなりフレンドリーに接してくる彼とこれからも仲良くしてやってください。
>ユーザの名前は適当に決めたものですか?
初期ユーザ名はMTGのカード名のパロディです。
どれも元のカード名をパスタ風にアレンジしています。
それぞれの元ネタは
「初めて欲した乾物、加煮麻呂」
→「初めて欲したもの、仇麻呂」+カニマロ(マカロニのアナグラム)
「短大なる者、マキャロニ」
→「寛大なる者、アジャニ」+マカロニ
「憤湯の天使、カッペリーマ」
→「憤怒の天使アクローマ」+カッペリーニ
「製麺の魂、ラザニャー」
→「精霊の魂、アニマー」+ラザニア
「湯切りの賢者、パスタン」
→「遺跡の賢者、アノワン」+パスタ
以上、5種類。
カードの選出基準は適当です。特にお世話になったカードというわけでもありません。
あまりに適当だったため、この度設定資料を書くにあたって元ネタを思い出すのが大変でした。
>パスタの魔法の「魔法」とは何を表していますか?
MTGの世界観における「呪文」を意味しています。
MTGのルールでは、凶暴なクリーチャーも、神話時代のアーティファクトも、摩訶不思議な魔術も、全て呪文としてカードで表現されています。
この呪文をかき集めて作られたものがプレイヤーの使うデッキであり、デッキを操るプレイヤー一人一人が呪文使いなのです。
そんなわけで、ありとあらゆるものが呪文で表現される世界なのでパスタを生み出す呪文があってもいいじゃないかと考えまして。
ペネローニの専攻するパスタ魔法はこうして生まれました。
>彼にパスタ以外のものを与えても平気ですか?
平気です。
もともとは彼もエルフの里に住んでおり、そこの風俗に従った食事をしていました。
別にパスタ以外のものを食べたら死ぬ体質というわけではありませんし、与えられたからと言って憤慨したりもしません。
ちなみにエルフの食生活は、自然の恵みである植物や果実を中心としたものになります。
無益な殺生を嫌う故に動物の肉などは基本的に食しません。
しかし、ペネローニは里を追放された破戒エルフなので、今では肉入りのパスタも食べます。
>ペネローニは一生そのパスタしか食べられないとしたらどのパスタを選ぶか
ボンゴレビアンコです。私が好きだから。
パスタをランダムで作ってくれる機能のところでも述べましたが、基本的に彼のパスタを選ぶ基準は私のパスタの好みに準拠しているので、私の食べたいものが彼の食べたいものです。
彼としては、もともと森育ちなので魚介類は新鮮な感じがして好きなのかもしれません。
そのせいかランダムパスタもやや魚介類の具が多めです。
>生い立ち(どうやって今の場所に辿り着いたのか)
これについて語るにはMTGの世界観について少し踏み込んだ話をしなくてはなりません。
MTGの世界は「多元宇宙/Multiverse」と呼ばれる設定があります。
これは無数の「次元」と呼ばれる異世界が存在する集合体を指していて、各次元は生態系・文化に相違があるのはもちろん、時として物理法則にすら違いが見れらます。
イメージとしては、広い宇宙(多元宇宙)に様々な種類の人類が住む星(次元)が存在する感じだと思っていただければ。
ペネローニは、この数多くある次元の一つの小さな森、エルフの里で生まれました。
その里は閉鎖的で厳しい戒律のもと成り立っていました。
彼の物語は、その戒律を破ってしまい里から追放されるところから始まります。
トークの中で話される様々な世界(次元)の話は、追放されてからの旅の中で彼が経験した内容を語っている感じです。
その後、長い旅を経て彼は「ドミナリア」と呼ばれる地球によく似た次元に辿り着きます。
今の彼がいるのは、ドミナリアにあるアカデミーと呼ばれる魔法学院です。
彼はそこで魔法の腕を買われて、教鞭をとることを条件に研究室を借りて使っているというわけです。
>パスタの魔法を研究していることに対する周りの反応
周りの反応は冷ややかなものです。アカデミーの一部の生徒からは面白がられていますが。
せっかくの魔法の才能をパスタに全振りしてるので、さもありなんという感じです。
研究室を使うことは先に話した教鞭をとることを条件に認められていますが、研究予算はだいぶ渋られています。
周りから理解を得られない研究、それ故に唯一と言ってもいい協力者であるユーザの存在は特別なわけです。
>ペネローニがパスタを好きになった理由
故郷の森を追放されて行き倒れていた時に食べさせてもらったのがパスタだったからです。
空腹の体にパスタはよく馴染み、いたく感銘を受けたペネローニの心にそれは深く刻み込まれました。
「あの時の美味しい食べ物をもう一度食べてみたい」その一心で彼は旅を続けます。
その後、「アルケヴィオス」と呼ばれる次元で彼はパスタと運命的な再会を果たします。
そこの料理長からパスタの作り方を習い、魔法学院で魔法を学び、今のペネローニが形成されていく感じです。
>パスタ以外を食べるとしたらどんなものを食べるか
好きなパスタのところでも語った通り、彼は魚介類が好きなので海の幸が多めです。
先述の料理長から料理を教わっているので、ある程度の自炊はできます。
魚のムニエルやフライあたりを作ることが多いという設定です。
ただ、基本的にはパスタを毎日食べているので、これらを作ることは稀です。
SNSで出会った迂闊なあの子#
基本情報
名前(名前の由来) : 尾白 栞里(SHIORI+里々)
誕生日(年齢) : 3月3日(17歳)
性別 : 女性
好きな色 : 薄いピンク
好きな食べ物 : 若鶏のディアボラ風(サイゼリヤの)
趣味 : 伺か・食べ歩き
よく観る映像物 : アクション映画(お気に入りは『ポリス・ストーリー/香港国際警察』)
よく聴く音楽 : YOASOBI・ヨルシカ・島谷ひとみ
作るきっかけ
このゴーストは「アドとミラ」でお馴染み「竹柏林」さんが公開してくださっているフリーシェル「white_girl_like」に一目惚れして作ったゴーストです。
主に以下の理由からこのシェルを使うことに決めました。
・可愛らしさと無防備なえっちさが同居したビジュアル
・後ろ向きの差分がある(お尻が見える)
・上からボン ムニ バァーン!の核兵器ボディ(大事)
シェルを見た瞬間から迂闊なあの子の「迂闊」要素がパッと浮かんできた感じです。
迂闊ボディ過ぎる……。
とはいえ、制作開始当初このゴーストはシンプルなトークをするだけのゴーストの予定でした。
特になんの設定もなく、可愛らしい女の子がひたすら日常の素朴な疑問を口にするゴースト、そうなる予定たったのです。
しかし、実際にトークを書き始めると少しずつ違和感を覚えるようになりました。
やはり、なんというかインパクトが足りないかなという気持ちと、あと後ろ向き差分があるのにお尻に触れないのはいかがなものかと。
とはいえ、このシェルを安易にエロゴに使うのは何か違う気がする。
結果、シチュエーションはよりソフトな「SNS上での出会い」という形に落ち着き、ユーザとゴーストが出会う目的も「共通の趣味の話題を話す」というものになりました。
サムネイルの画像が無駄に不穏な雰囲気なのはエロゴテンションの名残です。迂闊な女の子が酷い目にあう予定でした。危なかった。
いかにしてユーザは死に至ることになったのか
でも、この時点では「共通の趣味の話題を話す」普通のゴーストです。
それが、あんな事になってしまったのは触り反応が原因でした。
とてもありがたいことに、このシェルはデフォルトで頭はもちろん、胸にもお尻にも、果てには太ももにも触れます。
大変魅力的です。お触りとはかくあるべきなのです。触りたいところに触る。これほどの幸せが他にありましょうか?
しかし、ただ触らせるのも何か違う。とういうより、「SNS上での出会い」からスタートしていきなりお触りに発展するのは無理がある。
そこで思い出したのが「そういえば、今回からゴーストバニッシュに対する言及があったような」ということ。
そうです。この記事を読んでいる賢明な読者の皆さんは御存知の通り、ゴーストマスカレード3ではバニッシュで完結するタイプのゴースト用にバニッシュ時の特殊処理がテンプレートに記載されるようになっていました。
このテンプレートは、ゴーストをバニッシュしても直ぐに元の状態に復帰させることができるすぐれものです。
これを使えば「触り反応を残しつつ、少女にユーザが指一本触れられない」という状況を作り上げられる……。
こうして、「少女に触ろうとするとユーザが死ぬ」という理不尽な構図が出来上がったのです。
ユーザ死亡ネタについてもう少し補足しておきましょう。
昔、『雑草』というフリーゲームがありました。
このフリーゲームは、チュンソフトの『弟切草』をパロディしたノベルゲームです。
主人公の探偵は、その機転を活かして様々な事件に挑むのですが、1つでも選択肢を間違えるとその場で即ゲームオーバーとなるのです。いわゆる死にゲーです。
本作もそのノリを踏襲しまして「触る以外でも死ぬと面白いんじゃない? トーク間隔0秒とか黙ってろって言ってるようなものだろ。そんな失礼なやつは■してもいいな」みたいな感じで次々と死亡イベントを作っていきました。
結果として死なないほうが難しいゴーストが出来上がってしましました。
他にも「今までの死因が記録されるなんてのも面白いな。実績機能もつけよう。実績解除で新しい機能が開放されるんだ。すると新しい死因も増える」みたいなことまで考え始めてプロジェクトは肥大化。
かくして一発ネタだった死亡ネタは、当初の予定よりも遥かに膨れ上がり、ゴースト開発が締切に間に合うか怪しくなってきたのです。
いっぱい食べるキミが好き
しかし、今回のゴーストを作るうえでどうしても外せない要素がありました。
ファミレスを舞台にするからには女の子に何か食べさせたい。これはいかに締切りに追われても譲れない。
私はかわいい女の子がいっぱいご飯を食べてる姿が好きです。
それでせっかくなのだからファミレスらしくメニューから注文する機能を付けよう、と。
そして何故か、注文した内容によって料理が届くまでの時間が変わるようにしよう、と。
前者はともかくとして、後者の試みをした理由は今となっては不明です。全部一律でよかったのでは?
当時のあとがきを読むに、臨場感が欲しかったとのことですが。あったか? 臨場感?
しかし、「料理が届いてから食べ終わるまでの時間も管理して、食べている間はその料理に関するトークをする」というのはよかったと思います。栞里ちゃんがもぐもぐする姿をまじまじと見られるのは至福の時でありました。
「頼んだら死ぬメニューも作ろう!」は完全にノリでした。死にざまはなんぼあってもいいですからね。
ランダムトークについて
さて、残った問題は『共通の趣味』を何にするか。ランダムトークの内容にも関わってくる大事な部分です。
幸いこれについてはすぐに決まりました。せっかくゴーストマスカレードなんだから『伺か』にしよう。
普段は少々気恥ずかしくて口にすることができない「お世話になったゴーストへの感想」なんかを書くといいかもしれません。
そう考えたところで、ちょっとスケベ心が出てきました。エロくないほうのスケベ心です。
トークフィルタ、付けたいなって。
私の感想よりも少女の食事をまじまじと観察したい者もいるかもしれない。逆もまたあり得る。はたまた普通のランダムトークが見たい人だっているだろう。
そう考えるとトークフィルタがあってしかるべきかと思ったのです。一発ネタゴーストのはずだったのに。
となるともう大変です。メニューにトークフィルタの項目を加えないとな、となりまして。しかし、機能が増えるに任せて乱雑に配置されたメニューは見るに耐えん。これを機にメニューレイアウトを一新するか、となりまして。
そのうえで「マスカレードのゴーストテンプレートからは乖離しない程度のビジュアルに抑え匿名性を確保する」という課題もありました。
これらをすべてクリアするのはなかなか大変でした。
実装予定だった機能
これ以外にも幾つか思い付いたけど実装しなかった機能があります。
>2周目以降の導入部分の変化
死亡実績に応じて導入を少しずつ変化させるつもりでした。
周回ごとに細かいシチュエーションの変化を盛り込むつもりだったのですが、そこまで手が回らずに断念。
地味に周回するたびに待ち時間に飲むコーヒーの量が増えていくのはその名残です。
死にまくった人は、きっと導入で胃が荒れるほどコーヒー飲んでると思うので、胃と命は大事にしてやってください。
>トークチェイン
トークとトークを紐付けて会話している時の「様々な話題に話が派生する」感じを再現しようとしていました。
具体的には、トーク表示時にユーザ側の相槌となる選択肢を出し、選んだ選択肢に応じて別のトークが呼び出される、とか。
辞書アンカーから別のトークに飛んだり、飛んだあとトーク予約でさらに別の話題にリンクする、とか。
その時の状況(食べている料理や前回の死因など)とその時に話した内容から新しいトークにに派生する、とか。(ex.サラバダー死の後サラダの話をするとユーザはサラダがトラウマになっている、みたいな)
これをすべてのトークに対して行い「トークネットワーク」的なものを作って、暇つぶしにWikipediaを閲覧するときのような「いつまでも読むことが楽しめる」仕組みを作ろうとしていました……が、早々に諦めました。
トークで勝負すると決めた段階からあった構想だったのですが、1番最初に生まれて1番最初に投げ捨てられることとなりました。
この案の一部は後に作ったゴースト「ミモザのように貴女と」でアンカートークとして採用されることになりました。
当初予定していたネットワーク型ではなく、「一つのトークからいくつかのアンカーへ、そのアンカー先からさらに別のアンカーへ」というツリー型の構造ではありますが、かなり最初の構想に近いものを再現できたと思います。
この手法は、いつか逆輸入する形でこちらのゴーストでも採用したいですね。
>トークの臨場感
なんとなく自分の中にある理屈として、ゴーストにおけるリアリティを表現する簡単な手法に「参照すること」っていうのがあると思うのです。
たとえば、起動時の「おはよー」とか「こんちわ」みたいな一般的な挨拶。これが実際の時間に合ったものだと、本当にそのゴーストと一緒に生活をしている気持ちになりますよね。これは「時間」という情報を参照しているからだと思うんです。
ゴーストを長く起動しているとだんだん仲良くなってトークの内容が変わる。これも嬉しいですよね。これは「起動時間」や「好感度」を参照しているからです。
つまり、ユーザの認識している、あるいはユーザの周囲を取り巻く何らかの情報を参照することが、わかりやすくリアリティの実現に繋がるんじゃないかな、と思ったのです。
だから、今回はいろんなものを参照して、トークの臨場感を高めていこうと思っていました。
先述した「今食べている料理の話題でトークをする」というのもそのひとつです。この場合は、ユーザが注文した「今食べている料理」を情報として参照していることになります。
なんとなく実際にファミレスで料理を食べながら駄弁ってる空気が出てたらいいなぁ、と思っています。
そんな感じで他にもいろいろな情報を参照する予定でした。
ランダムで変わる着せ替えの状態を参照して彼女の容姿を話題にしたり、喋り間隔を参照して「話過ぎたからちょっと休憩」みたいなことを言ってみたり、注文の待ち時間を参照して「まだ頼んだ料理が来ない……」みたいなトークを作ったり。
いろいろ考えていましたが、全部お流れになりました。
これも気が向いたら実装したいです。
匿名性を高めるためにやったこと
レイアウト云々のところで言っていたように、なるべくマスカレードのゴーストテンプレートのビジュアルを維持することを意識しました、最初の内は。
「とりあえずプレーンな感じにしておけばバレへんやろ」みたいな感じで。
でも色々盛り始めたあたりでなんかゴテゴテしてきました。困りました。
結局、「おもしろさ的ななんかふわふわしたもの」と「匿名性」を秤にかけた結果、「ふわふわしたもの」が勝ちました。ふわふわしてるのに。
いちおう見た目はシンプルに仕上がったけど、辞書見られたらお陀仏だなぁ、みたいな仕上がりです。
他には、匿名性のためにやったわけではありませんが、ゴーストを作るたびに毎回いつもと違う辞書の書き方をすることを心掛けています。
まだまだ私はゴースト開発を始めたばかりの素人なので、自分に合った辞書の書き方を模索中なのです。
だから、いつもはsakuraスクリプトで書くところを里々の関数を使ってみたり、引数区切り文字をいつもと変えてみたり、descript.txtで定義していた内容を辞書内で定義してみたり。
実際に自分の手でやってみないとそれぞれのメリットデメリットがいまいち理解できない人間なので、思いついたことは片っ端から試しています。
そんなわけなので辞書に統一感がない感じはあるかもしれません。いろいろ継ぎ接ぎでゴテゴテです。
名前について
伺かの話を「共通の趣味の話題」にすると決まった時点で少女の名前を伺かっぽくするのは決まっていました。
名前は覚えやすいのが一番です(諸説あります)。殺人事件の一番最初の犠牲者は「ジョバンニ・ジコール」とかがわかりやすくていいのです(いい名前ですねアレ 好きです)。
そんなわけでSHIORIから一文字もらって「栞」、里々から一文字もらって「里」、あわせて「栞里」という名前に決定しました。
苗字の「尾白」はなんとなく韻を踏んだ音にになるものを適当に選びました。オジロシオリってなんか口にしてて気持ちよくありませんか?
あと、ディレクトリ名の「Oshiori」は尾白のイニシャルの「O」だけをとって名前とくっつけたものです。何となく一見「Oshiri」に見えませんか? お尻っ!
触り反応について
今回、この素敵なフリーシェルを使わせてもらった理由は当然このお尻なのですが。このゴーストを作るにあたってお尻の露出はかなり抑えました。
いやなんでだよ、って感じですけど。ほら、希少性が増すとよりありがたい感じがしませんか?
これはサーフェスの表情についても言えることだと思うんですけど、自分がカワイイ!と思った表情はなるべく使用する機会を絞るようにしています。その方がたまにその表情がチラッと見えた時に幸福度が高いと思ったからです。
そんなわけで今回この可愛らしいお尻が見られる機会は導入とドリンクバーを取りに行くときしかありません。
そのうち触れる(触れるとは言っていない)のはドリンクバーのトークの時のみとなります。お尻を触って死んだ人はえらい。
おかげで肝心のお尻はほとんど拝めませんが、これもまた緻密な計算に基づく深謀遠慮の結果なのです。
質疑応答
いただいた質問に対する回答です。
>栞里ちゃんに生きたまま触ることはできますか?
できます。
ユーザ性別の設定次第では一部部位のお触りが解禁されます。
また、何度か死に続けていると公園デートが解禁されるのですが、そちらでも一部のお触りの条件が緩和されています。
それでも場所によっては触ると死にますが。
まぁ、親しき中にも礼儀ありということで、ここはひとつ。
>栞里ちゃんの伺か歴は何年ですか?
2010年代の五年間ほどを想定しています。していました。
彼女の紹介しているゴーストもなんとなくそのあたりのゴーストが多い気がします。たぶん。
とはいえ、栞里ちゃんの世界自体が我々の視点ではサザエさん時空なので厳密ではありませんが。
ちなみに彼女の推しゴは『へし折れ!鹿島君』『たぬきぼっこ』『Hermaphroditus』あたりです。
既にこの時点で彼女の伺か歴から大きく外れている気がしますが、こまけぇこたぁいいんだよ!
>栞里ちゃんは社長ですか?
いわゆる社長令嬢というやつです。
パパが自称社長です。少なくとも栞里ちゃんには自分が社長であると告げています。
でも、怪しい黒服を雇ってるあたりあまりまっとうな社長ではないかもしれません。
真実はパパのみぞ知るです。
>栞里ちゃんは(もし好感度があったとして)ちょろい方ですか?
恋愛感情を自覚させるまでが大変かもしれません。
基本的に花より団子なので。
ただ、一定のラインを越えてからはちょろそうです。
箱入りで免疫がないので。
>動物は好きですか?
かわいいものはだいたい好きです。
ただし、水族館に行くとお寿司が食べたくなるタイプの人間なので、ちょっと感性が独特かもしれません。
犬も猫も好きなので、どちらが好きか尋ねられると困った顔をします。
犬と猫は食べません。
>栞里ちゃんは自分でどの程度料理が出来ますか?
作れません。全て家政婦さんがやってしまうので。
でも、深夜にこっそり夜食を作って食べたりはします。
見つかると怒られるので自分で作るしかないのです。
だいたいいろんなものにチーズを乗っけて豪華にしてます。
>栞里ちゃんの好きなパンツの色は……。
本人が「乙女の下着は白」と自認しているので白です。
白にワンポイントが大正義です。
水色のリボンがお気に入りです。
でも作者的にはパンツの多様性を認めたいので、様々なパンツを履いた栞里ちゃんがいていいと思います。
Chronomaton#
基本情報
名前(名前の由来) : クノン(MTGのカード名"Chronomaton"を縮めて)
誕生日(年齢) : 人形のため無し(精神年齢は16歳)
性別 : 女性
好きな色 : 赤
好きな食べ物 : 食事を行わないため無し
趣味 : 空想すること以外に彼女にできることはない
よく観る映像物 : 彼女は映像物を観たことがない
よく聴く音楽 : ロシア民謡の『赤いサラファン』という曲を口遊む姿が見受けられる
作るきっかけ
シェルに一目惚れです。間違いありません。
こりゃゴーストを作らなきゃ嘘だと思いました。
とにかくこのシェルをゴーストという形にしたかったのです。できるのならば自分の手で。
ですが凝ったものを作るには時間が足りませんでした。
「よし作るぞ!」と思い至ったときには、既に提出期限であるゴーストマスカレード4まで残り二週間をきっていたのです。
しかし、妥協はしたくありません。
作るのであれば自分が納得のできるものを作りたい。そうでなければこの球体関節に失礼だ。そう思ったのです。
ゼンマイへのこだわり
なんのトークをするかはとりあえず置いておいて、この背中の素敵なアレをなんとかせねばならんと思ったのです。
そう、ゼンマイ。女の子の背中にゼンマイ、最高です。
そんなわけで快適にゼンマイを巻ける環境を整える作業が始まりました。
これがまた大変だった。製作期間の半分はゼンマイの動作に費やされました。
辞書でシェルの制御するの難しい! 死んじゃう!
どうしても途中でアニメーションがキャンセルされたりして動作がカクつく……。
上手くいったかと思えば今度は辞書側の処理の挙動がおかしい。
あっちが立てばこっちが立たないの連続でした。
今の形も完璧ではありませんが、思う存分巻き巻きできるようにはなったと思います。
ゼンマイの回転速度もかなりこだわりました。
巻くときは少し早く。手を離すとゆっくりと回る。
手元にあったオルゴールを参考にしながら少しずつ調整して何とか満足のいく出来に。
無理矢理回すときや止まったときに振動するのもこだわりの一つです。
感想を見たところ好評だったようなので安心しました。
ただ、マウスホイールがない方には申し訳ないことをしました。
ここだけは妥協したくなくて、ホイールでやって欲しかったのです。
現在は更新によってマウスジェスチャによってゼンマイを回せるようになりました。
改めまして存分にゼンマイを巻き巻きしていただければ幸いです。
その他操作についてもわかりにくい部分が多分にあったと思います。
ただ、「得体の知れない存在との交流」をよりリアルに感じて欲しかったので、それらをあまり露骨に説明をするのは控えたかったのです。
これもそれもひとえに「妥協したくない」という気持ちが生み出したものだったのですが、もう少しいいやり方はなかったものか……。
とはいえ感想を読んだ限り意外と皆気付くことが出来たようなのでよかったです。
信じようと、信じまいと―
概ねシェルの調整が済んだところでようやくトークに取り掛かることとなりました。
とはいえゼンマイにこだわり過ぎて時間がない。
残り一週間でトーク、それに加えてもう一体のゴーストも仕上げなくてはならない。
もはや真っ当な手段では間に合うとは思えませんでした。
そんな私を助けてくれたのが、HDDに眠っていた「2ちゃんねるオカルト板」のログでした。
「信じようと、信じまいと―」で始まる数多のお話は、基本的にはこのログから抜粋しトーク用に編集したものです。
なるべく原型を残したものもあれば、バルーン表示との兼ね合いを考えて大幅に内容を変更したものもあります。
この"ロア"と呼ばれるお話は私にとって思い出深いものだったので、なるべくリアルな雰囲気を感じさせる形にしてゴースト上で表現したかったのです。
今となってはその頃の記憶もやや曖昧ですが、その昔オカルト版ではとある流行がありました。
ルーツについてはゴースト内の「readme2.txt」にまとめてあるので割愛しますが、「信じようと、信じまいと―」と呼ばれる文章群はいくつかのルールに則った書き方をする即興の遊びのようになっていました。
曰く、それは「信じようと、信じまいと―」という語り口で始まる。
曰く、それは四行の文章から成り立つ。
曰く、それは実しやかに事実であるかのように語られる。
曰く、それを全て語り終えたら「信じようと、信じまいと―」と語り締めくくらなければならない。
正確なルールが決まっているわけではありませんでしたが、そこにいる多くの人々が暗黙のルールを共有していました。
最初は手探りで書かれた拙いものも多かったですが、集まるロアはだんだんと洗練されていき、始まりの62個に限りなく近い文体のものも現れ始めました。
新たなロアを生み出す一種の方法論ができたと言ってもいいかもしれません。
曰く、それは常識的にはあり得ない奇妙な話でありながら、本当かもと思わせる程度の現実味、客観性を持つ。
曰く、それは一見、有名な話として知られていそうに思えるが、今までに誰も聞いたことがない話である。
曰く、それは時代、地域、人物などにある程度の具体性がある。
内容、情報、文体、書式。いくつものロアを作る手法が議論され、大量の「ありえそうで絶対にありえない話」が現実に生み出されました。
思えば、これこそが仕掛け人である"ロア"の意図だったのかもしれません。
今となっては確かめる術はありませんが。
このロアという文化に当時の私も夢中になって、実際にいくつかのロアを作って書き込んだりしていました。
しかし、どれが当時の私が書いたロアなのか、それをここで語るのは無粋というものでしょう
ここにあるロア達は「本当にあったこと」として生まれてきたのですから。
願わくば、私の熱狂した当時の空気を少しでも感じ取っていただければ幸いです。
演出について
ゴーストの話に戻りましょう。
トークの方針が一通り決まったところでぶち当たったのが「これはどんなゴーストなのか」という壁です。
素敵なシェル。膨大な量のトーク材料。そこまではよかったのですが、その二つを繋ぐ設定がまだ何もできていない。
何人かの感想で見受けられた通り設定のモデルにしたのはSCPです。
SCPの詳しい解説についてはネット上の記事にお任せするとして、これを題材として選んだ理由は先のロアと共通項が多かったからです。
どちらも「CreepyPasta」と呼ばれるネット上で事実であるかのように語られる創作群ですから、似た設定同士で親和性があるじゃないか、なんて。
かくしてこの人形は、ただの動く人形ではなく、不思議で奇妙な話を語る人形となったのです。
そこから細々とした設定を埋めていくのにさほど時間はかかりませんでした。
むしろ時間がかかったのは、それらの設定に付随した細かい演出でしょう。
特に文字が乱れる演出はなかなか手間でした。
他にも辞書に小ネタを仕込んだり、セーブデータに謎の変数を残したり、挙句の果てにはシェルにまでいろいろ埋め込んでそれはもう大変でした。
それでも隅々まで見てくださったユーザの感想を見るとその苦労が報われたような気がしました。
本当にありがとうございます。
お嬢様口調
お嬢様口調はいいものです。
心が満たされます。
以前作ったキャラクターの一人が面白お嬢様路線だったので「今回は正統派お嬢様でいこう!」と早い段階から決めていました。
そこまで癖が強くなく、しかし確かに魅力的なキャラクターになっていれば嬉しい限りです。
制作側としては、オカルトやらSCPやらでテーマがややわかりにくくなってしまったため、キャラクター性はシンプルにまとめたかった という意図での正統派お嬢様でした。
あとは言葉がわかるようになった時にびっくりするだろうな、という意図もありました。
もっと妙な口調にしてもよかったのですが、あまり奇を衒わない程度の話し方がいいと思い今の形に。
時間が足りなかったので通常のトークはあまり書けませんでしたが、今後はもっと上品さを残しながらも可愛らしいトークを増やしていきたいですね。
質疑応答
いただいた質問に対する回答です。
>ロアが大量にありますが、作成に苦労しましたか?
ロアの作成に関してはそこまで手間はかかりませんでした。
というのも、過去の自分がマメだったおかげでお気に入りのロアがある程度整理された状態でログとして保管されていたからです。
ロアに関して私がした作業と言えば、ログの中からより出来の良いロアを厳選してバルーンに収まる形に文章を整形したことくらいです。
中には文章整形の段階でロアの内容自体が大きく変わってしまった物もあります。それに関しては作成に苦労したと言ってもいいかもしれません。
今でこそこのゴーストは専用バルーンを使わせていただくことで、ロアをより高い精度で再現できていますが、
ゴーストマスカレード4公開当時はデフォルトバルーンだったため表現にかなり制約がかかり、ロアをなるべく雰囲気を崩さない形で見せるのが大変でした。
>クノンは人間に対して好意はありますか?
クノンは人間という種に対しては好意を持っていません。
クノンが好意を持っているのはあくまで自分と向き合ってくれる相手に対してです。
基本的にクノンを担当する職員は、施設から渡される規則に従って動くため「進行度」が一定以上になることはありません。
そのためクノンの言葉を理解できる人もいなければ、理解しようと思う人もいないのです。
だからこそ、その規則を破りクノンと対話できるユーザは彼女にとって特別になりうるのです。
>クノンは動けますか?
自分では満足に動くことができません。
特に細かい動作が苦手なので、シェル変更時の着せ替えなどはユーザにやってもらっているという描写になっています。
他にも身体のバランスをとることができないので立ち上がることもできません。当然歩くこともできないと思ってよいでしょう。
ですので、仮に職員になにかあってもクノンが単体で脱走することはないと言っていいでしょう。
……"あなた"が彼女を連れ出さない限りは、ですが。
>クノンの目が黄色くなる現象は理由がありますか?
彼女の目が黄色くなっているのは、"ロア"の干渉を受けている時です。
ゴースト内の「readme2.txt」に書いてある通り、このゴーストでは"クノン"という人形を作った者と"ロア"という物語群を作った者は別に存在します。
設定的には"ロア"が先にあり、それを対処する装置として"クノン"が作られたという経緯があります。
ここではロアを「人を媒介にして広まり現実に現象として顕現する怪異」と解釈しています。
文章から現実化してしまったロアを再び文章に戻す作業をしているのがクノンとなります。
その際にロアの影響力の余波が外に漏れ出てしまい、それによってユーザの進行度が進んでしまう、というのが事の絡繰りです。
まとめると、クノンの目が黄色くなるのは、彼女が頑張ってロアを対処している証だと思っていただければ幸いです。
例外的に、とある歌を歌う時も彼女の目は黄色くなるのですが、これはその歌がロアと同じくらいの力を持った言葉になっている、という解釈です。
ロア同様に歌もまた聴く人間の認識に大きな影響を与えます。そのため彼女の中の機構が歌をロアと誤認してしまっていると考えてもらえるとわかりやすいかもしれません。
>クノンに「動けたらやりたいこと」はありますか?
長い間施設に管理された生活を送ってきていましたから、きっと外に出たいことでしょう。
自分の脚で立ち、望むままに歩みゆく。それが彼女の願いです。
その傍らに"あなた"がいれば、彼女にとってこれ以上の幸福はないでしょう。
最後に#
ここまで読んでいただきありがとうございました。
正式に公開するまでにはもう少し内容を充実させる予定ですので、その際にはよろしくお願いします。
また、質疑応答に記載する内容については引き続き募集中です。今回の記事を読んで思いついた質問でもかまいません。
何か思いつきましたら以下のリンクからWEB拍手で送っていただけると嬉しいです。
http://clap.webclap.com/clap.php?id=yodobashi
以下、私の設営したDiscordサーバ「ゴースト作りたい」の宣伝です。
「ゴースト作りたい」サーバは、「ゴースト作りたいけどなんかやる気でないなぁ」って時に使うサーバです。
詳しくは、下記の2022年にアドベントカレンダーで書いた記事をご覧ください。
https://writening.net/page?3LPw8t