天使の落日と夜明け　プロローグ

火星から少し離れた暗礁宙域。
普段は静かなこの宇宙も今現在「世界平和監視機構コンパス」を中心とし、地球連合やプラント融和の融和勢力達が集結した「融和連合」と元セブンスターズイオク・クジャンを首魁としブルコス残党やプラント過激派、ギャラルホルン保守派だけで無く宇宙海賊や金に目が眩んだ一部のジャンク屋等が集まって結成された国際宇宙テロ組織「神聖ギャラルホルン」との決戦が続いていた。

神聖ギャラルホルンらは地球に於ける「オーブ殲滅戦争」並びに「ユーラシア本拠地防衛」に敗北した後、金と戦力に物を言わせ民間用マスドライバー「メガフロート」を占領し宇宙へ逃れ、残存戦力や呼びかけに応じた更なる戦力と合流。宇宙に残されたモビルアーマーの確保と新たな本拠地を得る為に、嘗ての厄祭戦の激戦区の一つでもあった火星に未だ多くのモビルアーマーが休眠状態で眠っている事が判明し、更に鉄華団本部やギャラルホルン弱体化の原因でもあるクーデリア・藍那・バーンスタインの活動拠点でもあった事でイオクは未だギャラルホルンを崇拝(という名の恐怖)している火星圏の支配とコンパスや鉄華団への報復と制裁を理由に火星圏へ侵略を開始しようとしたが、火星にマクギリスの命で駐留していた「ザディエル・ザルムフォート」と「デイラ・ナディラ」率いるコンパス駐留軍やロウ・ギュールの呼び方で集まった義勇軍、金星から集まったウルズハントチームの足止めを受け、そのまま追撃して来たコンパス本隊との決戦を迎える事になった。

中盤まではコンパス本隊有利に傾いていたが、突如戦場に姿を表したイオクのガンダム・ゼパルはブルコス残党の厄祭モビルアーマー研究者「マッド・ハイヤー」の技術や命令を受けたプルーマ達によりクジャン家が封印していた「ハラエル」やその他のモビルアーマー達だけで無く勝利の為、自ら生体CPUとなりデストロイに乗り込んだパイロット達や「シクラーゼ・マイアー」が探していた「上位個体」と融合しモビルアーマー達を従えたイオクの思うがままに敵味方を問わず殺戮を開始してしまい、更に火星へ降り立ち新たなギャラルホルン復活の狼煙をあげようとする。

しかし戦闘中、無理な構造と改造に欠点を見つけたロウやオルガの的確な指揮、絶え間ない波状攻撃により各部位にダメージが蓄積し更にプルーマ生成プラントを破壊された事で修復が間に合わず満身創痍な所にマイティーライジングフリーダムTYPE-2のディスラプター出力フルパワーを一点集中され更にハイマットフルバーストを受けて爆散したと思われたがイオクはそれでも倒れずゼパルを駆り、同胞達の怨沙とこれまでの戦いで死んでいった部下や同志の思いと叫び声をあげ、なんとしても火星へ降り立つ為に残った戦力を引き連れコンパスへ狂った様に襲い掛かる。