蒼き春を重ねて


「コホン…今回、みんなに集まってもらったのは他でもない…」

「…何ですの?その変なノリは」

「…せめて説明終わるまではカッコ付けさせてよ。今度、トレセンで『アオハル杯』というレースイベントが開催される事が決まったんだ」

「レースイベント…どんなイベントなの?」

「短距離、マイル、中距離、長距離、ダートの五部門にチームメンバーを振り分け、BO5形式で競い合う、ドリームトロフィーリーグをチーム戦にしたようなイベントだよ」

「ふむ、面白そうじゃないか!」

「つまり、私達が集められたのって…」

「私はそのイベントでチームを結成するためのリーダー権を手に入れたんだ。と言う訳で、私の独断と偏見で超強力なメンバーを集めさせて貰ったよ。一緒に優勝目指して頑張っていこうね」

「レースイベントの件は分かりましたわ。ですが…ひとつ、意見をよろしいかしら?」

「おや、何かあるのかな?」

「…確かに、ここにいる皆さんはとても強い一流の方々ですわ。でも、それとこれとは別問題ではありませんこと?」

「えっと、ライスもそう思うよ…」

「うーん…?…あっ、そうか!確かに!」

「はーっはっはっはっ!是非も無し!」

「………?別問題…?」

「えっと…だって…その…」

「…ここにいる私達は五人とも、もれなく全員ステイヤー…ですわよね?」

「そうだよ?」

「…い、イベントのルールを確認しよう!短距離、マイル、中距離、長距離、ダートの5レースを行って、3勝したチームの勝ち…この認識で合っているかな?」

「そうだよ?」

「そして、ボク達5人は全員ステイヤー…もとい、芝の中長距離が主戦場な訳だ!」

「そうだね?」

「…うん!だとしたら、とてもまずいね!?」

「そうだよネハンちゃん!芝の中距離と長距離以外のレースはどうするの!?特に短距離部門とダート部門、まともに走れる人いなくない!?」

「大丈夫、ダートは私が走れるよ。…多分」

「「「「多分!?」」」」

「そしてキタちゃん、君が短距離部門担当だよ」

「えぇーっ!?なんで私!?短距離の練習なんてほとんどやった事ないよ!?」

「短距離は基本的に前方脚質が有利とされているからね。頑張って逃げ切っておくれよ」

「うわーん!ひどい無茶振りだよー!」

「そして、ライス先輩がマイル担当だよ」

「ふぇぇ!?た、確かに、私なら走れなくはないけど…えっと…じゃあ、残りの中距離部門と長距離部門は…」

「それならボクが中距離を走ろう!中距離こそ覇王の舞台に相応しい!」

「そして私が長距離、と…決まりですわね。ライスさんにキタサンブラックさん…本当に大丈夫ですの?」

「だ、大丈夫!ライス、頑張るよ!」

「わ、私もやるだけやってみます!」

「大丈夫だよ、二人の距離練習の場所は用意するし。それにイベントも本格開催前のテストプレイ期間らしいしね。気軽に楽しもうよ」


………⏰………


「…という訳で、しばらくの間一緒に練習する事になったキタサンブラックです!よろしくお願いします!」

「ライスシャワーです…お、お邪魔します…」

「ヤクモちゃんはライス先輩に、プルシちゃんはキタちゃんにそれぞれマイルと短距離のコツを教えてあげて欲しいな」

「ジャックぅ!?予告も無しにいきなりやばい人連れてくるのやめてって!」

「ん?どういう事っすか?一緒に走れば良いんすか?負けないっすよ!」

「いやいや、なんでプルシちゃんはそんな平然としてられるの!?」

「…もしかしてネハンさん、この為にわざと偏った人選をしたんじゃ無いんですの?」

「はーっはっはっはっ!学園のイベントすらチームの強化に繋げるとは!相変わらず見事な手際だね!」

「はぁ…なんだか私まで騙された気分ですわ…」


その時、ふと閃いた!
このアイディアは、ヤクモノヒカゲとアップルシロップのトレーニングに活かせるかもしれない!

二人のスタミナが30上がった!
二人の根性が30上がった!
アオハル点火・体のヒントLvが1上がった!
アオハル点火・根のヒントLvが1上がった!


メジロマックイーン
スイーツ大好きやきう民であり、メジロの最高傑作。長距離部門担当。芝A長距離A。
いつか本格化を迎えたネハンジャクジョウと本気の勝負がしたいと思っている。
ちなみに実馬のメジロマックイーンはダート1700mの新馬戦と一勝クラスで勝利している。

ライスシャワー
みんなから愛される絵本作家であり、黒い刺客。マイル部門担当。芝AマイルC。
この中だと唯一の高等部だし、きっと全体を取りまとめてくれるはず。…きっと。
ちなみに実馬のライスシャワーは芝1000mの新馬戦で勝利している。

テイエムオペラオー
歌劇王であり、世紀末覇王。中距離部門担当。芝A中距離A。
素が常識人なので、ネハンジャクジョウのトンチキ具合にツッコまざるを得なかった。
ちなみに実馬のテイエムオペラオーはダート1800mの未勝利戦で勝利している。

キタサンブラック
演歌大好きなお祭り娘であり、みんなの愛バ。短距離部門担当。芝A短距離E。
実馬(?)ネハンジャクジョウの父に当たるが、ウマ娘では同い年の後輩である。
ちなみに実馬は短距離とダートを走った事が一度も無い。

ネハンジャクジョウ
ハジケリストであり、極限の探究者。ダート部門担当。ダートDマイルB。
ステイヤー5人というトンデモ偏重チームを作ってしまった全ての元凶。
ちなみに実馬(?)がダート未出走なのにダートがDもあるのは、実馬の調教時の逸話が関係しているのだが、それはまた別のお話。
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