人と人


この記事はKumano dorm. Advent Calendar 2021(https://adventar.org/calendars/6338)の12/9の記事です。
初めてのアドカレです。この1年のことと感謝をずらずら書きたいと思います。

 ・談話室

 俺がこの1年最も時間を過ごしたA3談話室に対してまず書きたい。
 初めて談話室に入ったのは、3月の入寮初日である。同部屋の先輩kdにタコパに誘われていった。ぶっちゃけうちの談話室の敷居は高めである。扉には「会員限定」の表示があり、中からわちゃわちゃと喧騒が聞こえてくる。正直怖かったがkdさんに連れられて入ったところ、驚愕した。そこには、今まで見たことがない空間があった。南側の壁一面に並べられた4台のモニター、東側の押入れをぶち抜いたソファー、そして北側と西側にびっしり詰められた漫画の棚。そして部屋の中央の2個のこたつにびっしりと群がる寮生である。
 ガンガンと焼かれるたこ焼き。会話の糸口をつかめずにいると、中央でタコを焼く名古屋出身のttsに話しかけられた。「お前って浪人?」。いきなり失礼だな、こいつと思いながらも俺は駿台の現役クラスに通っていたので、予備校トーク、ジモトークで盛り上がった。お互い大層声がでかいのでうるさがられた。ただもっとすごい先輩がいた。nshr(6回)という先輩は、滅茶苦茶早口で、声もデカいし話の脈絡もない。俺と近いタイプである彼を見て俺はぶっちゃけうまくやれそうと感じた。
 俺とttsとnshrがわけのわからん会話で盛り上がる中、中央のモニターでは、当時は隣の部屋で今は同部屋に住むezkと、俺の同期のogt,kot,omt,banあたりとスマブラをしていた(俺もその後そっちに混じった)。その一方、BLKの中心、A3のマイキーことanpがmtmrにペルソナについて語り明かしていた。そのまた一方、kt、kd、kgで何やら闇の力(?)の話をしていた。俺はこんな空間を見たことがない。とりとめがなくみんな好き勝手しているようで、どことなくバランスが取れている。そんなカオスな状態が続く中、少しずつコンパは収まっていった、、、、、

 コンパが終わり部屋に帰って寝ようとしても新環境で高揚しているのか寝付けない。喋り相手を求めて、何となく談話室に行った。すると、kdとkgが「とらドラ」を見ている。名作なので何となく一緒に見ていた。するとkgが唐突にヤンデレ好きカミングアウトをしだした。一見スマートそうに見えるkgでもそういう一面を見せるのか、と不思議に思いながら、アニメを見ていると眠くなって来たので、部屋に戻って寝た。これが俺の談話室との出会いである。ところで俺はこういうなんとなく少人数で、作品を嗜み、愛でる時間はとても好きである。見た余韻のまま考察をぶつけるのもなおよい。それがこの談話室では日常的に行われている。俺は今後の生活に胸を高鳴らせたものだ。

 その後数日は談話室にずっといた。なぜかといえば部屋の居心地がよくない。というか部屋が静かすぎてさみしがり屋で喋り好きな俺にはしんどかった。
ちょっと遅れて同期の理学部女子skgmが入寮した。俺は中高一貫の男子校出身で女子とコミュニケーションを取るのは、6年ぶりでぶっちゃけ緊張していた。しかも相手はなかなかのハードモードである。事実ちょっとからかったらラインで反撃が来た。ごめんなさい。しかし彼女とも勉強の話や授業の話、音楽の話をする度に打ち解けた気がする。まさに談話の力である。このように談話室には人と人を結びつける力がある。

 4月になって入学式も終わったころ、免許合宿から帰ってきた2回生4人と知り合う。ymst,azkzw,TH,wtrnである。正直ymst,THに関しては目を疑った。2人ともかなりルックスがいい。これまでの寮生のイメージをひっくり返された。そして俺がギターとか歌が好きな話をするとymst,azkzwとはすぐに仲良くなった。ezk,kotも交えてその場でバンドが組まれた。何を隠そうezgcバンドである。

 入学当初の俺が談話室に残した影響として大きいものの1つに、ギタースタンドの設置である。談話室にギター、ベースを置くことにして、音楽の広がる談話室をつくろうとした。俺の目論見は、一定功を奏し1,2回生を中心に楽器を演奏してくれる奴がそこそこいた。しかし、上回生の反感も買ったようで、「うるさい」という声も一部から出た。騒がしく弾かない、時間帯を考慮するという折半で一応解決した。この件について、楽器利用者が後輩だから最終的に譲ってもらうという形になったのは間違いない。本当の問題は、来年以降入ってきた後輩がうるさいと感じた時にどうするかということである。談話室のような後輩優先の形式だとこういった部分が難しいなと感じた。

 またボードゲームも非常に多くある。カタン、ドミニオンをはじめ麻雀なども盛んである。俺たち1回生はktに大体麻雀を教えてもらった。俺は麻雀を大学から始めたものの最近はどっぷりはまってしまい、麻将皇帝戦のある11月にはほぼ毎日卓が立っていた。考えることも多く上達の道のりは長い。麻雀にはコミュニケーションツールとしての役割も大きいと思う。うちは手積みだが、じゃらじゃらと牌を混ぜる時だとか、危険牌を切る時だとか、終わった後の感想戦だとか、随所で会話が生まれる。普段は喋らなくとも、麻雀から生まれる会話があり、談話室の外を出てもそれは成立する。現に麻雀で少しコミュニティが増えた。それはそうと今日はガンガンアガって勝った。どーも。

 俺が好きな談話室行事の中に、飲み会とお掃除がある。
飲み会は大体イベントにかこつけるか、誰かに悲しい出来事、または嬉しい出来事なんかがあった時に行われる。OBの先輩やkgがおいしいお酒を出すこともあれば、コンビニなんかで買うこともあるが、飲めや騒げやで意外と大規模だ。たいてい夜通し行われ、朝まで語明かすことなどざらである。寮祭期間中はコンパの後などしっぽりやることもある。酔った勢いじゃないと相談できないことなどいくらでもあり、俺も何度も相談に乗ってもらった。談話室飲み会に感謝である。
お掃除はymstあたりか、あとは至急探し物を見つけなければならない誰かによって突発的に行われるが、一気に断捨離が行われるので談話室がきれいになる。その達成感と人の役に立ったという感覚は実際爽快である。そしてこの時よく槍玉に挙げられるのが部屋の隅に転がるぬいぐるみどもである。ぬいぐるみを置くのもいいが、ほこりまみれで地面に転がるぬいぐるみは何とかしてほしいと思うのも事実なので、ぬいぐるみ同好会とアンチぬいぐるみ団体(ミニマリスト同好会)は早いとこ折り合いをつけてほしい。掃除の話やギタースタンドの話から広げるが談話室のお掃除に限らず、談話室などの共用スペースは譲り合いの精神でできている。例えば、談話室でご飯を食べる人が少し多めにつくり振る舞ったり、調味料や洗剤は共用のものとして買ったりする人も多い。また、今日もBLKで炊事場の食器の件でかなりもめたが、徹底討論だけでなく対立意見の歩み寄りも大事だと思う。談話室は年齢かかわりなく誰もが自由に利用し、後輩を優先するがゆえに年によって姿を変える。俺が入る前の談話室も見てみたいが、それよりも俺は来年の後輩の希望を組み込んだ新たな談話室の形を楽しみにしている。

・MUC
 俺の重要な寮内コミュニティの1つにMUCがある。仲のいい先輩、同期も多く所属している会議体だ。112期では副MUC長を務めて、自分で言うのもなんだが、MUC長のymstと相当仕事をした。今期のライブはすべて成功したし、その成功に貢献出来たことはうれしく思う。献身的に働くことの大事さを再確認した上で何となく日の目を浴びることのない尽力の形で「損な役回りだなあ」と思うこともあった。そういったときに、同様の役回りの多いymstと飲んだり愚痴を言い合ったりするのも、ざらである。同部屋には迷惑をかけたと思う。申し訳ないです。今期のA3である程度完結するMUCは仕事の形態という意味で、連携の速さなど優れていた点がいくつもあった。日常的にMUCの今後の話が出てきていて、具体的に形にするのも早かった。同期の理学部で寮祭で一緒に企画責をやるysnmともここでのつながりが一番大きい。またライブ自体もものすごく楽しかった。A3 1,2回生バンドezgcだけでなく、俺が高校からずっと聞いてるサザンのコピー、原宿boys、boileRockなどいろんなバンドを組んだ。特にサザンは時間帯もよかったのか、ものすごく盛り上がったしバンドリーダーとして苦労したことも多かったので、達成感と高揚感は半端なかった。見るのも好きで俺の好きな寮内のバンドでNUMBER GIRLのコピーとShe is Cというバンドがある。特に、She is CはC棟1回生のバンドだが、曲選びや構成も考えられていて、いつも非常に良い演奏をするし刺激にもなる。ysnmやhsgwなど交流の多いやつがいるのもあるかもしれない。

・寮祭
 当初、寮祭自体にあまり興味がなかったが、バンドも組んでいて仲のいいymstに寮祭ライブの規模拡大、いい時間帯を抑えるように寮祭実に入るよう頼まれた。他の先輩にも交友関係が広がるから入った方がいいと言われたので、断る理由もないので入ることにした。タイテ、企画規模を扱う仕事として企画責に就任した。具体的な業務だが、特に序盤は地味な作業が多い。企画概要募集、企画広告画像、企画者会議などだが、結論から言うと2人とも帰省していて、また俺がくそ暇だったからというのもあって序盤の仕事は大体俺がやった。今にして思えば、これが悪手だった。ただでさえ事務仕事があまり得意でないysnmから仕事を奪うと同時に彼が何となく俺に引け目を感じるようになった。最初は俺が暇だからやっただけで気にならなかったが、こうもやりずらいと話が変わってくる。なんとか仕事を振って改善しようとしたがどうにもうまくいかない。しかし10月の下旬ごろになって彼が主体的になって仕事を探してくれるようになり、俺の業務量が減った。これなら来期のMUCも安泰かもしれないなと思いながら、俺は減った仕事をのんびりこなしていった。彼との関係も多少、改善を見せる。それはライブと寮祭のおかげだった。寮祭直前期に俺が勝手に企画責打ち上げを計画した。ライブの練習からの深夜ラーメンからのコンビニ酒で鴨川飲みという行程だったが、腹を割って喋るいい機会になったし、寮祭準備の良い総括になったと思う。かれこれ3時過ぎまで話していた。雑談含め少し話しづらさはあったが、まあそんなもんじゃないっすか?人間関係と仕事能率には密接な関係があるし、それを抜きにしてもぼちぼち距離を近づけて行けたらなあと感じました。

 寮祭期間中はてんてこ舞いだった。日中の企画に加え夜のコンパやバークマ、それが終わってからの談話室飲み、で5時6時に寝るみたいな生活を毎日送り、多分期間中、併せて3コマくらいしか授業出れなかった。人間のカスみたいな生活して毎日ほぼ2日酔いだったが、企画を楽しむこと、新たな人間関係の構築、下働きなど学べたことはたくさんあった。
特に寮祭ライブは圧巻だった。自分の出番はさておき、疲れて少し抜けたりしたが大体会場にいた。特にトリを務めたShe is Cはパフォーマーだけでなくオーディエンスも本当に盛り上がりがすごかった。みんな寮祭最後に弾けまくってフィナーレを飾りたいのかもしれない。俺はあんまり食堂ライブに意味を感じていないが、寮祭だけはやってもいいかもしれないと感じた。何はともあれ寮祭は無事終了し、俺は今余韻に浸りながら遅れを取り戻すべく授業に出ている。

・個人に向けて
 
 入寮以来、特にお世話になった人、かつじきに退寮予定の先輩方にお礼を伝えたいと思う。(内1人から要望があったため)

To Y

 さすがに俺のこの1年を語るうえでYさん抜きには喋れないと思いました。初めて会ったときは正味チャラいなと思っていましたが、いざ蓋を開けて見れば、1番仲いい先輩だったと思います。MUCやバンドリーダーの話だけでなく、最初は隣部屋、夏以降は諸事情で同部屋でしたが、夏以降は特に、お互い割と似た者同士で仕事もかぶってるからか、愚痴だの相談だのを延々と部屋では繰り返していました(同部屋の皆さんには本当に申し訳ない)。特に失恋時や人間関係で行き詰った時には大変お世話になりました。それはそうと相談されてるときって何となく信頼されてる感があって自己肯定感上がりませんか?相談された事柄には出来る限り真剣に向き合った上で、俺は自分に自信が持てるようになる。正直、いつも頼りになる先輩方に悩み事を打ち明けられたときは、少し嬉しかった。よき後輩で居れていると実感できました。俺もYさんもどっちかといえば日の目を浴びないタイプの社畜体質なので振られた仕事は全部やろうとする。でお互い愚痴る。みたいなのが本当に日常茶飯事で、まあなんやかんや楽しかったです。あと、俺が言えた話じゃないのはわかってますが、さすがにもう少し口が重い方がいいと思います。おかげで結構苦労しました。あとガラスのメンタルも何とかしてください。つか一緒に何とかしましょう。

グダグダ書きましたが、同部屋で過ごせて、一緒に仕事ができて本当に良かったと思います。ありがとうございました。留学先でも頑張ってください。

To H

 こいつが書いて欲しいといったので(かなり誇張している)本腰入れて書こうと思います。
Hさんとは、当初そんなに仲良くありませんでした。というかこいつに関しては後輩への接し方が下手すぎる。Hさんのキャラ的にはもう少しガツガツ行った方がいいと思います。俺側から距離を詰めてたからか、当初はまあ仲良しくらいだったかなあ。一気に親しくなったのは夏休み明けくらいからですかね。多分初めて2人で銭湯に行った時にお互いの評価がガラッと変わったと思います。サシで喋って分かることなんですけど、そもそも話が上手いし惹き込まれる。あと会話の随所に思いやりだとか、言葉選びに結構気を使ってるところだとか、後はポリシー的なとこまで感じ取れる。また別なところだが、結構大きな会議体とかでも、相手を批判するときでさえ、相当柔らかくしたり、おちゃらけたりして角が立たないように立ち回ったうえで意見が言える。そういうところで一定評価を下げてしまうこともあるとは思いますが、そういった冷ややかな目に対して基本的には飄々と生きている。ふざけているようで真剣に将来を見据えて何が必要か把握し順々に備えている。あと、本当に尊敬している部分が相手に対する真剣さです。俺は、Hさんはサシで接してこそ、すごさというか長所がにじみ出るタイプだと思います。Hさんとよくすることとしては大体ランニングか銭湯ですが、Hさんの悩みとか経験談だったり、いつも考えていることだとか結構カミングアウトしてくれます。Hさんは自分語りは嫌いという発言を良くしているが、その上でよく自分語りをしている。そういう部分に一定嫌悪を感じながらも、一貫性はない方がいいだとか言ってごまかしている。また相容れない部分の否定や説教もものすごく上手い。傷つかないように立ち回っている。普段はあまり見せないHさんのいいところ、皆さんお買い得ですよー。と言いつつも褒めすぎると調子に乗るのでこの辺で。

 やっぱ、まだ足りないわ、1つだけ。Hさんに言われて一番うれしかったのは「お前と喋っていると本当に励まされるときがある。」という言葉だった。その場面は真剣になやむHさんと話を聞く俺の構図だったが、Hさんには悪いが俺はそのセリフが嬉しかったために少し笑ってしまったかもしれない。Hさんと出かけると、俺が話す側でも聞く側でも元気づけられる。最早能力の次元ではなかろうか。

 Hさんがこういうゴタゴタ理屈をこね言葉を並べることや人間を客観的に見てグダグダ分析するのが嫌いと知ったうえで、こんな稚拙な文章を書き並べてしまい申し訳ありません。恥ずかしいのはお互い様なので、自信なくなった時にはこのアホな賛辞を食い散らかして、またのし上がってください。日頃の努力から留学まで応援しております。

追伸 また銭湯行きましょう。恋バナしよ(笑)。

・終わりに
 
 熊野寮に入って感じたのは圧倒的に他人との距離の近さである。仲の悪いやつ、仲はいいのになんか空回りしてしまうやつとも近い距離で接しなければならない。そして、そのために他人が非常によく見える。あとこの寮で言葉というものが重んじられているために、メタ認知や内省といった自分を見つめなおす行為に今年は果てしないリソースを割いた。(ちなみに自分の精神状況のせいでもある)。そろそろ前を向かねばなあと思っているのに、また今日も心の爆弾が増えてしまった。毎日、人に尽くしても報われないなあと愚痴を述べながら、終わりとさせていただきます。読んでいただきありがとうございました。
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