休暇


俺はコンパス、メイリンはターミナル。こうも職場が離れては2人で会うどころか連絡も中々取れない。だからたまに休暇のタイミングがあってその上休暇場所が近いときには2人の時間を過ごすようにしている

ミネルバに居た頃はいつも一緒だった分、離れてることに寂しい気持ちはある。けどその分2人の時間をより大切にするようになった気がする。前の大戦では俺もメイリンも色々あったし失ったものも多いけど、今こうして2人でいられるのは幸せなことだ

「ん?シン、どうかしたの?私の顔に何かついてる?」
「そうじゃなくてさ、久しぶりに落ち着いた時間だなって」
「んー?確かにそうだよねー。シン達はプラントと地球の往復を繰り返して、ミネルバのときより大変でしょ」
「それは…そうかも。でも俺なんてキラさんに比べたら大したことないよ」
「あーキラさんは本当に大変そうだよね。今回の休暇、ラクスさんと一緒に過ごせるのかな」

キラさんは今も相変わらず忙しそうだ。MS隊の隊長としての仕事以外にもコノエ艦長やハインラインさんと難しそうな話をしてたり、いつも働いてる。それでも…

「大丈夫じゃないかな。最近は無理しないようにしてるみたいだし、今回の休暇も総裁と過ごすために色々調整してたみたいだから。…俺もキラさんを助けられるようにならないとな」
「シンはシンで役に立ってるし、キラさんも感謝してるって。大丈夫、大丈夫」

「それよりー?今のシンには他に気にすることあるでしょ」
「え?他にって言われても…何を」
「キラさんのこと考えるのはいいけど、恋人と一緒なのに他の人の話ばっかりなのはどうかなーと」
「あ。違うって。別にメイリンのこと考えてないわけじゃなくて、ちゃんと」
「なんて、冗談だよ。シンと一緒に居るのが嬉しくて、つい。ゴメンね」
「俺の方こそ、そうだよな。久しぶりに一緒にいるんだし、楽しまないとな」


「シーンー、そっちはどんな感じ?こっちは終わったよー」
「もう出来るよ。でもメイリンって外で食べようとしないよなー」
「もちろん。やっぱり休暇はシンの手料理を食べてこそだからね。あーミレニアムからキャバリアーにシンのお弁当配達って出来ないかな」
「いや、それは無理だろ。大体、出来てもアスランやアスハ代表をなんて説得するんだよ」
「それは…シンの愛情弁当が食べたいです、私の原動力なんですって。駄目かなー」


「シンって最近はどんな本読んでるの?」
「どんなって…最近は本を読む時間もあまり無かったし、気になってた本を適当に」
「どれどれ…っと。うーん、シンの好きな本ってやっぱり普段のイメージと違うよね」
「似合わなくて悪かったな。っていうかメイリン、ちょっと重いから」
「重っ!?…ちょっとシン!いくら彼氏でも女の子に…いや彼氏なら尚更それは禁句だよ!」
「あーいや、ゴメン。つい、じゃなくって…その」
「ゴメンじゃなーい!シルエット(クッション)射出!えいっ!」


「なぁーもう許してくれって。謝るからさー。この通り」
「別に謝らなくてもいいよ。ミネルバに居た頃より体重増えたのは事実だしー」
「増えたって言っても太ったわけじゃないんだし、別に気にすることないじゃん」
「へーそうなんだ。じゃあシンにはどこが増えたか分かるのかな。どこが増えたの?」
「いっ!?それは、えっと…その…が…きく…分…」
「んー聞こえませーん。はい、もっとはっきり」
「だから!…メイリンの胸が…大きくなったから…その分が。ってもういいだろ///」
「シンの大好きな、ね。さすがシンだよねー。見ただけで分かるんだもん」
「そりゃ分かるよ。ずっと見てるし…それに…」
「うんうん。で、シンは“これ”をどうしたいのかな?見たい?触りたい?…ってあれ?」
「そっちがそんなこと言うならこっちだって。覚悟しろ、メイリン!もう我慢しないぞ!」
「え、ちょっと、シン…?待って。駄目だって、シンってば。まだ…」


「あっという間に休暇も終わりだねー」
「だな。また俺はコンパスの、メイリンはターミナルの活動だ」
「うん。ちょっと寂しいけど頑張ろうね!」

短い休暇はもう終わり。もっとメイリンと一緒に居たいって気持ちはある
でも、こうして2人で過ごした時間が終わる度に「こんな時間をまた過ごすために」って気持ちにもなる。そしてそんな平和な時間がずっと続く世界を目指して一歩一歩進んでいくんだ。俺もメイリンも、キラさん達も


「あ、隊長!おはようございます!」
「おはようシン。休暇中はゆっくりできた?」
「はい。久しぶりにメイリンと一緒に。楽しかったです」
「そう、よかったね。今日からまた大変だけど、お互いに頑張ろう」
「はい!あ、それで隊長のほうはお休みは」
「うん?あぁ、大丈夫。僕も久しぶりにラクスとゆっくりできたよ。楽しかった」
「ならよかったです。あの、隊長は色々大変だと思いますけど、俺に出来ることがあれば遠慮なく言ってください」
「ありがとう。でも、そう言ってくれるなら早速遠慮なくいいかな?実はシンに頼みたいことがあって。あとでハインライン大尉のところに…」


「休暇はどうだった?ちゃんと休めたか」
「はい、私もシンもしっかり休めました。おかげさまで絶好調ですよ」
「そうか、ならいい。シンも大分落ち着いてるみたいだし…まぁ良い傾向だな」
「あれ?アスランさん、シンのこと気にしてるんですか」
「気にしてるというか…シンとは色々あったし少しはな。君が…今はキラも居るし、そう心配はないだろうが」
「気になるなら今度の休暇はご一緒しますか?意外とシンも喜ぶかもしれませんよ」
「それはないだろ。シンも君と会うときに俺の顔なんて見たくないだろうし、遠慮しておくよ」
「ホント面倒ですねーお二人の関係は。あ、そうだアスランさん」
「何だ?」
「ミレニアムからシンのお弁当を毎日キャバリアーに届けてもらうって無理ですかね?」
「はあ?」
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