新婚キタちゃん 3月30日編
作成日時: 2024-03-30 08:50:42
公開終了: -
「やりたいことですか?」
「ああ。なんでも言ってくれ」
「う~ん……。そんなことを言われても、急には思いつかないですよ」
「それもそうか……」
「……もしかしてですけど、今日って何かの記念日だったりしますか?」
「えっ! ……と……。そう……だな……」
「ふふ……やっぱり。急にそんなこと言うなんておかしいですもん」
「うっ……そんなにおかしかったか……?」
「はい、凄く」
「そ、そうか……。くっ……もっと自然に出来ないのか……俺は……」
「ま、まあまあ……。そこまで落ち込まなくても大丈夫ですよ……。そ、そうだ! 結局今日は何の日なんですか! あたし……気になります!」
(めちゃくちゃフォローされてるな……俺……)
「……今日は妻がうるおう日らしいよ」
「うるおう……ですか?」
「ああ。今日は年度末になるだろ? だから今日までの努力をたたえて、新しい年度に向けて感謝を伝えると共に、自分が喜ぶことをしてもらう日なんだって」
「へぇ~……何だか嬉しい日ですね……って、あれ? でも、年度末って言うなら明日の方が良いような……。なんというか区切りが悪くないですか?」
「まあ……そうなんだけどな……。こういうのって企業が制定するだろう? だからその……あるヨーグルトの発売に合わせてこうなったというか……」
「な、なるほど……。ま、まあ良い日なのに違いは無いですからね! それだけで十分です!」
「だよな。だからこそなんでも言ってくれ! 君の叶えたいことを叶えてたいんだ!」
「う、うええ!?」
(ご、強引な……。でも割とこういうところあるんだよね……結構頑固というか……。まあ……そういうところも……ゴニョゴニョ……)
(って、そうじゃなくて! やりたいことだよ! でもやりたいこと……というか、やってもらいたいことだよね? う~ん……いつも色々やってもらってるし、これ以上何かを望むのはちょっとなあ……。でも決めないとだし……う~ん……。……そうだ!)
「……何でもいいんですか?」
「ああ、勿論!」
「……ふふ♪ それなら……トレーナーさん!」
「は、はい!」
「あそこのソファーに座って下さい!」
「そ、ソファーに? わ、分かったよ……これでいいのか?」
「はい! ……ではあたしも失礼して……」
「キタサン? 何で俺の膝に頭を置くんだ? これじゃあまるで……」
「ふっふっふ……気づかれてしまいましたね……。そうです! これは膝枕ですよ!」
「……だよな。えっと……これがやりたかったことなのか?」
「はい!いつもはあたしが膝枕する側なので、逆もしてみたいなと思いまして!」
「そ、そうか……まあこれくらいならお安い御用だが……う~ん……」
「えへへ……ちょっと硬いかもだけど何だかしっくり来る枕だぁ……」
「お、おう……なんか変な感じだな……いつも君はこんな感覚になってるのか?」
「まあ……概ね……そうですね……」
「……って、もう眠たそうにしてないか?」
「だって……気持ちいいんだもん……。あっ……そうだ……頭も撫でて……」
「……よしよし」
「はふぅ……幸せ……だ……なぁ……」
「キタサン?」
「すぅ……すぅ……」
「本当に寝ちゃった……。これが本当に叶えたいことだったのかな? ……よしよし」
「……えへへ」
「ふふ……まあ今はこの笑顔だけで十分かな? また起きた時に何かあるか聞いてみよう」
「だい……すき……」
「うん、俺もだよ。いつもありがとう、これからも末永く宜しくな」
お知らせ
実務でも趣味でも役に立つ
多機能Webツールサイト【無限ツールズ】で、日常をちょっと便利にしちゃいましょう!
▶無限ツールズ