ヤンデレステラ概念


目が覚めた

シンとずっと一緒に居るためにと私が操ってたデストロイと呼ばれていたMSを使い、シンと一緒に死のうとしたのだが
フリーダムだとか呼ばれていたアイツに邪魔をされ失敗した私はせめて愛するシンに私を残そうと彼に精一杯の愛を告げ、愛する彼の暖かな腕の中で死んだはずなのに

ここで目を覚ます直前のシンに私の想い伝え意識が途切れたのを思い出しやはり私は死んだのだと確信した

私には、『昨日』がなかった。
気づいた時にはネオやアウル、スティングと一緒に居て、なんとかペイン?でザフトと戦って
何かを感じて、何かを覚えて
死にたくないから誰かを殺して
生きてる事に安心して
そしてまた気づいた時には戦って生きていること以外何も覚えてないままそれだけを繰り返していた
死ぬのは怖い、死ぬのは嫌、死ぬのは……
そうやって、死に怯えながら

でも、あれだけ怖かった筈の死が
怖いどころか待ち遠しいものに変わったのは、シンと出会ったおかげだ
シンと出会って、シンが抱き締めてくれて、シンが私を守ると言ってくれて、シンを好きになって、
シンを愛して、

シンと、一緒に死にたくなった

シンと出会った途端、まるで身体中に纏わりついていた重い荷物が全部綺麗に無くなったかのように体が軽くなった
そのおかげで、やってきた死を恐れず受け入れることができた
ただシンを連れていけなかったのは残念だが……

「…ここ、どこ?……シン?」

目覚めたこの場所は真っ暗で
でも何故かシンを感じる暖かな場所だった

「…あったかい…ふふ……」

大好きなシンを感じている
シンが…私を包んでくれている

「あっち…もっと感じる…」

ふと、シンを強く感じた方向に向かって足を動かす
しばらく歩いていると私を呼ぶ彼の声が聞こえてきた

『ステラ……』
「シン!」

私を呼ぶ優しくて、愛しい彼の声
その声を聞いたとき、私はここがシンの中だと理解した

『…ステラ…ごめん…!守れなくてごめん…!』
「…?シン?どうしてあやまるの?どうして泣いてるの?」

けれど、聞こえてくるのは悲しい声
私の名を呼んで泣いている声

なんで?どうしてシンは泣いているの?
シンはステラを守ってくれたよ?
何もかも覚えていさせてくれなかったステラが
シンを大好きなままで居させてくれたんだよ?
一緒に死ねなかったのは、嫌だけど

「ステラ、シン怒ってなんかないよ!シン!」

悲しんでいる彼を見たくない、その思いでシンに声をかける
でもシンに私の声は届かない

シンの中にいるのに
シンと一つになれてるのに
シンと、触れ合えない

『──────フリーダム……!!』

優しいシンからは想像もつかない怒りに満ちた声
そしてまた耳にするアイツの名前、フリーダム。

ステラを殺してそして今、シンを変えてしまったわるいやつ
アイツのせいでステラ達は一緒になれなかった
今度はシンを苦しめてるの?

そんな事を考えているうちにシンの声は聞こえなくなった。
シンの声がまた聞こえてきたのは
それから少しだけ経った後だった

『アンタがステラを殺した!
止まっていたんだ彼女は!
俺の言葉を聞いて止まろうとしたんだ!!
死にたくないって、言ってたんだ!!
そんなステラを!!
アンタはァ!!
殺したんだァァァァァァァ!!!!』

ここで目を覚ます瞬間まで私とシンが最後に言葉を交わした場所とは違う
一面が雪に包まれた場所で2機のMSが戦っている。
それはシンが操る機体とアイツ、フリーダムと戦っている光景だった
聞こえてきたシンの声は怖くて、本当にシンの声なのか疑ってしまうほど怒りに満ちた声だった
そして今度はシンが見ている景色が見えるようになっていた

『アンタは俺が討つんだ!』
「シン……」

シンが悲しんでいる
シンにそんな思いをさせた事が悲しい
優しいシンを歪めてしまった事がとても悲しい

……………でも

『今日!!』
「シン……!」

でも…!

『此処でェェェェェェェェェ!!!』

でも!!

「うれしい……!」

ステラが死んでも、シンは、ずっと
ステラを想ってくれている!
それが!とても!嬉しい!
ステラのせいでシンが苦しんでいる
ステラの為に怒ってくれている!

悲しいのに嬉しい
矛盾しているのに心地の良い感覚が私の全身を駆け巡る

「やっぱり、シンとステラ、一緒!」
「ステラとシン、好き同士!!」

初めて出会った時から決まっていたのだ
私達は結ばれるべきなのだと
あの海で肩を並べて暖め合った時から
…いや、彼に抱き止めてもらった、お互いの名前すら知らなかったあの時から
ステラはシンと、結ばれる事が決まっていんだ!

そんな確信と共に
歓喜に打ち震えながら
興奮を鎮める為自分の体を抱き締める

「シン苦しんでるのに……でも!嬉しいの!!
ごめんねシン!ごめんね!!うふふ!アハハ!!」

シンの操る機体が突き出した刃がアイツを貫く瞬間を最後にまたシンの声は聞こえなくなった

「シン!好き!ステラも、シン!大好き!!ふふふふふふふふ!!」

そんな事も気にならない程に
シンに想われていたことが嬉しかった
また、逢える時が待ち遠しい

死が私達を遠い世界に引き離しても
私はシンのそばにいる
私はシンをすぐ近くに感じている

はやくまた会いたい
この暖かな世界で2人きりでずっと居たい
ああでも此処はシンの中だからシンがこっちにきたら別のとこにいくのだろうか
まあそんな事はどうでも良い
はやくシンに会いたい
はやくシンに愛されたい

はやく、はやく、はやく、はやく───

「シン、連れてきたい。はやく、こっちに…」

はやく、一緒になりたい

「……それに」

次に映った光景
それはどうしても許せないものだった

それは、シンが

「こいつ」

あの海で私達の間に入った赤毛の女と

「邪魔」


口付けを交わす光景だった
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