秘密


寒い朝、いつものようにスーツに着替え自室から出る。

ロビーに向かうと脹相と虎杖が乙骨達と何やら話し込んでいた。
話の内容は聞こえてこないが議論が白熱しているようなので輪には入らず彼らを遠巻きに見守る事にした。

側にある椅子に腰掛けて送る視線の先は…まずは虎杖。今日も元気そうだ。予定では暫く日下部との鍛錬が続くらしい。

そして脹相。
彼とは昨夜も深く愛し合った。
日付が変わる前には別れたが、体調に問題は無いだろうか。負担を強いている気もするが、半呪霊の体質は本人にも分からない事が多いらしく心配だ。ここから見る限りは大丈夫か…?

それにしても彼の立ち姿は綺麗だ。こういう関係になる前は特に気に留めなかったのに不思議なものだ。

彼の紫色の上着は胴が絞ってあり腰の細さが際立つようになっている…誰かに掴まれたりしないか心配だ…。
首元を覆うネックウォーマーに隠れた鎖骨…昨夜キスマークを付けた事は俺達の秘密だ。
あの白い上衣。実は脇下が大きく開く仕様と聞いた時は驚いた。胴周りにダイレクトに手を入れられると言う恐ろしくエロティックな用途で活用させて貰っているが、本来の用途は分からないと脹相は言っていた…。
袴は厚地ではなくで透けやすいらしいが、紫の上着で隠れるから問題無いと脹相は言う。これは対外的に良くないので事が治まったら代替を提案してみるか…。
(ここまで約0.1秒※妄想ではないので東堂よりやや遅い)

「…、……車!日車!」
ハッとして我に返る。虎杖が俺を呼んでいたようだ。ポーカーフェイスを被り直して彼らの元に向かう。
「すまない。…その…考え事をしていた。」
「日車でもボーっとする事ってあるんだな…意外」
「俺も一応人間だからな。」
一同が笑う。脹相も微笑んでいるのを見て心が温かくなる。

そう、人間ならは誰しも秘密を持つものだ。
俺だけが知っている脹相の秘密。これからも、誰にも話すつもりはもちろん無い。
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