ルール#
人狼側と村人側に分かれて、戦う。
人狼は、正体がバレないように、村人を殺す。
村人側は、人狼側を見つけ出すと勝利
―第一勢力(村人側)―
・村人(むらびと)
何も能力を持たない村人サイドのプレイヤー。できることは、推理と追放するプレイヤー を決めることのみ。現在の情報を元に推理し、生き残れ。
・占い師(うらないし)
誰か1名を指定して人狼か否かを知ることができる。人狼ゲームで最も重要な役職の一つと言える。知ることができるのは、人狼であるか、そうでないかの2択、占い先が役職持ちであったとしても、占い師は村人としかわからない。(狂人や狩人を占っても村人と出る。)
・霊能者(れいのうしゃ)
殺された人が人狼だったか、それ以外かを知ることができる。死んだ人の声を聞くことができる。本物の占い師を見つけ出すのに役に立つ。
・狩人(かりうど、)
誰か一人を人狼の襲撃から守ることができる。狩人が守っている人を人狼が襲撃した場合、襲撃は失敗し、犠牲者は発生しなくなる。ゲームによっては、同じ人を守り続けることは出来ない。
・共有者(きょうゆうしゃ)
お互い、共有者であると認識し合うことができる。誰が何の役職かわからない状況で、確実に村人であるとわかりあえる関係は非常に重要。また、想像以上にテクニカルな役職でもある。
―第二勢力(じんろう)――
・人狼(じんろう)
人の皮をかぶった狼。村人を一人襲撃して食い殺す。噛む、とも言う。人狼は人間に対し、1対1では力で勝てますが、相手が村人2名だと勝てない。よって、人狼の数と村人の数が同数になるまで、村人に人狼だと悟られないように、こっそりと一人づつ殺していく。
・狂人(きょうじん)
素性は村人だが、人狼に加担する人。人狼サイドが勝利することで、狂人も勝利となる。占い師に占われても村人と判断される。人数カウントも村人としてカウントされる。だれが人狼なのかを知ることはできない。
・狂信者(きょうしんしゃ)
素性は村人だが、人狼に加担する人で。人狼サイドが勝利することで、狂人も勝利となる。占い師に占われても村人と判断される。人数カウントも村人としてカウントされる。ほぼ狂人と同じだが、違いは、誰が人狼か知ることができる。そのため、狂人よりもうまく人狼のために立ちまわることが可能。
―第三勢力(その他)―
・狐(きつね)
仲間を持たない単独の勢力。村人サイドか人狼サイド、どちらかが勝利した瞬間に生き残っていることで勝利となる。その場合勝ったはずの村人や人狼は、ゲーム上は負けとなる。
また、人狼に襲撃されても死なないが、占い師に占われると呪殺で死んでしまう。
勝利条件:ゲーム終了時に生き残っていること
・背徳者(はいとくしゃ)
狐/妖狐に加担する村人。人数カウントは村人。狐陣営が勝利した時に、背徳者も勝利となる。背徳者は誰が狐か知ることができる。逆に狐は誰が背徳者か知ることができない。
その他にも色々あるが、この作品で出てくるのは、これだけ。
第一話 準備#
ある平和な時、全世界で大量虐殺が起こる事件があった。
これは、その事件を綴(つづ)ったものだ。
*
?「さぁ人間たち、私に、操られ、争え! 」
ある人の一言で、世界がころっと変わってしまった。
?「さぁ『人狼ゲーム(大量虐殺ゲーム)』を始めようか…… 」
男「おおっ なんだコレ」
彼の、胸のあたりに、『人狼』と書かれていた。
周りを見た感じ、他には、見えていないようだ。
男「人狼ゲーム……ガキの頃やったっけな? 懐かしい」
昔を思い出しながら、歩く男の後ろから、野獣の唸り声が聞こえた。
狼「ガルルルル……」
男「お……狼! 逃げ….」
逃げようと前を振り向いた瞬間に、狼は、男の背中を腕で突き刺し、殺した。
狼「ガルルルル……」
狼は、男のものを身につけ、人間に憑依した。周りには見えていないため、ゆっくり丁寧に行った。
人狼「ぁあ……うるさい まだこいつの声がする」
*
彼が、殺された、後に周りにも表記が現れた。
女「『狐』? なん……」
でてきた、表記とともにそれにあった処理が行われた。
結斗「『村人……』なんだ? なんかが頭に流れ込んでくる」
彼は、結斗。高校生だが、人狼に参加させられ、村人になった。
全員の脳内に、ルールと役職、マップが送られた。
男「『村人』今は……タワー前広場? いや俺、公園にいたよな」
世界という名の次元が変わり、時間や、場所などが変わった。
――異世界内時間 0:23――
たくさんの人達に送られた、ルール書はこうだ。
――ルール――
0.異世界内時間 1:00 二開始。
1.人狼、村人二分カレル
2.人狼ハ、村人側二バレナイヨウニ村人側ヲ殺害
3.狐ハ生キ残ルト勝チ
4.背徳者ハ、狐ガ勝ツト勝チニナル
5.村人側ハ、人狼ヲ全員、追放スルト勝チダガ、村人側ヲ三回殺シテシマウト、負ケ
6.プレイヤーニハ、殺スor追放用二小型ナイフヲ配布
7.負ケテシマッタ側は、全員、皆殺シ
という内容のものが流れた。
他には、各役職のルール(本紙の上に記載)が流れた。
三十七分後、ついに始まってしまう、『人狼ゲーム(大虐殺ゲーム)』が…
誰が勝つのか。
第二話 白と黒#
――前回のあらすじ――
『人狼ゲーム(大虐殺ゲーム)』が始まる!
何人ものプレイヤーに役職が与えられる中、殺される人たちも!
激動の第二話 スタート
*
――異世界内時間 0:30(ゲームスタート30分前)――
少し歩くと、殺された人の血が滴っていた。
結斗「何だ? これ……」
建物の中は、血で染まり、野獣の匂いや毛が落ちていた。
?「スタートまで残り30分…… いやぁ自己紹介が遅れていましたね私は『ゲームマスター』です」
結斗「俺は、村人だからまだ生きてたけど…もしかしたら……」
ゲームマスター「さて、もうそろそろ準備も終わりだ」
ゲームマスターが、こう言うと、全員が、『ウォー』と叫び声を上げた。
全員の肌が白い。『記憶喪失』にでもなったのか? と思ったが、何故か自分は違った。
と、俺は、走り回り、先に道を覚えておいた。
――異世界内時間 0:59――
ゲームマスター「あと一分です。 もうそろそろ準備位置にテレポートさせます」
というと、ゲームマスターは俺たちプレイヤーをランダムに飛ばした。
――異世界内時間 1:00――
ついに時間になり、鐘がなった。
ゲームマスター「スタート!」
結斗「一旦、あそこへ走る!」
俺は、走りながら考えていた。
結斗「一番厄介なのは、狐かなぁ。俺らが勝ってもこいつが生き残っていたらみんな死ぬ。追放早めに だな」
と考えてる間に、奥から、人が走ってきた。
葉菜「おーい! 君って村人だよね? 」
結斗「あ……ああ」
突然すぎる出来事に、焦って返してしまった。
葉菜「あれ? 焦ってる……
もしかして人狼?」
さっきまで、優しかった、女の子の目が、きつくなり、圧だけで死にそうだった
結斗「違う…違う! 俺は村人だ 君は?」
葉菜「……本当? 」
きつく激しい眼光をこっちにしばらく向けていたが、急にそっぽを『プイッ』と向きこういった。
葉菜「ハァ…絶対童貞じゃん。私は霊能者(れいのうしゃ)。仲間よ」
結斗「わかった。俺は結斗(ゆうと)だ」
葉菜「私は葉菜(はな)よろしく」
その途端、急に、放送のブザーが鳴る。
ゲームマスター「プレイヤーに告ぐ。村人『古色 草摩』(こしき そうま)が死亡! 霊能者のチャンスかも!」
葉菜「私の出番ね…… ここは……東灯台前。死んだのは、東灯台前広場。近いわね」
というと、葉菜は、手を結び祈り始めた。
葉菜「故人『古色 草摩氏』声よ私に答えよ」
――霊能者 能力――
殺された人が、人狼だったか、それ以外かを知ることができる。死んだ人の声を聞くことができる。本物の占い師を見つけ出すのに役に立つ。
草摩「俺の役職は……占い師だ」
葉菜「やはり、聞けるのは役職だけか……けど、占い師をひとり失ったとなると少しきついかも……」
結斗「葉菜! 後ろ……人狼だ」
*
第三話 不屈#
――前回のあらすじ――
結斗は、霊能者の『葉菜』と出会い、時をともにする。
だが、はじめの脱落者が現れ、葉菜は、能力を発揮する。
その間に、人狼に追われていて……
*
葉菜「いやいや、どう見ても人間でしょ」
結斗「いや、腰元を見ろ、ナイフ。血がついている。多分……あの人を殺したんだ」
葉菜「クソッ……逃げるわよ」
目の前の『人狼』の腰元を見た葉菜は、焦り、走り出した。
結斗「いや、囲まれてる」
葉菜「……万事休すか」
二人を、多数の人狼らしきプレイヤーに囲まれていた。
結斗「俺……見たんだ。狼が人間に憑依するところ」
葉菜「形だけの人間……殺す?」
その途端、上から風を切るような、音がなった。
?「おい、お前ら何してんだ?」
結斗&葉菜「誰?」
?「あ! 多分女の方とは会ったっけな」
彼は、空を飛びながら、話していた。
葉菜「……お前か」
結斗「誰(二回目)てか、助けて」
?「メンゴメンゴ」
彼はこう言うと、俺たち二人の手を取り、空を飛んだ。
?「あ…自己紹介が遅れたね。僕は、『如月 郷』(きさらぎ ごう)だよよろしく」
結斗「役職は? 」
郷「狐! 」
意味不明な言葉に、俺達は、敵意を剥き出しにし、ナイフを取り出した。
結斗「おい、偽物! 」
郷「は? あぁそっか狐とか人狼とかは、入れ替わるために殺されるらしいからね」
葉菜「だからあんたも偽物(狐)でしょ」
郷「狐は、俺のこと殺しにきたから、殺し返した」
その言葉に、葉菜は、何かを思い出したような顔をした。
葉菜「あんた、『現役のプロボクサー』でしょ!」
郷「そ。そもそも君とは、前、通りがかりであったよね」
結斗「でもさ……なんで飛んでんの?」
郷「簡単な理由さ、人工の『飛行器』だよ」
飛行器。それは、ある科学者が、鳥の羽根と同じ原理で作ったものだ。
風を機械内に取り入れ、その衝撃波で、飛ぶ。
結斗「てかさ……一つ聞いていい? なぜ、こんなゲームが始まったんんだ? 」
郷「さぁ、俺は
あっち側の人間 じゃないからね」
と話している、うちに、安全なところに着き、下りた。
郷「さぁ、じゃあバイナラ」
結斗「なんで? 」
葉菜「団体のほうが安全でしょ」
郷「あいにく、こっちも暇じゃない、じゃあな」
というと、郷は、どこかへ飛び立っていった。
*
――異世界内時間 1:19――
場所:元東軍基地前
?「くっ……ナイフかすった。不屈の俺でも諦めるわ」
『人狼ゲーム(大虐殺ゲーム)』プレイヤー
占い師『吉田 太子』
*
第四話 混戦の香り#
――前回の復習――
元現役プロボクサーにより、助けられた二人。
占い師が、人狼に追われ……
激震の第四話スタート!
*
結斗「おい、葉菜」
葉菜「何よ」
結斗「あっちの方から、人狼の声聞こえね」
狼「ガルルルル……」
二人が、八百屋の台に腰を掛け話している。
太子「まじでさ……しつこい」
あるプレイヤーが、人狼に追われている。
人狼「殺す……喰う」
結斗「なぁ……あのおっさん助ける? 」
葉菜「助けよか」
と二人は、八百屋を足で蹴り、太子を助けに行った。
結斗「おい。おっさん」
太子「違いますぅー36です―」
葉菜「おっさんじゃんwww」
三人は、話しながらも、遠くへ一緒に逃げた。
結斗「ああいう奴らってさぁ―なんで殺さんの? 」
太子「ルールだよ。迂闊に殺して、もし村人なら、無駄なだけだ」
葉菜「私は霊能者。 あんたは? 」
太子「年上だろ! あんたじゃねぇ―。 占い師だ」
――占い師――
誰か1名を指定して人狼か否かを知ることができる。人狼ゲームで最も重要な役職の一つと言える。知ることができるのは、人狼であるか、そうでないかの2択、占い先が役職持ちであったとしても、占い師は村人としかわからない。(狂人や狩人を占っても村人と出る。)
葉菜「じゃああの奴等スコープ(診断)してよ」
太子「あ! 出来るの忘れてた」
彼は、こう言うと、後ろの奴等を占い始めた。
――診断結果――
全員…『黒』
太子「全員人狼だ! ころすぞ! 」
三人は、ナイフを取り出し、戦い始めた。
ゲームマスター「全く死なねぇじゃねえか。 手ぇ出すしかないか」
というと、ゲームマスターは、手を振りかざし、画面に向かって、殴った。
太子「くっ」
結斗&葉菜「なっ」
からだを殴られ倒れた、太子に、二人は、振り向き声を発した。
第五話 知りたくない#
――前回のあらすじ――
人狼に襲われていた、占い師の『吉田 太子』。
二人は、太子を助ける。
共闘していたが、ゲームマスターによる裁きで?…‥
*
太子「くっ」
結斗「おっさん! 」
太子は、みぞおちを思いっきり殴られ、気絶してしまった。
ゲームマスター「さぁ改めて戦え。争え。もがき踊れ」
葉菜「こっちは片付いたわよ」
結斗「ああ。こっちもだ」
葉菜「けどどうする? 病院に……って結斗? どうした? 」
結斗「……なんでもない」
この後、二人は、東灯台前病院へ行き、太子を送った。
結斗「葉菜……おっさん生きてるよな」
葉菜「一応。今のところはってかんじ。」
結斗「てか。なんで分かんの? 」
葉菜「能力」
この一言で俺は、全てを知った。
結斗「おっさん。父さんにそっくりだったよな……」
――11年前 東京――
結斗「……喧嘩売ってくんなアホが」
11年前、俺は一年生だったが学校の中でも六年に勝てるほど強かった。
母「結斗! 先生から聞いたわよ。また喧嘩したって」
結斗「あいつらが悪い」
母には、いつも学校のことを怒られていた。
母「でもだめ」
結斗「うるさい。しゃべんな」
この時早めな反抗期だったので、こう返した。
その途端、母の掌が、自分の頬に、思いっきり当たった。
母「あんたみたいな子、手におえません。少年院に預けます。さようなら! 」
結斗「待って。母……」
さっきまで、目の前にいたはずの母が、血を流して倒れていた。
結斗「っ………」
そして、リビング側から、銃を持った父が出てきた。
父「お前。なんでこっち側にいるんだ? 」
結斗「父さん……」
俺は、お母さんがだいっきらいだった。
だが、殺された瞬間には、『喜び』と『悲しみ』が出た。
結斗「ふっ……」
俺は、涙を流しながら、笑っていた。
この時初めて。俺は、父への憎悪と、母への喜びを、知ってしまった。
あんなクソみたいな母だったのに……
あんなにいい父だったのに……
俺は、知ってしまったんだ。知りたくなかったけれど。
第六話 悲しみの奏#
――前回のあらすじ――
ゲームマスターによりやられた、太子。
その姿を見て、家族のことを思い出す結斗。
結斗の過去編第二話。どうぞ!
*
一番悪かったのは、母さんじゃない。父さんだってことを。
俺のお母さんには、もうすぐに生まれる、俺の弟がいたのだ。
弟も死んだ。
結斗「と……父さん。なんで? 」
父「お前のためだ。結斗」
俺は、ショックで、大粒の涙を流していた。
結斗「僕の、弟は? 母さんは? 」
父「……死んだ。いや、殺した」
父の言葉に、腹がたった俺は、キッチンから、ナイフを取り出し、その刃を、父さんに向けた。
結斗「死……死ねぇーー」
父「……」
俺は、走り、父のみぞうちに、刀を突き刺した。
父「……っ」
即死だった、このあとも俺は、父に、何度も刀を突き刺した。
『ピーポーピーポー』
外で、パトカーのサイレンがなっていた。
結斗『自首しよう……』
ショックでおかしくなった俺は、なぜか、素直になってしまった。
警察「近隣住民の通報により駆けつけました。『日下部』です。家庭内捜索をさせていただいますがいいでしょう
か」
結斗「どうぞ……」
日下部は、奥に進み、何か恐ろしいものを見るかのような目で、俺と、遺体を見た。
日下部「僕? これは……何かな? 」
結斗「父さんと母さん」
日下部「君がやったの? 」
結斗「父さんは、僕が殺した。母さんは……父さんに殺された」
日下部「そうか……」
日下部は、何も言ってやれることがなく、黙り込んでしまった。
その後、父さんと母さんは、死亡が確認。
俺のもとには、警察の援軍が来て、俺を少年院に送った。
日下部「ごめん……こんなところに入れちゃって」
日下部から出た言葉は意外だった。ただただ自分が殺しただけなのに、それに同感してくれた。
この日から、俺は普通のこどもになれたのだ。
――出所当日――
あの日から三年。俺は、十歳になっていた。
俺が住んでいた家は、撤去され、外の空気はとてもうまかった。
景色も変わり、見慣れた光景を失ったこの街に、少し寂しさを感じてしまった。
*
こんな経験。絶望の一言でしかいない。
このことを思い出し、現在では泣いていた。
結斗「母さん……」
葉菜「大丈夫? 」
葉菜の言葉さえ無視してしまった。
葉菜「結斗。母さんは、結斗が好きだったんじゃない? 」
結斗「!!」
第七話 心外#
――前回のあらすじ――
昔のことを思い出し、涙を流す、結斗。
だが、葉菜の一言で……
*
俺は、葉菜が話した、一言で涙を流した。
葉菜「今は、前を向くしかない……」
結斗「うん」
俺がこう返すと、葉菜は、小さくため息を吐いて、立ち上がった。
ゲームマスター「さぁ、どんどん盛り上がっていったねー」
安心していた、途端に、ゲームマスターが話す。
結斗「葉菜! カーテン開けてくれ! 」
葉菜「う……うん」
俺がこう言うと、葉菜と俺は、病室のカーテンを開けた。
外には、焼け野原のような景色が広がっていた……
葉菜「ゆ……結斗! 」
結斗「……くっ」
俺は、舌打ちをすると、階段を下りていき、医者の人たちに挨拶をせずに、外に出た。
結斗「世界は? 」
緑は、一切なくあたり一面に、人の死体や血があった。
この恐ろしい景色に俺は声が出なかった。
男「た……助けてぇー」
結斗「す、すぐ助ける! 」
俺はこう言ったが、後ろから、何か唸り声が鳴った。
狼「グルルルルルル……殺してやる」
狼はそう言うと、男の体を貫き、殺した。
その途端病院から、葉菜が出てきた。
葉菜「ちょ…勝手に行……ってなにしてんの? 」
結斗「狼と戦うの」
葉菜「本気!?」
結斗「ああ」
とおれは言うと、手にちからを溜め、狼を思いっきり殴った。
結斗「おらっ。」
葉菜「まだ! 地面(した)にいる」
その瞬間、刀のような爪が下から上がってきた。
その爪は、俺の体にあたった。
結斗「……くっ」
葉菜「ゆ……結斗! 」
狼は、おれにとどめを刺そうと近づいてくる。
その瞬間、病院の上から、狼に向かって、ナイフが降り注いだ。
?「おい、何をしている。兄! 」
――人狼ゲームプレイヤー兼結斗の弟――
・酒井 卓斗(さかいたくと)
第八話 奇跡の軌跡#
――前回のあらすじ――
勇気を取り戻した結斗。
だが外は地獄絵図に!
人狼と戦う結斗。
そこに弟が来て?
*
俺は目を疑ったが、そこには、弟らしき面影があった。
俺は、弟の顔こそは知らないものの、何か自分ににていたのだ。
卓斗「情けないぞ! 」
結斗「……弟……なのか? 」
葉菜「これが結斗の弟? 」
二人は、動揺していたが、すぐに確信した。
・顔がにている
・俺を助けた
この理由からこう思った。
結斗「卓斗! お前役職は? 」
卓斗「役職?…… あぁ、村人」
葉菜「来るわよ! 」
人狼は、血まみれになったからだを立ち上がらせて、俺たちを殴ろうとした。
結斗「ちょ……」
卓斗「兄! 刀だ。戦え」
というと、弟は、腰元の刀を抜き、俺に渡した。
結斗「ああ。行くぞ! 」
『希望の道(アンラック)』
俺は、人狼のからだに刃を当て、思いっきり振った。
人狼「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
その場には、断末魔が響き続け、俺達は、耳を塞いでしまった。
卓斗「よくやった! 兄」
結斗「応! 」
その後俺たちは、人狼の最後を見届けた。
ゲームマスター「おいおい、何だこいつは? 」
執事「はい、彼は 酒井家の弟です。」
ゲームマスター「あぁ。こいつ、『人狼だろ』」
執事「はい」
ゲームマスター「こいつに酒井を殺させる」
第九話 変転#
本当にサボってすみません……
今日から毎日連載に多分戻すんで宜しくオナシャス!
――前回のあらすじ――
結斗の前に現れた弟『卓斗』。
共に共闘するが……
ゲームマスターによる、結斗暗殺作戦開始!
ゲームマスター「ってか、こいつ何でやらないの? 」
執事「さぁ」
ゲームマスター「まあいいや……そのうちってことでしょ」
――異世界内時間 4:00――
ゲーム開始から四時間が経過した。
状況はほぼ変わっていないが、死者は大量に。
卓斗「兄! あれを見ろ」
葉菜「え! あいつって……」
結斗「なんなん……だ」
俺らが空を見ると、そこには、空を飛ぶ人狼と、血まみれのプレイヤーが見えた。
プレイヤーは、人狼に首をつかまれ、すでに肌は青白くなっていた……
手遅れだ。
結斗「あ……あいつが何だ」
葉菜「え? 見えないの? 」
俺は、上を見上げたが、何故か、ボケて見えた。
卓斗「目は見える? 」
結斗「あぁ、少し見にくい」
俺らは、この瞬間俺の目元を見た。
卓斗「充血……」
俺は、疲労で、目が、死にかけていたのだ。
異世界内時間は、普通の時間と共通ではないが、異世界にいても、普通の時間は動いてい
る。
今は、4:00。
ゲームスタート時、現実時間では、九時だったので、今は現実時間、一時である。
葉菜「結斗……落ちついて聞いて……あのプレイヤーは、『如月郷』」
――如月郷――
二人が、人狼に襲われている時、二人を助けた。
能力は狐だが、襲われたときに、狐を殺したので、今は普通のプレイヤーだ。
結斗「如月……郷」
この名前を聞いた瞬間俺は、身体から臓器が出るほど叫び、したをしばらく向いた。
――異世界内時間 3:30――
郷「さて……二人逃したんはいいけど……あんた人狼だろ! 」
人狼「グルルルルルル」
郷は、二人を逃したが、その後、人狼に会っていた。
郷『いや……人間の姿をしていない……』
人狼「グルルルルルルルルルル」
郷「まぁ敵に変わりないしな。殺るか」
第十話 賢者#
――前回のあらすじ――
現実時間と異世界時間の重なり……
郷は、狼と出会い、戦闘開始!
郷「まぁ敵に変わりないしな。殺るか」
狼「グル……」
威嚇しているのだろうか……
狼は、こちらに、血のついた歯を見せて睨んできた。
郷「ふーん。怖くねぇ」
そう言うと、狼は、ジャンプをし、郷を狩ろうとした。
郷「上! 避けれるか? 」
狼「ヴォオオオオ」
狼の叫びで、地が揺れる。
郷『くっ……頭回んねぇ』
狼は、郷の身体をしっかりととらえ、床に打ち付けた。
郷「……っ」
狼「ガルル……」
その瞬間郷は、狼の目元に注目した。
目の色が違う。そして異常な力……
郷「強い……」
狼「グルルル(我が名は、イザベル。『超級狼(エリートウルフ)』である)」
――超級狼ってなんぞや?――
ゲームマスター直属の人狼。
力は、異常で、普通のプレイヤーなら、瞬きする間に殺せる。
郷「何だ? 言っていることが……」
イザベル「人狼……人狼と……我々には名前があるのだ! 」
郷「チッ……勝てるか? これ」
郷は、ただ普通のプレイヤーより強いだけで、普通に変わりない。
イザベル「『神殺し(エル・プラント)』」
イザベルは、手から、雷を落とした。
郷「……っ。く……らえ『反射(カウンター)』」
イザベルと郷の間が光っている。
――反射ってなんぞや?――
郷が働いていた会社の技術の一つ。
飛行機の羽のように、攻撃を一つの部分に集め、切り、その場に留めさせる。