人狼ゲーム


ルール#

人狼側と村人側に分かれて、戦う。

人狼は、正体がバレないように、村人を殺す。

村人側は、人狼側を見つけ出すと勝利

役職#


―第一勢力(村人側)―

・村人(むらびと)
何も能力を持たない村人サイドのプレイヤー。できることは、推理と追放するプレイヤー を決めることのみ。現在の情報を元に推理し、生き残れ。

・占い師(うらないし)
誰か1名を指定して人狼か否かを知ることができる。人狼ゲームで最も重要な役職の一つと言える。知ることができるのは、人狼であるか、そうでないかの2択、占い先が役職持ちであったとしても、占い師は村人としかわからない。(狂人や狩人を占っても村人と出る。)

・霊能者(れいのうしゃ)
殺された人が人狼だったか、それ以外かを知ることができる。死んだ人の声を聞くことができる。本物の占い師を見つけ出すのに役に立つ。

・狩人(かりうど、)
誰か一人を人狼の襲撃から守ることができる。狩人が守っている人を人狼が襲撃した場合、襲撃は失敗し、犠牲者は発生しなくなる。ゲームによっては、同じ人を守り続けることは出来ない。

・共有者(きょうゆうしゃ)
お互い、共有者であると認識し合うことができる。誰が何の役職かわからない状況で、確実に村人であるとわかりあえる関係は非常に重要。また、想像以上にテクニカルな役職でもある。

―第二勢力(じんろう)――

・人狼(じんろう)
人の皮をかぶった狼。村人を一人襲撃して食い殺す。噛む、とも言う。人狼は人間に対し、1対1では力で勝てますが、相手が村人2名だと勝てない。よって、人狼の数と村人の数が同数になるまで、村人に人狼だと悟られないように、こっそりと一人づつ殺していく。

・狂人(きょうじん)
素性は村人だが、人狼に加担する人。人狼サイドが勝利することで、狂人も勝利となる。占い師に占われても村人と判断される。人数カウントも村人としてカウントされる。だれが人狼なのかを知ることはできない。

・狂信者(きょうしんしゃ)
素性は村人だが、人狼に加担する人で。人狼サイドが勝利することで、狂人も勝利となる。占い師に占われても村人と判断される。人数カウントも村人としてカウントされる。ほぼ狂人と同じだが、違いは、誰が人狼か知ることができる。そのため、狂人よりもうまく人狼のために立ちまわることが可能。

―第三勢力(その他)―

・狐(きつね)
仲間を持たない単独の勢力。村人サイドか人狼サイド、どちらかが勝利した瞬間に生き残っていることで勝利となる。その場合勝ったはずの村人や人狼は、ゲーム上は負けとなる。
また、人狼に襲撃されても死なないが、占い師に占われると呪殺で死んでしまう。
勝利条件:ゲーム終了時に生き残っていること

・背徳者(はいとくしゃ)
狐/妖狐に加担する村人。人数カウントは村人。狐陣営が勝利した時に、背徳者も勝利となる。背徳者は誰が狐か知ることができる。逆に狐は誰が背徳者か知ることができない。

その他にも色々あるが、この作品で出てくるのは、これだけ。

第一話 準備#


 ある平和な時、全世界で大量虐殺が起こる事件があった。

これは、その事件を綴(つづ)ったものだ。

                            *


?「さぁ人間たち、私に、操られ、争え! 」

ある人の一言で、世界がころっと変わってしまった。

?「さぁ『人狼ゲーム(大量虐殺ゲーム)』を始めようか…… 」

男「おおっ なんだコレ」

彼の、胸のあたりに、『人狼』と書かれていた。

周りを見た感じ、他には、見えていないようだ。

男「人狼ゲーム……ガキの頃やったっけな? 懐かしい」

昔を思い出しながら、歩く男の後ろから、野獣の唸り声が聞こえた。

狼「ガルルルル……」

男「お……狼! 逃げ….」

逃げようと前を振り向いた瞬間に、狼は、男の背中を腕で突き刺し、殺した。

狼「ガルルルル……」

狼は、男のものを身につけ、人間に憑依した。周りには見えていないため、ゆっくり丁寧に行った。

人狼「ぁあ……うるさい まだこいつの声がする」

                            *


彼が、殺された、後に周りにも表記が現れた。

女「『狐』? なん……」

でてきた、表記とともにそれにあった処理が行われた。

結斗「『村人……』なんだ? なんかが頭に流れ込んでくる」

彼は、結斗。高校生だが、人狼に参加させられ、村人になった。

全員の脳内に、ルールと役職、マップが送られた。

男「『村人』今は……タワー前広場? いや俺、公園にいたよな」

世界という名の次元が変わり、時間や、場所などが変わった。

――異世界内時間 0:23――

たくさんの人達に送られた、ルール書はこうだ。

――ルール――
0.異世界内時間 1:00 二開始。
1.人狼、村人二分カレル
2.人狼ハ、村人側二バレナイヨウニ村人側ヲ殺害
3.狐ハ生キ残ルト勝チ
4.背徳者ハ、狐ガ勝ツト勝チニナル
5.村人側ハ、人狼ヲ全員、追放スルト勝チダガ、村人側ヲ三回殺シテシマウト、負ケ
6.プレイヤーニハ、殺スor追放用二小型ナイフヲ配布
7.負ケテシマッタ側は、全員、皆殺シ

という内容のものが流れた。

他には、各役職のルール(本紙の上に記載)が流れた。

三十七分後、ついに始まってしまう、『人狼ゲーム(大虐殺ゲーム)』が…

誰が勝つのか。


第二話 白と黒#


――前回のあらすじ――

『人狼ゲーム(大虐殺ゲーム)』が始まる!

何人ものプレイヤーに役職が与えられる中、殺される人たちも!

激動の第二話 スタート


                        *

――異世界内時間 0:30(ゲームスタート30分前)――

 少し歩くと、殺された人の血が滴っていた。

結斗「何だ? これ……」

建物の中は、血で染まり、野獣の匂いや毛が落ちていた。

?「スタートまで残り30分…… いやぁ自己紹介が遅れていましたね私は『ゲームマスター』です」

結斗「俺は、村人だからまだ生きてたけど…もしかしたら……」

ゲームマスター「さて、もうそろそろ準備も終わりだ」

ゲームマスターが、こう言うと、全員が、『ウォー』と叫び声を上げた。

全員の肌が白い。『記憶喪失』にでもなったのか? と思ったが、何故か自分は違った。

と、俺は、走り回り、先に道を覚えておいた。

――異世界内時間 0:59――

ゲームマスター「あと一分です。 もうそろそろ準備位置にテレポートさせます」

というと、ゲームマスターは俺たちプレイヤーをランダムに飛ばした。

――異世界内時間 1:00――

ついに時間になり、鐘がなった。

ゲームマスター「スタート!」

結斗「一旦、あそこへ走る!」

俺は、走りながら考えていた。

結斗「一番厄介なのは、狐かなぁ。俺らが勝ってもこいつが生き残っていたらみんな死ぬ。追放早めに だな」

と考えてる間に、奥から、人が走ってきた。

葉菜「おーい! 君って村人だよね? 」

結斗「あ……ああ」

突然すぎる出来事に、焦って返してしまった。

葉菜「あれ? 焦ってる……  もしかして人狼?

さっきまで、優しかった、女の子の目が、きつくなり、圧だけで死にそうだった

結斗「違う…違う! 俺は村人だ 君は?」

葉菜「……本当? 」

きつく激しい眼光をこっちにしばらく向けていたが、急にそっぽを『プイッ』と向きこういった。

葉菜「ハァ…絶対童貞じゃん。私は霊能者(れいのうしゃ)。仲間よ」

結斗「わかった。俺は結斗(ゆうと)だ」

葉菜「私は葉菜(はな)よろしく」

その途端、急に、放送のブザーが鳴る。

ゲームマスター「プレイヤーに告ぐ。村人『古色 草摩』(こしき そうま)が死亡! 霊能者のチャンスかも!」

葉菜「私の出番ね…… ここは……東灯台前。死んだのは、東灯台前広場。近いわね」

というと、葉菜は、手を結び祈り始めた。

葉菜「故人『古色 草摩氏』声よ私に答えよ」

――霊能者 能力――
殺された人が、人狼だったか、それ以外かを知ることができる。死んだ人の声を聞くことができる。本物の占い師を見つけ出すのに役に立つ。

草摩「俺の役職は……占い師だ」

葉菜「やはり、聞けるのは役職だけか……けど、占い師をひとり失ったとなると少しきついかも……」

結斗「葉菜! 後ろ……人狼だ」

                      *


第三話 不屈#


――前回のあらすじ――

結斗は、霊能者の『葉菜』と出会い、時をともにする。

だが、はじめの脱落者が現れ、葉菜は、能力を発揮する。

その間に、人狼に追われていて……

                        *


葉菜「いやいや、どう見ても人間でしょ」

結斗「いや、腰元を見ろ、ナイフ。血がついている。多分……あの人を殺したんだ」

葉菜「クソッ……逃げるわよ」

目の前の『人狼』の腰元を見た葉菜は、焦り、走り出した。

結斗「いや、囲まれてる」

葉菜「……万事休すか」

二人を、多数の人狼らしきプレイヤーに囲まれていた。

結斗「俺……見たんだ。狼が人間に憑依するところ」

葉菜「形だけの人間……殺す?」

その途端、上から風を切るような、音がなった。

?「おい、お前ら何してんだ?」

結斗&葉菜「誰?」

?「あ! 多分女の方とは会ったっけな」

彼は、空を飛びながら、話していた。

葉菜「……お前か」

結斗「誰(二回目)てか、助けて」

?「メンゴメンゴ」

彼はこう言うと、俺たち二人の手を取り、空を飛んだ。

?「あ…自己紹介が遅れたね。僕は、『如月 郷』(きさらぎ ごう)だよよろしく」

結斗「役職は? 」

郷「狐! 」

意味不明な言葉に、俺達は、敵意を剥き出しにし、ナイフを取り出した。

結斗「おい、偽物! 」

郷「は? あぁそっか狐とか人狼とかは、入れ替わるために殺されるらしいからね」

葉菜「だからあんたも偽物(狐)でしょ」

郷「狐は、俺のこと殺しにきたから、殺し返した」

その言葉に、葉菜は、何かを思い出したような顔をした。

葉菜「あんた、『現役のプロボクサー』でしょ!」

郷「そ。そもそも君とは、前、通りがかりであったよね」

結斗「でもさ……なんで飛んでんの?」

郷「簡単な理由さ、人工の『飛行器』だよ」

飛行器。それは、ある科学者が、鳥の羽根と同じ原理で作ったものだ。

風を機械内に取り入れ、その衝撃波で、飛ぶ。

結斗「てかさ……一つ聞いていい? なぜ、こんなゲームが始まったんんだ? 」

郷「さぁ、俺は あっち側の人間 じゃないからね」

と話している、うちに、安全なところに着き、下りた。

郷「さぁ、じゃあバイナラ」

結斗「なんで? 」

葉菜「団体のほうが安全でしょ」

郷「あいにく、こっちも暇じゃない、じゃあな」

というと、郷は、どこかへ飛び立っていった。

                      *

――異世界内時間 1:19――
場所:元東軍基地前

?「くっ……ナイフかすった。不屈の俺でも諦めるわ」

『人狼ゲーム(大虐殺ゲーム)』プレイヤー

占い師『吉田 太子』

                      *

第四話 混戦の香り#


――前回の復習――

元現役プロボクサーにより、助けられた二人。

占い師が、人狼に追われ……

激震の第四話スタート!

                         *
                     
 結斗「おい、葉菜」

葉菜「何よ」

結斗「あっちの方から、人狼の声聞こえね」

狼「ガルルルル……」

二人が、八百屋の台に腰を掛け話している。

太子「まじでさ……しつこい」

あるプレイヤーが、人狼に追われている。

人狼「殺す……喰う」

結斗「なぁ……あのおっさん助ける? 」

葉菜「助けよか」

と二人は、八百屋を足で蹴り、太子を助けに行った。

結斗「おい。おっさん」

太子「違いますぅー36です―」

葉菜「おっさんじゃんwww」

三人は、話しながらも、遠くへ一緒に逃げた。

結斗「ああいう奴らってさぁ―なんで殺さんの? 」

太子「ルールだよ。迂闊に殺して、もし村人なら、無駄なだけだ」

葉菜「私は霊能者。 あんたは? 」

太子「年上だろ! あんたじゃねぇ―。 占い師だ」

――占い師――
誰か1名を指定して人狼か否かを知ることができる。人狼ゲームで最も重要な役職の一つと言える。知ることができるのは、人狼であるか、そうでないかの2択、占い先が役職持ちであったとしても、占い師は村人としかわからない。(狂人や狩人を占っても村人と出る。)

葉菜「じゃああの奴等スコープ(診断)してよ」

太子「あ! 出来るの忘れてた」

彼は、こう言うと、後ろの奴等を占い始めた。

――診断結果――

全員…『黒』

太子「全員人狼だ! ころすぞ! 」

三人は、ナイフを取り出し、戦い始めた。

ゲームマスター「全く死なねぇじゃねえか。 手ぇ出すしかないか」

というと、ゲームマスターは、手を振りかざし、画面に向かって、殴った。

太子「くっ」

結斗&葉菜「なっ」

からだを殴られ倒れた、太子に、二人は、振り向き声を発した。



第五話 知りたくない#


――前回のあらすじ――

人狼に襲われていた、占い師の『吉田 太子』。

二人は、太子を助ける。

共闘していたが、ゲームマスターによる裁きで?…‥

                        *

太子「くっ」

結斗「おっさん! 」

太子は、みぞおちを思いっきり殴られ、気絶してしまった。

ゲームマスター「さぁ改めて戦え。争え。もがき踊れ」

葉菜「こっちは片付いたわよ」

結斗「ああ。こっちもだ」

葉菜「けどどうする? 病院に……って結斗? どうした? 」

結斗「……なんでもない」

この後、二人は、東灯台前病院へ行き、太子を送った。

結斗「葉菜……おっさん生きてるよな」

葉菜「一応。今のところはってかんじ。」

結斗「てか。なんで分かんの? 」

葉菜「能力」

この一言で俺は、全てを知った。

結斗「おっさん。父さんにそっくりだったよな……」

――11年前 東京――

結斗「……喧嘩売ってくんなアホが」

11年前、俺は一年生だったが学校の中でも六年に勝てるほど強かった。


母「結斗! 先生から聞いたわよ。また喧嘩したって」

結斗「あいつらが悪い」

母には、いつも学校のことを怒られていた。

母「でもだめ」

結斗「うるさい。しゃべんな」

この時早めな反抗期だったので、こう返した。

その途端、母の掌が、自分の頬に、思いっきり当たった。

母「あんたみたいな子、手におえません。少年院に預けます。さようなら! 」

結斗「待って。母……」

さっきまで、目の前にいたはずの母が、血を流して倒れていた。

結斗「っ………」

そして、リビング側から、銃を持った父が出てきた。

父「お前。なんでこっち側にいるんだ? 」

結斗「父さん……」

俺は、お母さんがだいっきらいだった。

だが、殺された瞬間には、『喜び』と『悲しみ』が出た。

結斗「ふっ……」

俺は、涙を流しながら、笑っていた。

この時初めて。俺は、父への憎悪と、母への喜びを、知ってしまった。

あんなクソみたいな母だったのに……

あんなにいい父だったのに……

俺は、知ってしまったんだ。知りたくなかったけれど。


第六話 悲しみの奏#


――前回のあらすじ――

ゲームマスターによりやられた、太子。

その姿を見て、家族のことを思い出す結斗。

結斗の過去編第二話。どうぞ!

                         *

 一番悪かったのは、母さんじゃない。父さんだってことを。

俺のお母さんには、もうすぐに生まれる、俺の弟がいたのだ。

弟も死んだ。

結斗「と……父さん。なんで? 」

父「お前のためだ。結斗」

俺は、ショックで、大粒の涙を流していた。

結斗「僕の、弟は? 母さんは? 」

父「……死んだ。いや、殺した」

父の言葉に、腹がたった俺は、キッチンから、ナイフを取り出し、その刃を、父さんに向けた。

結斗「死……死ねぇーー」

父「……」

俺は、走り、父のみぞうちに、刀を突き刺した。

父「……っ」

即死だった、このあとも俺は、父に、何度も刀を突き刺した。

『ピーポーピーポー』

外で、パトカーのサイレンがなっていた。

結斗『自首しよう……』

ショックでおかしくなった俺は、なぜか、素直になってしまった。

警察「近隣住民の通報により駆けつけました。『日下部』です。家庭内捜索をさせていただいますがいいでしょう

か」

結斗「どうぞ……」

日下部は、奥に進み、何か恐ろしいものを見るかのような目で、俺と、遺体を見た。

日下部「僕? これは……何かな? 」

結斗「父さんと母さん」

日下部「君がやったの? 」

結斗「父さんは、僕が殺した。母さんは……父さんに殺された」

日下部「そうか……」

日下部は、何も言ってやれることがなく、黙り込んでしまった。

その後、父さんと母さんは、死亡が確認。

俺のもとには、警察の援軍が来て、俺を少年院に送った。

日下部「ごめん……こんなところに入れちゃって」

日下部から出た言葉は意外だった。ただただ自分が殺しただけなのに、それに同感してくれた。

この日から、俺は普通のこどもになれたのだ。

――出所当日――

あの日から三年。俺は、十歳になっていた。

俺が住んでいた家は、撤去され、外の空気はとてもうまかった。

景色も変わり、見慣れた光景を失ったこの街に、少し寂しさを感じてしまった。


                       *

 こんな経験。絶望の一言でしかいない。

このことを思い出し、現在では泣いていた。

結斗「母さん……」

葉菜「大丈夫? 」

葉菜の言葉さえ無視してしまった。

葉菜「結斗。母さんは、結斗が好きだったんじゃない? 」

結斗「!!」


第七話 心外#


――前回のあらすじ――

昔のことを思い出し、涙を流す、結斗。

だが、葉菜の一言で……

                         *

俺は、葉菜が話した、一言で涙を流した。

葉菜「今は、前を向くしかない……」

結斗「うん」

俺がこう返すと、葉菜は、小さくため息を吐いて、立ち上がった。

ゲームマスター「さぁ、どんどん盛り上がっていったねー」

安心していた、途端に、ゲームマスターが話す。

結斗「葉菜! カーテン開けてくれ! 」

葉菜「う……うん」

俺がこう言うと、葉菜と俺は、病室のカーテンを開けた。

外には、焼け野原のような景色が広がっていた……

葉菜「ゆ……結斗! 」

結斗「……くっ」

俺は、舌打ちをすると、階段を下りていき、医者の人たちに挨拶をせずに、外に出た。

結斗「世界は? 」

緑は、一切なくあたり一面に、人の死体や血があった。

この恐ろしい景色に俺は声が出なかった。

男「た……助けてぇー」

結斗「す、すぐ助ける! 」

俺はこう言ったが、後ろから、何か唸り声が鳴った。

狼「グルルルルルル……殺してやる」

狼はそう言うと、男の体を貫き、殺した。

その途端病院から、葉菜が出てきた。

葉菜「ちょ…勝手に行……ってなにしてんの? 」

結斗「狼と戦うの」

葉菜「本気!?」

結斗「ああ」

とおれは言うと、手にちからを溜め、狼を思いっきり殴った。

結斗「おらっ。」

葉菜「まだ! 地面(した)にいる」

その瞬間、刀のような爪が下から上がってきた。

その爪は、俺の体にあたった。

結斗「……くっ」

葉菜「ゆ……結斗! 」

狼は、おれにとどめを刺そうと近づいてくる。

その瞬間、病院の上から、狼に向かって、ナイフが降り注いだ。

?「おい、何をしている。兄! 」

――人狼ゲームプレイヤー兼結斗の弟――

・酒井 卓斗(さかいたくと)


第八話 奇跡の軌跡#


――前回のあらすじ――

勇気を取り戻した結斗。

だが外は地獄絵図に!

人狼と戦う結斗。

そこに弟が来て?

                       *

俺は目を疑ったが、そこには、弟らしき面影があった。

俺は、弟の顔こそは知らないものの、何か自分ににていたのだ。

卓斗「情けないぞ! 」

結斗「……弟……なのか? 」

葉菜「これが結斗の弟? 」

二人は、動揺していたが、すぐに確信した。

・顔がにている

・俺を助けた

この理由からこう思った。

結斗「卓斗! お前役職は? 」

卓斗「役職?…… あぁ、村人」

葉菜「来るわよ! 」

人狼は、血まみれになったからだを立ち上がらせて、俺たちを殴ろうとした。

結斗「ちょ……」

卓斗「兄! 刀だ。戦え」

というと、弟は、腰元の刀を抜き、俺に渡した。

結斗「ああ。行くぞ! 」

『希望の道(アンラック)』

俺は、人狼のからだに刃を当て、思いっきり振った。

人狼「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

その場には、断末魔が響き続け、俺達は、耳を塞いでしまった。

卓斗「よくやった! 兄」

結斗「応! 」

その後俺たちは、人狼の最後を見届けた。

ゲームマスター「おいおい、何だこいつは? 」

執事「はい、彼は 酒井家の弟です。」

ゲームマスター「あぁ。こいつ、『人狼だろ』」

執事「はい」

ゲームマスター「こいつに酒井を殺させる」


第九話 変転#


本当にサボってすみません……

今日から毎日連載に多分戻すんで宜しくオナシャス!

――前回のあらすじ――

結斗の前に現れた弟『卓斗』。

共に共闘するが……

ゲームマスターによる、結斗暗殺作戦開始!


 ゲームマスター「ってか、こいつ何でやらないの? 」

執事「さぁ」

ゲームマスター「まあいいや……そのうちってことでしょ」

――異世界内時間 4:00――

ゲーム開始から四時間が経過した。

状況はほぼ変わっていないが、死者は大量に。

卓斗「兄! あれを見ろ」

葉菜「え! あいつって……」

結斗「なんなん……だ」

俺らが空を見ると、そこには、空を飛ぶ人狼と、血まみれのプレイヤーが見えた。

プレイヤーは、人狼に首をつかまれ、すでに肌は青白くなっていた……

手遅れだ。

結斗「あ……あいつが何だ」

葉菜「え? 見えないの? 」

俺は、上を見上げたが、何故か、ボケて見えた。

卓斗「目は見える? 」

結斗「あぁ、少し見にくい」

俺らは、この瞬間俺の目元を見た。

卓斗「充血……」

俺は、疲労で、目が、死にかけていたのだ。

異世界内時間は、普通の時間と共通ではないが、異世界にいても、普通の時間は動いてい

る。 

今は、4:00。

ゲームスタート時、現実時間では、九時だったので、今は現実時間、一時である。

葉菜「結斗……落ちついて聞いて……あのプレイヤーは、『如月郷』」

――如月郷――

二人が、人狼に襲われている時、二人を助けた。

能力は狐だが、襲われたときに、狐を殺したので、今は普通のプレイヤーだ。

結斗「如月……郷」

この名前を聞いた瞬間俺は、身体から臓器が出るほど叫び、したをしばらく向いた。

――異世界内時間 3:30――

郷「さて……二人逃したんはいいけど……あんた人狼だろ! 」

人狼「グルルルルルル」

郷は、二人を逃したが、その後、人狼に会っていた。

郷『いや……人間の姿をしていない……』

人狼「グルルルルルルルルルル」

郷「まぁ敵に変わりないしな。殺るか」


第十話 賢者#


――前回のあらすじ――

現実時間と異世界時間の重なり……

郷は、狼と出会い、戦闘開始!


 郷「まぁ敵に変わりないしな。殺るか」

狼「グル……」

威嚇しているのだろうか……

狼は、こちらに、血のついた歯を見せて睨んできた。

郷「ふーん。怖くねぇ」

そう言うと、狼は、ジャンプをし、郷を狩ろうとした。

郷「上! 避けれるか? 」

狼「ヴォオオオオ」

狼の叫びで、地が揺れる。

郷『くっ……頭回んねぇ』

狼は、郷の身体をしっかりととらえ、床に打ち付けた。

郷「……っ」

狼「ガルル……」

その瞬間郷は、狼の目元に注目した。

目の色が違う。そして異常な力……

郷「強い……」

狼「グルルル(我が名は、イザベル。『超級狼(エリートウルフ)』である)」

――超級狼ってなんぞや?――

ゲームマスター直属の人狼。

力は、異常で、普通のプレイヤーなら、瞬きする間に殺せる。

郷「何だ? 言っていることが……」

イザベル「人狼……人狼と……我々には名前があるのだ! 」

郷「チッ……勝てるか? これ」

郷は、ただ普通のプレイヤーより強いだけで、普通に変わりない。

イザベル「『神殺し(エル・プラント)』」

イザベルは、手から、雷を落とした。

郷「……っ。く……らえ『反射(カウンター)』」

イザベルと郷の間が光っている。

――反射ってなんぞや?――

郷が働いていた会社の技術の一つ。

飛行機の羽のように、攻撃を一つの部分に集め、切り、その場に留めさせる。
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