ハーレムエンド


「君がシンだね?アスランから話は聞いてるよ。これからよろしくね」
「はいっ!よろしくお願いします!」

キラ・ヤマト准将――先の大戦を終結に導き、今も最前線で戦っている若き英雄。
アスランが「あいつはとても優しくて良い奴なんだ」と言っていたから、一緒に戦える日を楽しみにしてたのだが…
この後すぐに、オレ達はとんでもない所に来てしまったのだと思い知った。


「キラ…私も共に戦いますわ」
「ちょっと!私もいるんだからね、キラ!」
「行ってらっしゃいキラ君、気をつけて!」
「私の戦術で君の力になろう」
「ありがとう皆……皆の愛で、僕は不可能を可能にする!」
「おいおい、俺の決め台詞を取るんじゃねぇよ!」

……ん?
何か…皆仲良しというか、良すぎるというか…
総裁と赤毛の女性に挟まれて満面の笑みの隊長。それを囲む大人の女性達。
頭を撫でたり肩を抱き寄せたり手を握ったり、まるで恋人のような距離感だけど…いやまさか、そんなハズないよな…?


「キラ、お前はお姉ちゃんの味方だよな!?ケバブはチリソース一択だろ!」
「いーや、ヨーグルトソースこそ王道だろう!なあキラ!」
「まあまあ、二人とも落ち着いて。僕は…ミックスかな♥」

ある日、任務帰りに立ち寄ったオーブのカフェにて。
アスハ代表とバルトフェルド隊長がケバブのソースで喧嘩している……いやそんなことより、隊長が二人の腰を抱き寄せた!?スキンシップにしてはやりすぎじゃないか!?
やっぱりおかしい…アスランは何も知らないのか?


『キラ、久しぶりだな』
「やあアスラン。そっちは変わりないかい?」
『ああ、皆元気でやってるが少し寂しそうだな。クルーゼ隊長とデュランダル議長もお前に会いたがっていたよ』
「そっか…今度の休みに会いに行くよ。君も寂しいんでしょ?」
『フッ…わかっているなら早く来い』
「うん…愛してるよ、アスラン」
『俺も愛してる…キラ』

数日後。アスランと隊長の通信をこっそり盗み聞きしてみたら…アスランまで!?
一体どうなってるんだ…?何か嫌な予感がするけど、こうなったら直接聞くしかない!


「隊長!!」
「シン?どうしたの?」
「いや、あの……隊長はたくさんの女性達と親しいようですけど、彼女達とは一体どういう関係なんですか…?」
「――ああ、彼女達は皆僕のお嫁さんだよ」
「………は???」

お嫁さん?全員と結婚してるってこと??
そんなのアリなのかよ!?

「皆素敵な女性だから一人に絞るのはもったいな…いや、選べなくてね。だったらいっそ全員娶って幸せにしようと決めたんだ」
「………あ」
「あ?」
「アンタって人はぁぁぁ!!!!」
「フフ…怒った顔も可愛いね、シン♥」

あの伝説の英雄がこんな非常識な人だったなんて…
ちょっとでも憧れてたオレが馬鹿だった!アスランも皆も騙されてるんだ!
とにかく今はルナ達を近づけないようにしなきゃな…あいつらはオレが守る!
オレは絶対に負けないぞ!キラ・ヤマト!!
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