【転生たらウマ娘】強いからつい調子乗って厨二ムーブ、トレーナーにガチ恋しそうで怖い
作成日時: 2024-03-18 19:37:52
公開終了: -
「遂にこの瞬間が来たか、、、」
俺は大きな校門の前でそう呟く。
天にも届きそうなほど大きく見える校舎は、憧れた舞台だからなのだろう。
その更に上に広がる青空は雲一つない快晴だ。
爽やかな春風が優しく俺の身体を撫でる。
灰色の髪が揺れ、それと同時に頭上のウマ耳と腰にある灰の尻尾も揺れ動く。
それはまるで意思を持ち、俺を鼓舞してくれているようだった。
見ててくれよ…皆…
そんな俺が今いるのは中央トレセン学園。
日本最高峰のウマ娘養成機関だ。
そこに居るのは強者、強者、強者ばかりだ。
俺はまだ見ぬ出会いと戦いに心躍らせながら一歩を踏み出した。
舗装されたアスファルトにブーツがコツコツとまるで蹄のようになる音が心地いい。
え?この世界には蹄の概念が無い?
まぁ、いいだろ?
何故なら俺は、別世界の記憶を持っている。
所謂、転生者なのだから。
転生前の日常は今でも思い出せる。
なんてことはないありきたりな日常だった。
朝起きて学校に行って友達とバカな話をしては、授業を眠そうな顔で受ける。
そして家に帰っては親に咎められるまでゲームをして渋々勉強する。
どこにでもある、所謂ところの日常ってやつだ。
そして一日が終わる直前…
暖かなベッドの中、ふと思った。
ウマ娘になりたい…と。
ただのウマ娘じゃない。勝利が決まっている最強のウマ娘だ。
ただのオタクの願望だった。
ただの憧れだった。
彼女たちのようにカッコよく、美しくありたいと。
そう願っていた。
先の見えない現実からの逃避くらい分かり切っている。
けれど、それでも…
画面の向こうで輝いている彼女たちのようになりたかった。
誰でも思う眠りにつく前のちょっとした願望だった。
だからその時は思いもしなかった。
だが、どういう訳か、現に俺はウマ娘となった訳で。
まぁ、全くもって、人生は何が起こるか分からない。
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