【転生たらウマ娘】強いからつい調子乗って厨二ムーブ、トレーナーにガチ恋しそうで怖い


「遂にこの瞬間が来たか、、、」

俺は大きな校門の前でそう呟く。
天にも届きそうなほど大きく見える校舎は、憧れた舞台だからなのだろう。
その更に上に広がる青空は雲一つない快晴だ。
爽やかな春風が優しく俺の身体を撫でる。

灰色の髪が揺れ、それと同時に頭上のウマ耳と腰にある灰の尻尾も揺れ動く。
それはまるで意思を持ち、俺を鼓舞してくれているようだった。

見ててくれよ…皆…

そんな俺が今いるのは中央トレセン学園。
日本最高峰のウマ娘養成機関だ。
そこに居るのは強者、強者、強者ばかりだ。
俺はまだ見ぬ出会いと戦いに心躍らせながら一歩を踏み出した。
舗装されたアスファルトにブーツがコツコツとまるで蹄のようになる音が心地いい。
え?この世界には蹄の概念が無い?
まぁ、いいだろ?
何故なら俺は、別世界の記憶を持っている。
所謂、転生者なのだから。
転生前の日常は今でも思い出せる。

なんてことはないありきたりな日常だった。

朝起きて学校に行って友達とバカな話をしては、授業を眠そうな顔で受ける。
そして家に帰っては親に咎められるまでゲームをして渋々勉強する。
どこにでもある、所謂ところの日常ってやつだ。

そして一日が終わる直前…
暖かなベッドの中、ふと思った。
ウマ娘になりたい…と。

ただのウマ娘じゃない。勝利が決まっている最強のウマ娘だ。
ただのオタクの願望だった。
ただの憧れだった。
彼女たちのようにカッコよく、美しくありたいと。
そう願っていた。
先の見えない現実からの逃避くらい分かり切っている。

けれど、それでも…

画面の向こうで輝いている彼女たちのようになりたかった。
誰でも思う眠りにつく前のちょっとした願望だった。
だからその時は思いもしなかった。

だが、どういう訳か、現に俺はウマ娘となった訳で。
まぁ、全くもって、人生は何が起こるか分からない。
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