今と昔の僕ともやし
作成日時: 2021-10-23 17:40:53
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あれは…‥いつだったのだろうか。
いつか食べよーと買い、ずっともやしを冷凍庫に入れていた。
『どうせもう腐ってるだろ……』と内心思いながらも、自分は冷凍庫の扉を開ける。
――消費期限『2021年10月3日』――
今日は『2021年10月14日』期限は11日前。完全に俺はもやしを食べたかったので、絶望した。
十年前のガキの頃は、期限なんて気にしてなかったのに……
――十年前『2011年7月3日』――
俺は、十年後の自分と、おなじような行動をしていた。
十年前。ちょうど高校生になり、独り立ちしたときだ。
「もやしが食べたーい」
とつぶやいている。
と、冷凍庫を開けもやしを取り出した。
――消費期限『2011年6月22日』――
もう十日以上過ぎている。
いつもなら食べないが、この日は、何が何でももやしを食べたい!と思ったので、
ガキのような屁理屈を唱えた。
「冷凍すれば時間は止まっている だから大丈夫だ! 」
その後電子レンジを開け、もやしをつっこんだ。
――三分二十秒――
を設定し、温め始めた。
『腹減った』と思いながら、もやし料理を考えた。
もやし炒め? 汁? それとも麻婆?
そう考えてたので、三分二十秒はとっくに過ぎ、電子レンジは『ピー』となっていた。
皿を出し、もやしを入れる昔の自分。
消費期限とにらめっこしている今の自分。
昔の自分は、ごはんにもやしをつっこみ、ガツガツ食べていた。
その後腹が死ぬのも知らずに……
「うまっ」
とずっといい続け食べやむ気配がない。
だがその途端……
『ギュルルルルル―』腹から急に音がなった。
その途端に、胃が絞られるような痛みが襲ってきた。
「痛い……トイレ」
とムンクの叫びのようなしおれた顔をしてトイレに向かった。
一分……一分……と時間がすぎるでけで何も変わらない。
俺の頭には、死亡届が浮かんだ。
――死亡届――
死因……期限切れのもやしを食べ、起こった腹痛。
嫌だ、こんなの嫌だ。
ダサすぎる。
俺の死後、『こいつの死因やっば―』とか言われる。
けどもやしは容赦しない、俺の内臓に攻撃してくる。
念の為、救急車(109)に電話した。
死ぬかもしれない……そんな恐怖のなかで、俺はもやしと戦っていた。
12分経った、外では救急車らしきサイレンが聞こえる。
吐き気がする……目が、くらくらする。
と思っていたら、『ピンポーン』と玄関の方からなった。
そしたら、救急隊の人たちが、家の中に入り、トイレから出て、リビングでぶっ倒れてる俺を、
担架に乗せ、病院まで運んだ。
その間俺は意識を失っていた。
俺の目が覚めたのは、病院についてからだ。
手術室。そんなのが見えた。
その途端、俺はこう考えた。
「手術……そんなにやばかったのか」
普通なら大発狂するが、今はそんな元気もなく、黙ったまま運ばれた。
そして俺を真ん中のいすに座らせて、麻酔を俺に打った。
目が覚めると、俺は入院していた。
「あ。目ぇ覚めましたか……盲腸でしたよ。」
急な告白。だが俺はすぐに理解した。
「あのもやしだ……」
幸い、健康なまま、退院できた
――十年後 今――
ということがあったからもやしをためらっている。
この日は、諦めたがいつかまたああなるんじゃないかって、
ゾクゾクしながらも、俺は何度ももやしを食べていたのだった。
この物語はフィクションです。
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