nmmn注意【 6 人 の 異 能 力 者. 】


【side 赤】

どうしても学校に行けない。

ベッドから起きられない。

赤「新学期、なのにっ…」

今日からちゃんと学校に行こうって決めてた。

目の前の時計の秒針がカチカチ音を立てるたびに焦りが強くなってくる。

起きなきゃいけないのに…。





やっとベッドから起きられたのは8時24分。

遅刻だけど、今まで学校に行けてなかったからクラスの人もいつもと同じだと思う。

…休みたいな。

そう思いつつ白色のカーテンを開けた時だった。

赤「紙飛行、機……、」

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【side 黄】

「あの子、あんまり喋らないらしいよ?」
「えー、なんか怖いね…確か…黄さん?だっけ…」
「あんま関わんない方がいいかもね~」

「あいつなんか異能力者っぽくね?髪黄色だし」
「は?wそんな簡単にいないだろwだってーーーーー



異能力者は世界に”6人”しかいないんだぜ?w」

黄「っ…」

全部全部無駄だった。

中1からいじめられていた自分を変えるために、3つ離れた市の高校に受験した。

髪を染めれて、異能力者の特徴が目立たないような高校を探した。

受験は受かって、だれも自分のことを知らないーーーー、と思っていた。

無口で内気な自分を塗りつぶして、学校の優等生になろうと思った。

でも、元私立中学校の人が1人いたんだとか。

この学校も駄目だった。

もうやり直せない。時間は、過去は、昔に戻らない。




一時間目が始まっても、頭がうまく回らなかった。

異能力者は、自分を含めてこの世に6人いる。

それは誰か分からない。自分も、世界の人も誰も知らない。

誰なんだろうな、あと5人。

自分は向日葵(ヒマワリ)だから、薔薇(バラ)とか…?


「おい、聞いてんのかよ」

黄「ぇ…?」

モブ「プリント、回してるんだけど」

黄「あ、す、すみま…せん…(ボソッ」

モブ「ばっかじゃねぇの」

黄「…ごめ…んなさ…い」

ただ、俯く。

この学校でもきっといじめられるんだろうな。

窓にふと視線を向けると、大きな紙飛行機が舞っていた。こっちに飛んできていた。

席から立ち上がり、青い空へ手を伸ばす。クラスメイトと担任の視線が自分に集まったのも、気にせずに。

モブ「お前何やってんの?」

黄「……」

モブ「は、何?」

黄「……紙…飛行…k…」

飛行機を指でさすものの、クラスメイトも担任も頭にはてなマークを浮かべてこっちを見ている。

モブ「なんもねーよ。やっぱへんなやつ。勝手に幻覚見とけ」

みんな見えないんだ。

なんで…?

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【side 蒼】

二時間目は、学校を歩き回って教室や特別教室を確認することになった。

一人で、プリントと下敷きを抱えて屋上への階段を登る。

窓から吹き抜ける春の風が心地良い。

ふと、東京の街並みを見ようと窓を覗くと、何か白い物体が空を舞っていた。

目を凝らすも、何かよく分からない。

蒼「鳥…?」

こっちを目掛けて飛んでくる何かに手を伸ばす。

蒼「誰の…?」

やっとで手に取ると、大きめの紙飛行機だった。

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【side 桃】

モブ「なぁ、花の異能力者って知ってる?」

桃「な、っ…何それ」

モブ「いや、有名じゃん。しらねーの?」

桃「…いや、知ってる…けど」

モブ「はぁ?何言ってんの。あのさ、桃ってーーーー。




異能力者じゃね?」

肩にかついだスクールバッグを床に落とす。

全身の、力がぬける。

桃「はッ…、」

モブ「桜の異能力者。じゃねぇの?w」

急いでバッグを背負いなおして、ぎゅっと目を閉じる。

桃「ッ…!!(ビュン」

モブ「は…?!」

ああ、やってしまった、と思う。

瞬間移動してしまった。

バレたんだ…。

学校の校門前で膝をつく。

目から涙がこぼれる。

桃「なんでッ…、なんで…?」

家まで走る。ただ全力で逃げる。

ここで瞬間移動を使うと、ほかの人にも自分が異能力者だとばれるから。



家の鍵を乱暴に刺して、家に駆け込もうとすると、ポストに手紙が届いていた。
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