題名:他者の愛情と自己肯定感と自尊心 作者:草壁ツノ
<登場人物>
A:不問 色んな物に飢えている。
B:不問 Aの友人。ボイチューバーへの理解がある。
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<役表>
A:不問
B:不問
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■利用規約
・アドリブに関して:過度なアドリブはご遠慮下さい。
・営利目的での使用に関して:無許可での利用は禁止しております。希望される場合は事前にご連絡下さい。
・台本の感想、ご意見について:お気軽にお寄せ下さい。Twitter:
https://twitter.com/1119ds 草壁ツノまで
・両声類の方の利用について(2021/11/11追加)
演者の方ご自身の性別を超える役のお芝居はご遠慮しております。
可能:「不問」と書かれているキャラクターを「キャラクターの性別を変えずに演じる」こと
不可:「男性」と書かれている役を「女性かつ両声類」の演者が演じること
「女性」と書かれている役を「男性かつ両声類」の演者が演じること
ご意見ある所でしょうが、何卒ご理解の程よろしくお願い致します。
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A:「あぁ......他者からの愛情とか自己肯定力とか自尊心とか何もかもが空(す)いて、力が出ない...」
B:「大丈夫か!」
A:「ああ、ジャミおじさん......」
B:「誰がジャミおじさんだ。ほら、新しい皮(ガワ)よ!」
A:「新しい皮ってなんだよ」
B:「ボイチューバーの皮よ!」
A:「おい、それ意外と金かかるんだからな一つ用意するのに」
B:「これを使えば、他者からの愛情も自己肯定力も自尊心も思うが儘よ!」
A:「そう簡単には行かないだろ......ちょっとは考えて物を言えよ」
B:「そうか、思ってたより難しいものなんだな」
A:「そりゃそうだろ......あ、俺ちょっとボイトレ予約してこないと......」
B:「割と乗り気じゃん」
A:「そもそも皆が俺を愛してくれないのが悪いんだ......!」
B:「凄い発言だね」
A:「なんで、どうしてなんだ......俺はこんなにも本気で、皆から愛されたいと願っているのに......」
B:「需要だけあっても供給する人が居ないとねぇ」
A:「くそ......一体どうすればいいんだ......」
B:「とりあえず、どうしたら人から愛して貰えるのか考えてみるってのはどう?」
A:「フンッ!何故この俺が庶民の施しを受けねばならんのだ!」
B:「発言が支離滅裂じゃないですか?」
A:「ああ......どこかに俺を満たしてくれる、ジャミおじさんやバト子さんは居ないのか......」
B:「ここに居るじゃないか、メロンピンナちゃんが」
A:「バイキンメンの間違いだろ」
B:「はっはっは、死にたいらしいな?」
A:「待て、助けてくれ!まだ俺は何も手に入れていない、俺はここで死ぬわけには......!」
B:「......ほら」
A:「ひいっ!......なんだ、これは?」
B:「この間、ちょっと作りすぎて、余った......クッキー」
A:「こ、これを俺にくれるのか......?」
B:「ま、まぁ。ほら?お前誰からも貰えて無さそうだし?せめてこれぐらいは?」
A:「他者からの愛情......」
B:「それに、お前良い所沢山あるんだし、もっとしゃんとしたら周囲の評価変わるんじゃないか」
A:「自己肯定力......」
B:「あと。......へへ、これからはボイチューバーの先輩後輩になるわけだから、仲良くしような」
A:「自尊し......ん?」
B:「あれ、言ってなかったっけ?自分ボイチューバーの吉田GO太郎として活動してるんだ」
A:「お、オッサンじゃないか!」
B:「失礼な!おじ様だ!」
A:「とんだパンドラの箱を開けてしまった......」
B:「でもボイチューバーはほんとにお勧めだよ!ちやほやされるし、経歴は好きに変えれる。それから、それから......」
A:「......」
A:自分はありのままの自分が一番良い。
A:これが探し求めていた自尊心なのだと、俺は知る事が出来た。