気になること


・サンゾロ
・時系列は8人時代
・妄想いっぱい
以上が大丈夫な方はこのままどうぞ






















体内時計の目覚ましがなり、おれは目覚める
新築の匂いがほのかに残るこの展望室と、麗しの航海士からのプレゼントである簡易ベッドにはまだ慣れてない
窓から見える外は暗いが、しばらくすれば夜が開けるだろう
隣でいびきをかいてるのは、生意気だけど可愛い恋人
普段は“魔獣”だのなんだのと言われる強面で、おれにだって口を開けば減らず口ばかり
だがふとした時や情事の時、コイツは素直な言葉や反応をくれる
今こうして見ている寝顔もどこかあどけなく、年相応の幼さを残している
そんな恋人をいつまでも見ていたい気もするが、おれには大事な仕事がある
そのためにはまずシャワーを浴びて着替えねェと
恋人の頬に軽くキスをしてベッドから起き上がった時、1枚の布に目が止まった
床に乱雑に置かれたアイツの服の中にある白い布
一見するとただの布だが、実は下着なのだ


*****


おれがコレを下着だと知ったのはどこかの島の宿、初めてゾロを抱いた時のことだった
互いの想いを伝えた数日後、その先に進む覚悟を決め合った夜の事は昨日のように覚えてる
戯れのようなキスを交わしながら着衣越しに触れたアイツの尻には、下着特有の布の感触がなかった
その時はてっきり紐パンやTバックのような布面積の少ない下着か完全に履いてないものだと思い、「随分気合い入ってんな、ドスケベマリモ」なんてからかったりした
だがいざ脱がしてみて、おれは目が点になった
表れたのはエプロンのような形の、なんとも不思議な下着だった
おもわず変な声が出たのを覚えてる

「おい、どうした」
固まるおれを前にゾロが怪訝そうな顔をする
「いや、その、お前…」
脱がしたばかりの腹巻とズボンを両手に目が泳ぐも、なんとか「それ、なんだ?」と小さく尋ねてみた
「これか?褌だ」
「フン?ドシ?」
「男物の下着だよ。おれの故郷じゃ普通だぞ」
なんて事ない顔で答えるアイツにおれは「そ、そうなのか」と返す
「その…ちょ、ちょっと見てもいいか?」
こういう時、無性に観察したくなっちまうのはコックの性か、好奇心か
未知の食材を目にした時の高揚にどこか似ている
「すぐにヤるんじゃねェのか。まァ、構わねェけど」
あっさりと本人の了承を得られたことに内心驚きつつ、おれはゾロの下半身に目をやった

腰周りは細く捻ってあるが、ガッシリとした腰のせいかロープというより太い荒縄のような印象だ
尻のところは最初に予想した通りTバックになっていたが、こちらも捻ってある
どっしりとしてハリのある尻はしっかりおれを受け入れてくれそうで安心したが、それでも丁寧に触れていくつもりだ
その尻の割れ目に食い込むように一本通った縄にセクシーさや色っぽさはなく、どちらかというと雄々しさや男臭さを感じた
おれがフンドシを観察している間、ゾロは「はやくしろよ」だの「見せもんじゃねェぞ、本当なら」だの言ってくる
その声に羞恥が混ざってるのを感じ、なんとも言えず興奮した

そして前、エプロンのような部分には模様などの類いは一切ない、真っ白な布
風が吹けばめくれるような印象だ
「めくってもいいか?」
そう言って顔をあげると、頬を赤らめながら「さっさと、終わらせろ…」と返してきた
その顔がなんとも可愛くて、「んー」と曖昧に返しておれは布に触れた
柔らかいが荒い触り心地の、なんとも無骨な布地
その布地をゆっくりとめくるともう一層布があり、既にテントを張っていた
布越しでもわかる程に立派な中心は窮屈そうに布を押し上げ、先走りで出来た染みから赤い先端が濡れ透けている
「まだキスして脱いだだけなのに、はやくも元気いっぱいだな」
そう言った直後、おれは頭を掴まれ噛み付くようにキスされた

「おれを抱くなら、さっさと、抱きやがれ…!」
真っ赤な顔で舌をねじ込み、手慣れたようにフンドシに指をかける
すると、あっという間に1枚の布が床に落とされた
「ソレ、そうなってたのか!?ってことは、よく洗濯の時に入ってた謎の布ってお前のだったのか!」
驚くおれにゾロは「そうだよ」とぶっきらぼうに返す
そして、もう一度噛み付くようなキスをした
おれ達の“はじめて”本番は、そんな始まり方だった


*****


あれから何度も行為を重ねてきたが、アイツがあそこまでガッツいてきたのはあれ以来ない
じっくりと前戯をしてから繋がるのはもちろんいいものだが、どこか寂しさもある
ところで未だに衝撃的で不思議なのは、このただの布が下着になるってことだ
いったいどういう過程を踏んで下着になるのか、未だに疑問だ
別に野郎の下着に興味はない、ただアイツのことだから気になるのだ
ここだけの話、おれも履いてみたい
いつか「おそろいだな」なんて言ってアイツを驚かせたいと思ってる
だが履き方がわからなければどうしようもできない
「こんど風呂の時に…いや、それじゃサプライズにならねェ。よし、次の泊まりは遅起きして見てみるか」
そう独りごちてシャツを羽織り、もう一度アイツの頬に口付けてから展望室を後にした
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