失礼だな、純愛だよ


※設定等ご都合・捏造・無為転変してるのでご注意



両面宿儺と宿儺の器が契りを結んだ。

呪術界を良い意味でも悪い意味でも震撼させた、歴史に残る大事件である。

両名が結婚するにあたり、まず悠仁の壮大な勘違いから始まり、宿儺がそれに大いに振り回され、周囲の謎の後押しもあって危ういながらも落ち着くところに落ち着いた。

これには悠仁の母・羂索もニッコリである。

唯一脹相は二人が結婚するギリギリまで
「良いか!俺は悠仁のお兄ちゃんであってオマエのお義兄ちゃんではない!!」
と大騒ぎしていたが、いざ二人が本気だと理解すると
「…幸せになれ、悠仁。そして宿儺。悠仁を悪い意味で泣かせたらまた指の干物にしてやるからな」
と若干過激な祝福を貰った。

そんなこんなであれよあれよと言う間に夫婦となった台風の目×2は、名義上旦那となった宿儺の生得領域で睦まじく寄り添っていた。

「…俺がまさか他人と婚姻など結ぶとは」

「もうそれ20回くらい聞いたんだけど。宿儺ボケた?」

「戯け。痴呆など入っておらんわ。オマエ達で言うところの"キャラじゃなさすぎてびっくり"というやつだ」

「あーそれはなんか分かる。宿儺ぜってー結婚とか出来ないタイプだもん」

「それを言うならばオマエも大概な物好きだろうに」

「それはなんも言い返せねぇわ」

「こんな男前を捕まえておるのだからそこは言い返せ。…して小僧、今日の夕餉は何だ」

「んー?まだ考えてないけど」

「ならば"肉じゃが"とやらが良い」

「おっけ。宿儺和食好きだよなー」

「………オマエの飯ならば何でも美味い」

「……え"、宿儺がデレた」

―――ちょっとだけ。そう、ただちょっとだけ。

近頃人を殺す事も飽いてきたし、飯作りが上手い伴侶も出来たので。

人類鏖殺は先延ばしにしてやろうと、そう思っただけだ。

しかしここで誤算があった。

今まで自覚が無かったのか、この呪いの王は意外にも寂しがり屋であったのだ。

その結果この後悠仁と過ごすうちに絆されて、
「置いて逝かれるのは寂しくて耐えられん。術を施し小僧が死ぬ時は俺も一緒に死ぬ。そうして来世もその先もずっと共に在るのだ」
と言い出すことになるのだが、それはまた別のお話。
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